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「3,000万控除回転 & 買い増し」というハイブリッド戦略

※本noteは前編「3,000万控除を最速で回転させて資産形成すべき」という言説は正しいのか?に関する追加検証であり、前編に目を通した上で読み始めることを推奨する。



1. はじめに


前編では「3,000万控除回転戦略」と「買い増し戦略」の比較を行い、不動産価格の上昇相場においては3,000万控除の税制メリットよりも買い増しによるB/S拡大の方が純資産の増加にクリティカルであることを示した。

ただし、前編では2つの戦略の単純な比較を行ったに過ぎず、現実のタワマン投資においては有り余る与信を活かして住み替えをしながら投資用不動産の買い増しも行うという、2つの戦略を組み合わせることが可能な強者が多く存在することを忘れてはならない。

この強者たちを参考にした「3,000万控除回転戦略と買い増し戦略を組み合わせることが最も資産拡大に有効ではないか?」という仮説を検証し、彼らの戦略に対する理解を深めることが本noteの目的である。

結論から述べると、3,000万控除回転と買い増しを組み合わせたハイブリッド戦略は、買い増し戦略の欠点であった現金の一時的なマイナスを生じることもなく、最終的な純資産額において他のいずれの戦略よりも上回ることが判明した。

B/Sの最大化が資産拡大のミソであるならば、3,000万控除の回転によって非課税で獲得した現金を不動産買い増しの費用に充当し「再レバレッジ」を掛けることは非常に理にかなっている。この組み合わせ戦略は、不動産価格の上昇相場における資産形成の最適解の一つとなるだろう。


2. シミュレーション


条件を揃えるため、前編と同様の前提条件を用いて検証した。

2-1. 前提条件

  • 初期年収: 2,500万円

  • 不動産価格上昇率: 年5.0%

  • 年収上昇率: 年5.0%(個人の成長とインフレを反映)

  • 住宅ローン金利: 年1.0%(元利金等返済)

  • 取引タイミング:
     3, 6, 9年目に住み替え and / or 買い増しの不動産取引を実行する。

  • 戦略なし:
     1年目に年収の10倍で自宅を購入する。
     9年目に年収の10倍の与信枠を最大限使って自宅を住み替える。
     3,000万控除は1回しか利用できない。
     売却で得た現金は年利5%で複利運用する。

  • 戦略A(3,000万円控除回転):
     1年目に年収の10倍で自宅を購入する。
     3, 6, 9年目に年収の10倍の与信枠を最大限使って自宅を住み替える。
     3,000万控除は3回利用できる。
     売却で得た現金は年利5%で複利運用する。

  • 戦略B(買い増し):
     
    1年目に年収の10倍で自宅を購入する。
     3, 6年目に投資物件を買い増しする。
      物件1: 物件価格1.3億、融資金額1億、金利2.0%
      物件2: 物件価格1.3億、融資金額1億、金利3.0%
     9年目に年収の10倍の与信枠を最大限使って自宅を住み替える。
     3,000万控除は1回しか利用できない。
     売却で得た現金は年利5%で複利運用する。

  • 戦略A&B(3,000万円控除回転と買い増しのハイブリッド):
     
    1年目に年収の10倍で自宅を購入する。
     3, 6年目に年収の10倍の与信枠を最大限使って自宅を住み替える。
     加えて、投資物件を買い増しする。
      物件1: 物件価格1.3億、融資金額1億、金利2.0%
      物件2: 物件価格1.3億、融資金額1億、金利3.0%
     9年目に年収の10倍の与信枠を最大限使って自宅を住み替える。
     3,000万控除は3回利用できる。
     売却で得た現金は年利5%で複利運用する。

2-2. 補足(前編と同様)

  • 不動産が価格上昇する中、年収も同様に上昇する優秀な人物を想定した。

  • 10年目時点で全員が同一レベルの住居(築2年の良質タワマン)に居住するシナリオを想定した。

  • 譲渡所得に対する課税は20% or 40%(短期譲渡 or 長期譲渡)とした。

  • 簡易化のため、物件ごとの価格上昇率は統一し、売買の諸費用や賃料収入は計算から除外した。

2-3. 評価項目(前編と同様)

