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「その質問、誰のため?」記者の“自己満パフォーマンス”が、国民の知る権利を静かに蝕むワケ

【概要】2025年12月19日の小野田経済安保相の記者会見で、記者がまたしても所管外質問を繰り返しました。オープン会見という透明性の制度が、なぜ国民の知る権利を侵害するのか。記者の倫理と民主主義の未来を考察します。


「透明性」という制度設計だからこそ問われる記者の倫理

「オープン会見」という仕組みをご存じでしょうか?

2025年12月19日に行われた小野田経済安保相の閣議後記者会見は、記者クラブに限定されない「オープン会見」です。政府広報オンラインやニコニコニュースがライブ配信しており、国民は誰でも直接視聴できます。

さらに重要なのは、この会見への参加ルールです。

内閣府の公式ページによれば、小野田大臣の定例記者会見に参加を希望する記者は、事前登録の手続きを経て参加することができます。その参加登録対象には

  1. (社)日本新聞協会会員社に所属する記者

  2. (社)日本専門新聞協会会員社に所属する記者

  3. (社)日本地方新聞協会会員社に所属する記者

  4. (社)日本民間放送連盟会員社に所属する記者

  5. (社)日本雑誌協会会員社に所属する記者

  6. 日本インターネット報道協会法人会員社に所属する記者

  7. 外務省が発行する外国記者登録証保持者

  8. 上記1~6のメディアが発行する媒体に署名記事等を提供し、十分な活動実績・実態を有する者(いわゆるフリーランス)等

が明記されています

参加手続きは以下の通りです

(1)事前登録フォームに記入:氏名、所属、連絡先などを登録

(2)別途、以下の書類をメールで提出

  • 所属する企業・団体等がある記者:所属社員証等の写し

  • フリーランス記者(上記8に該当する記者):上記1~6に対応する媒体に署名記事等を提供していることを証明できる、複数の掲載記事(原則最近6ヶ月間に掲載された2つ以上の署名入り記事)等の写し

(3)当日の本人確認:身分証明書等本人確認ができるものを持参

(4)参加に際しての注意事項への同意

  • 参加登録がない場合には、参加をお断りする

  • 会見の開始時刻・場所は、急に変更される場合もある

  • スペースや時間の関係で、参加の希望に添えない場合、希望者全員が質問できない場合などもある

  • 参加者は、報道倫理を厳守するとともに、庁舎内での移動等に当たっては、職員の指示に従う

つまり、この「オープン化」は意図的な制度設計です。従来の記者クラブに限定されない制度によって、フリーランス記者や多様なメディアが参加できるようにしたのです。

ところが、この「透明性」を確保するために設計された制度が、逆に問題を引き起こしています。

12月19日の会見では、フリーランス記者の横田氏が約3分間にわたって、所管外の質問を執拗に質問するという事態が発生しました。その様子は、政府広報オンラインやニコニコニュースのライブ配信を通じて、国民全体の目の前で展開されたのです。

