見出し画像

子どもは大人の鏡

前回のコラムでは、娘が10歳になった時に送った手紙について書きました。

その中で、一風変わった弟について少し触れましたが、今回はその息子のことを少し。

小さな頃からあまり自己表現の上手い子ではなかったため、関わる私のせっかちさもあってか、よく衝突を起こしていました。

我が子だからこそのもどかしさもあって、よく会社では「人は鏡」なんて偉そうなことを言っておきながらも、いざ自分が子供に対峙した時には「なんでこんなことも出来ないんだ」とか「何を考えているんだ」とか「どうしたいんだ」と自己表現をもっと表出してもらいたいがために、息子に負担のかかるような向き合い方をしていました。

当然ながら息子からは物理的な反発を食らいます。

当時は長袖のワイシャツの下の腕は、息子からもらった引っ掻き傷だらけでした。

そして、それは今になってよく分かるのですが、息子からの「もっと自分とちゃんと向き合ってくれ」という悲鳴だったのだと思っています。

頭に血が昇っていますから、あまりにも痛い目にあうと、ついこちらもやり返してしまったりという悪循環もありました。

ターニングポイントは、ちょうど娘に前述した手紙を書いた頃だと思います。

子供二人と三人で遊びに出かけた帰りに、息子は車の後部座席で眠っていたのですが、助手席に座った娘と、息子のことについて話をしていました。

穏やかな時もありますが、暴れる時には手がつけられなくなる弟のことを「なんであんな感じになってしまうのだろう」という娘に対して、私は自分自身に言い聞かせるように答えました。

「あいつ自身、分からなくて不安なことが沢山あるんだと思う。でもそんな時に、寄り添わずに更に責めるような向き合い方をしてしまうと、余計に不安は大きくなる。でも、あいつが笑っている時って、本当に可愛いなと思うし、もっともっとあいつに喜んで欲しいんだよな。どうしても感情的になってしまったりするけれども、なるべくあいつが穏やかでいられるような向き合い方をしたいと思っている。オレもそう心掛けるから、お姉ちゃんとしてもお願いしたい。」

「そうできたらいいね」と言う娘と、どちらが親なのか分からないような会話をしていた時に、ふとバックミラーで後部座席を見ると、息子が起きていて、前方をまっすぐ見つめながら静かに涙を流していました。

これまで誰にも話してきませんでしたが、この時に私は「この子は全ての出来事をしっかりと理解しているのだな」と深く深く気づかされたのです。

私がこれまで発してきた不用意な発言も、乱暴な行いも、理不尽さも、この子は全て理解して受け止めてきたのだなと分かったのです。

「負うた子に教えられる」とは正にこのことです。

10年前のその出来事から、二人の関係性は変わったのだと感じています。
私が手を出すこともなくなりましたし、息子が引っ掻くこともなくなりました。

何よりも私が変われたから、息子が向き合ってくれるようになったのだと信じています。

このコラムを書いていた頃、久しぶりに福岡のいる家族のもとに戻った際に、高校生になった息子から「大学に行って農業の勉強を更に深めていきたい」という話をもらいました。

その後、実際に農業系の学校に通い、いよいよこの春には農家に就職が決まりそうです。

彼の可能性を信じて、進もうとする道を遮らないようこれからも後押ししていきたいと思っています。

息子のことと言いながら、自分の恥ずかしい話を告白致しました。

それでも、マイペースで前向きに生きている息子のことを今は誇りに思っているということを、こうしてどこかに書き記しておきたかったのです。

本人には言っていませんが、将来農業で独立したいということになったら、私は今の立場を全て捨ててでも息子の仕事を一緒に手伝っていこうという覚悟は勝手にしています。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

蛇足ですが、下記に詩を引用させていただきます。

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる

とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる

不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる

「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる

子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる

親が他人を羨(うらや)んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる

叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる

広い心で接すれば、キレる子にはならない

誉(ほ)めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ

愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ

認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる

見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる

分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ

親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る

子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ

やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ

守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ

和気あいあいとした家庭で育てば、

子どもは、この世はいいところだと思えるようになる

- PHP文庫「子どもが育つ魔法の言葉」より -

いいなと思ったら応援しよう!

カワスケ🍜 嬉しいです。 サポートしていただきまして、ありがとうございます。 こちらからもサポートをさせていただくことで返礼とさせていただきます。 どうぞ宜しくお願い致します。

この記事が参加している募集