贈り物の包装紙|デザイン|気持ちを反射する極小文字
はじめに
こんにちは、hafu(ハフ)です。私たちは建築を学ぶ学生2人で、デザインデータを制作しながら表現の可能性を探っています。
主に扱っている商品は、自宅で印刷できるラッピングペーパーです。
この商品と私たちについては、前回の自己紹介の記事にまとめてあるので、こちらも読んでいただけたら嬉しいです。
この記事では、ラッピングペーパーシリーズがどのように生まれたのか、その原型となった「sky」という作品が形になるまでの流れを話したいと思います。
アイデアは突然降ってくるものではなく、意識していなくてもずっと頭の中にあって、ある瞬間に「これだ」とつながることがあります。私たちにとって、そのきっかけになったのが「梅田スカイビル」でした。
アイデアの源:梅田スカイビル
梅田スカイビルは、大阪駅の近くにある高層ビルで、建築家・原広司さんによって設計されました。二棟のビルが最上部の空中庭園でつながる形になっていて、その外壁の大部分がガラスで覆われています。
私たちがこの建築に惹かれたのは、その「反射」の仕方でした。

スカイビルは、単に空や街を映すだけでなく、ガラスの間に挟まれた無機質なパネルが、景色を部分的に分断し、再構築しているように見えます。光の当たり方や視点の違いによって、見える景色は変わり、そこにいる人の記憶や気分さえも、その反射し、断片化した像に結びつけて、スカイビルが作り出す光景と一緒に記憶されるような感覚があります。
駅前でふとスカイビルを見上げたときに、晴れの日は青空に溶け込み、雨の日は街と一体化し、夜には光を散りばめるように浮かび上がる。その変化と断片化された風景が、見る人の旅の記憶や、日常の記憶と結びつくことが、このビルの象徴性なのではないかと考えました。
この建築を駅前で見かけるたびに、映し出されるのは実際の景色だけではなく、自分がその時感じていた気持ちや、旅の思い出のような、断片化された思い出の集合です。
「包むものの表層」としてのデザイン
ラッピングペーパーのデザインを考えるにあたって、私たちはずっと「何かを包むものの表層はどんなあり方がいいのか」を考え続けてきました。
それが最初に形になったのが「book cover series」です。
本を包むブックカバーは、単なる保護のためのものではなく、読んでいる人が、その本を読んでいる瞬間の気持ちや、その時の風景とともに記憶するものではないか。そう思いながら、ブックカバーを通して、読んでいる時の心の動きをデザインと一緒に記憶できるものにしたいと考えました。
例えば、「SORA」という作品は、旅先で本を開いた時の風景や、その時の気持ちを映し込むようにデザインしました。読み手の心境によって、ブックカバーが違う意味を持つ——そういう在り方を探っていました。
しかし、試作を重ねる中で、「包むものの表層」がより、使う人の心情と一体化して、見る度に少し違った印象を与えたり、デザインと本の中の物語、さらに読んだ人の気持ちが複合的に記憶されるにはどうしたらいいか考えるようになりました。
言葉と建築の関係 - 「sky」
そんな中で、再び梅田スカイビルの風景を思い出しました。
スカイビルは、都市の風景を映しながら、それを断片化し、新しい像を作り出している。まるで、そこにある景色だけでなく、その場所にいる人の気持ちや思い出まで包み込むような存在でした。
「ラッピングペーパーが、贈る人と贈られる人、その場所の空気や出来事を映し出すものになったらどうだろう?」
その問いから一度、作品としての抽象度を確認する意味でも製作したのが「sky」という作品でした。
この作品では、建築を構成する「素材」や「空間」を、言語に置き換えることを試みました。
スカイビルが光や景色を分解し、新しい像を作り出しているならば、作品「sky」もまた、その表層に言葉をちりばめることで、建築が持つ「反射する」という概念を再構築できるのではないか。そんな発想から、細かな言葉を敷き詰めたデザインが生まれました。

この作品の表面には、写真をピクセルごとに分析し、その色に関連する単語を抽出し並べています。視覚的な情報を言葉へと変換し、再構築することで、写真の持つ意味を再解釈しようとしました。
つまり、「sky」は単なる模様ではなく、都市の風景がテキストによって再構築されたもの。建築の持つ「像を反射し、時間とともに変化する」性質を、紙の上で表現する試みでした。
おわりに
「sky」は、建築に対する私たちの敬意を込めた作品でもあり、大切な贈り物を「包むもの」としての表層を研究するために生み出した方法でもあります。
建築を学ぶ中で、私たちは「建築が単なる空間ではなく、都市の一部として、そして記憶の一部として存在するものだ」と感じています。それをどうやって表現できるかを考え、試行錯誤した結果、この作品が生まれました。
私たちのアイデアは、いつも何気ない風景のなかにあります。
また、その過程をお話しできる日を楽しみにしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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