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滑るだけじゃない滑り台~余白をどうつくる?~

まだまだ暑い日が続いていますが、空気の中にも、一瞬秋を感じる風が吹くこの季節。
8月末から1週間ほどをかけて、ひだまり園庭に新しい滑り台を作ってみました!
今日は、向山こども園に完成した「ひだまり園庭」の滑り台について、どのような思いで作ったのかということについて書いてみたいと思います。


ひだまり園庭に込めた想い

この1週間、「工事の先生」といわれて、私は「一体何屋さんだろう?」と思うくらい、園庭づくりに没頭していました。
園舎の改築に伴い新たにできた「ひだまり園庭」は、午前中は1・2歳児、午後は3・4・5歳児も加わり、異年齢の子どもたちが関われる場を目指して設計した空間です。

「公園のような場所をつくりたい」との思いから、固定遊具や砂場などを取り入れ、子どもたちが安心して遊べる環境づくりを進めてきました。

こだわりの滑り台と「余白」の思想

ひだまり園庭の目玉の一つが滑り台です。
以前、ウォータースライダーづくりの際にも紹介させていただいた、北村匡平先生の著書『遊びと利他』から学んだ「遊具の中の余白」という考え方を今回の遊具づくりの参考にさせていただきました。
遊具に余白を持たせることで、子どもたちの多様な学びや関わりが生まれるという視点は、今も活躍しているウォータースライダーでも実感している、とても大切な概念だなと思っています。

その考えを踏まえて、「滑る」だけにとどまらない、さまざまな遊び方が可能な滑り台を目指しました。
実は、滑り台自体もいろいろな滑り方ができるように…と、幅広の滑走面を検討しましたが、数百万円という見積もりを前に断念。
そこで、数十万で抑えられた2列の滑走面がある既製品を選びました。
2人で滑ることも、隣り合って保育者と滑ることも、逆から登ることもできる、遊びの幅がある滑り台になりそうだなと思い、この遊具のメインになる滑り台が搬入されました。

滑り台をどう設置するか? 試行錯誤の記録

滑り台設置にあたっては、当初予定していた築山では高さが足りず、高低差を確保するために山砂を盛り、調整しながら滑走面を整えていきました。

まずはメインの滑り台の位置と向きを決定!
ストックしていた山砂をせっせと盛っていきます

その後、プレートという機械で地面をしっかり押し固め、土が崩れにくくなるように処理。これがしっかりした遊び場づくりには欠かせない工程なのです。

土を固めるのは大きめユンボの登場!
砂を固る作業は山の強度的にも大切な工程です☆

その上にウッドデッキの土台となる角材を設置。
木材と地面の間にはパッキンを入れ、腐食防止の工夫もしています。このパッキン、最近お気に入りの部材で、遊具の耐久性を高めるのに役立っています。

ようやく土台が完成! いよいよ仕上げ作業です☆

登る・降りる・座る…多様な動きが生まれる仕掛け

デッキはただの通路ではなく、登ったり、座ったり、ズリズリ降りたりと、子どもたちの動きが多様に広がるよう工夫しました。
頂上から緩やかに登れるスロープや、ちょっと急な斜面、はしごのような構造も用意しています。

全体像がこちら☆ あちこちから登ったり下りたりできます
こちらははしご状の登り口

特に1・2歳児にとっては挑戦となるような登り口には、木の突起やタイヤを設置。

手足をかけて登るのちょっと挑戦かな?

さらに、階段を登る楽しさを感じられるように、幅広の三段の階段を作りました。この階段は園の工事をしてくれた工事屋さんが「なんか使うでしょ?」と残していってくれた地先ブロックを再利用して作ったものです。

階段を上ったり下りたりは、バリアフリーのマンションでは体験できない遊びです
後ろは土のスロープも残してみました

反対側には石積みにし、雨水や水道からの流れで土が流出するのをコントロールする役割も。子どもたちが自由に登ったり座ったりできる、秋には憩いの場にもなりそうな場所です。

丸みのある石を厳選して配置してみました☆
早速水を入れて、自分も入って遊んでいました(笑)

遊び方は自由!

いよいよ滑り台が完成して開放された日。子どもたちは最初こそ様子を見ながらでしたが、次第に自分の好きな場所から登ったり滑ったりする姿が見られるようになりました。

滑り台はもちろん人気で、短い滑走面ではあるのですが、とても満足そうにしてくれていて、設置してよかったなと思いました。

固定遊具の良さってやっぱりありますよね

また、1歳児は登るだけで満足しているようでしたし、2歳児になるとデッキの端からお尻をついてズリズリと降りてくる子も。
中には4歳の男の子が、立ったままデッキをゆっくりと滑るように降りてくる様子もありました。
年齢や発達に応じて、それぞれが自分なりの「遊び方」を見つけていく様子に、遊具の余白がうまく働いていることを実感しました。

意外と人気の斜めのデッキ

安全性と配慮、そして保育者の役割

もちろん、こうした自由な遊びを保証するためには、安全性の確保も不可欠です。隙間や段差が体を挟むことのないように設計しつつも、急斜面での遊びが含まれるため、保育者がそばについて見守ることは必要です。

ただ、安全を守りながらも、「どう遊ぶか」は大人が決めるのではなく、子どもたちと一緒に考えるという視点を大切にしています。登るルートも降りるルートも一方向に限定されていないからこそ、子どもたちの「やってみたい」が広がるのだと感じました。

引っ掛かりに備えて、角はすべて面取りしました

滑り台づくりは、単なる遊具設置ではなく、子どもたちの発達と遊び、そして保育のあり方を改めて考える機会にもなりました。今回の滑り台は「滑る」だけではない、子どもたち一人ひとりの挑戦や発見が詰まった空間です。

今日は、向山こども園のひだまり園庭にできた新しい滑り台について書いてみました。
これからこの場所が、子どもたちにとってたくさんの「やってみたい!」が生まれる大切な遊び場になっていくことを願っています。

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