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tomekantyou1
天声トラ語|ピークコンディションに達する日はやってこない
「今日も全然ダメだわ」気圧のせいか、睡眠不足か、はたまた前世のカルマか。とにかく調子が出ない朝は何かのせいにしてしまう。書こうと思っていた原稿も手つかず。SNSを開いたら他人の頑張りが目に刺さってくる。
たぶん、私たちはずっと『ピークコンディション』を待ってる。いつか、完璧なタイミングで、頭が冴えて、心が澄み渡って、指が神になり、完璧な物語が書ける日がくる。そんな幻を信じてる。
でもねえ、来ないんだよね、それが。ピークコンディションの日なんて、来ないのよ。少なくとも私は一度も出会ったことがない。というか、そもそもピークって何?脳内のミューズが拍手してくれる日?体が軽くて、机の上もピカピカで、猫もなぜか静かで、天界から「今日がその日です」って紙吹雪でも降ってくる日?言葉が溢れて止まらない日?
いやいや。そんなの、都市伝説です。信じる者はだいたい挫折する。だから私は、いつもどこか不調なまま書いてる。腰痛と戦いながら。コンビニスイーツで現実逃避しながら。
でもそれが良かったりする。ぐしゃぐしゃの気持ちが文章に染み出て良い感じになったりする。不完全な私が、不完全なまま綴った言葉が、誰かの心をちょっとだけノックすることも、ある。
ピークコンディションの日なんて絶対に来ない。それでも、今日も何かをつくることができる。歪んでいても、間違っていても、不格好でも。それが、生きてるってことなんじゃないかなぁ。
(599文字)
ミューズ【Muse】
ギリシャ神話で、文芸・学術・音楽・舞踏などをつかさどる女神ムーサの英語名。
#天声トラ語
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