各年ごとに以下の項目を計算して比較した。

  • 含み益(ここでは物件の市場価格−ローン残債と定義)

  • 手持ち現金

  • 純資産


3. 結果

3-1. 資産推移の図

最終的な純資産は
戦略なし<3,000万控除回転戦略<<買い増し戦略<ハイブリッド戦略
となった。

回転戦略は3,000万控除の税制メリットを複数回使えるというアドバンテージ(約2,000万円)がある。
ハイブリッド戦略は買い増しによるB/S拡大の恩恵(約1億2,000万円)のみならず、3,000万控除の税制メリットも最大限に享受した。

3-2. 資産推移のグラフ

住み替えの際に自宅の含み益が現金に移転される動きは前編と同様。
ハイブリッド戦略は現金をマイナスにすることなく純資産を最大化した。

4. 考察

4-1. なぜハイブリッド戦略が最強か

戦略なしのパターンと比較すると、10年後の最終的な純資産において

3,000万控除回転戦略には約2,000万円
買い増し戦略には約1億2,000万円

の上乗せ効果があり、ハイブリッド戦略はこの両者の利益を享受した。

ハイブリッド戦略は、利確した現金を投資用不動産に再投資して新たな資金調達を行なったことで、3,000万控除回転戦略の「レバレッジをかけられない」という最大の欠点を克服した。また、買い増し戦略の「自己資金の持ち出しが発生する」というデメリットも3,000万控除回転戦略によって生まれた現金が補った。

このように、ハイブリッド戦略は2つの戦略の良いとこ取りをすることで純資産の最大化に成功した。人間が保有するキャッシュには限りがあるので、通常は無限に買い増しを続けることはできない。3,000万控除の税制優遇を得て住み替えをしながら、追加物件の購入を積極的に狙っていきたい。

(ここまでリスクを取れる人間はそう多くないと思うが…笑)

4-2. Limitation(本シミュレーションの限界)

今回のシミュレーションにはLimitationがいくつか存在する。

  • 諸費用や賃料収入:
    仲介手数料や融資手数料、登記費用、固定資産税などの諸費用を計算に含めていない。これらを含めると取引回数の多いハイブリッド戦略の利益は若干圧縮される。また、投資用不動産の賃料収入は無視している。

  • 資金調達の可否:
    常に与信枠最大の住宅ローンや新規の投資用ローンが組めるという前提を置いているが、現実の融資情勢はより厳しいと思われる(特に投資用ローン)。また、審査時点での保有資産によって金利や融資手数料などの資金調達コストは変動する。

  • 市況リスク: 
    全ての不動産価格が年5%で一貫して上昇するという前提はあくまで簡易的なモデルであり、厳密な計算のためには様々な個別事例を考慮する必要がある。

4-3. 今後の研究課題

今後の研究課題として以下が挙げられる。

  • リスクシナリオ分析: 
    不動産市況が下落した場合にB/S拡大は不利に働くため、そのシナリオではどの戦略が最も耐性を持つか調査したい。

  • 年収階層別の分析:
    今回は年収を2,500万円で固定したが、同じシミュレーションを複数の数値(1,000〜4,000万など)で実行し、年収によって戦略の有効性がどう変わるかを検証したい。

  • 購入物件の最適化: 
    前編の買い増し戦略と条件を揃えるためにハイブリッド戦略でも投資用不動産の価格を1.3億円で固定したが、獲得した現金を無駄にしないように物件価格やLTVを最適化すればさらに良い結果を得られるだろう(現に6年目以降は現金を余らせてしまっている)。また、同等のレバレッジをかけられるという前提に基づくものではあるが、投資用不動産の購入ではなく自宅の規模拡大に資金を全振りする戦略にも一考の価値があるだろう。


5. まとめ


本noteの結論は以下の通りである。

「3,000万控除を最速で回転させて資産形成すべき」という言説は正しい。ただし、その税制メリットよりも買い増しによるB/S拡大の利益の方がはるかに大きいため、これらを組み合わせたハイブリッド戦略が不動産価格の上昇相場において重要である🔥


あとがき
最後まで読んでくださってありがとうございます!
拡散やいいねしてくれたら嬉しいです☺️素敵なタワマン投資ライフを!!!
※投資は自己責任です。
※計算ミスがあったらすみません🙇

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