この光景が示しているのは

  1. オープン化という「透明性向上」の制度設計が実現した

  2. しかし、その透明性の中で、記者が「個人的な政治主張」を展開して、国民の知る権利を侵害した

  3. その侵害の光景が、ライブ配信を通じて国民全体に「可視化」された

という、制度と現実のズレを明示しているのです。

今回の記事では、「オープン会見だからこそ問われる記者の倫理」という新たな視点から、日本のメディア環境が抱える問題を掘り下げます。

政治・政策の視点:制度的に「開放された場」での1秒も許されない浪費

まず、基本的な認識を共有したいのです。

「金額の大きさではなく、1秒でも所管外質問に税金を使うべきではない」

そして、その問題は、オープン会見だからこそ、より深刻なのです。

12月19日の会見は約11分間でした。ところがその中で、約3分間は「所管外です」という回答を繰り返すだけに費やされたのです。

「たった3分」と見えるかもしれません。でも、これは原則の問題です。

経済安保相の報酬は国民の税金です。その時間が「政策説明」に使われるべき公共資源なのです。換言すれば、所管外質問は「国民から盗まれた3分間」です。

さらに、この問題が通常の記者会見よりも深刻なのは、以下の点です

1. オープン会見という「制度的な開放」の名の下での浪費

横田氏は、内閣府が制度的に「開放」したオープン会見に、正規の手続きを経て参加したのです。

つまり、政府側が「透明性向上のために」設計した制度に基づいて参加したにもかかわらず、その参加権を「所管外質問の追及」に繰り返し使用したということです。

これは、単なる「質問の質が低い」という問題ではなく、「制度の趣旨の否定」を意味しています。

2. ライブ配信による「二重の可視化」

12月19日の会見は、政府広報オンラインやニコニコニュースでライブ配信されていました。

つまり、横田氏による約3分間の所管外質問は

  • 会見会場にいた記者団に見られた

  • 同時に、ライブ配信を視聴している国民全体にも見られた
    アーカイブされいつでも見られる状態)

という、「二重の可視化」が行われていたのです。

これにより、国民は以下の光景を認識しました

  • 大臣が「所管外です」と答える

  • 記者が別の角度から同じ質問を繰り返す

  • 大臣が再び「所管外です」と答える

  • 記者がさらに別の表現で追加質問をする

この3分間の光景は、「オープン会見」という透明性の名目の下で、国民全体に「無駄な税金使用」を示す結果になってしまったのです。

3. 本来なされるべき政策質問の機会喪失

12月19日の会見では、以下の重要な政策が発表されました

  • 経済安全保障推進法による特定重要物資の拡大(人工呼吸器、無人航空機、人工衛星、ロケット部品、磁気センサーなど)

  • AI戦略本部の新方針と約4,380億円の補正予算

  • 大規模インフラ障害への対応体制

横田氏が約3分間を所管外質問に費やしてしまえば、本来はこれらの政策について「官民1兆円投資のロードマップは?」「海底ケーブル安全保障への具体的対策は?」「研究開発の規制はどう実装されるのか?」といった建設的な追及ができる別の記者の機会が失われるのです。

社会・文化の視点:「オープン」の本来の意味が失われる瞬間

ここで、「オープン会見」という制度の本来の目的を考えてみましょう。

「オープン会見」の存在意義は何なのか?

それは、以下の三点です

  1. 情報の民主化:特定の記者クラブだけでなく、フリーランス記者も国民も、直接情報にアクセスできる

  2. 透明性の確保:政府と記者団の「談合」や「事前打ち合わせ」が表面化しやすくなる

  3. 多様な視点の確保:大手メディアだけでなく、様々な立場の記者が質問できる

オープン会見は、日本の民主主義を強化するための制度なのです。

ところが、12月19日の会見では、その本来の意義がむしろ侵害されるという逆説的な事態が発生しました。

どういうことか?

例えば、国民がニコニコニュースのライブ配信を見ていたとします。その国民は、会見の中で

重要な政策説明所管外の追及が並列で行われるのを目撃します。

その結果、国民の認識は以下のようになる可能性があります

  • 「経済安全保障推進法?よく分からないけど、何か議論があるんだ」

  • 「AI戦略?詳しい説明がなかったから、よく分からない」

  • 「統一協会の問題?経済安保相が答えないから、政府は隠蔽しているのかな」

実は、最後の認識は完全な誤解です。統一協会問題は法務省や文化庁の所管であり、経済安保相が答えられない理由は「所管外」だからです。でも、ライブ配信を見ている国民には、その区別が分かりません。

つまり、「オープン会見」という透明性の制度が、実は「不正確な情報」を国民に広める道具になってしまうという矛盾が生じているのです。

これは、「民主主義のために」という名目で始まったオープン会見が、実は「国民の判断を誤らせる」可能性さえ持つことを示唆しています。

倫理・哲学の視点:「オープン」だからこそ問われる記者の倫理

ここで、根本的な倫理的問題を指摘したいのです。

「オープン会見」で、なぜ記者は「自分たちの質問の質」を厳しく自己評価する必要があるのか?

その理由は、簡潔です

「国民が直接見ているから」

通常の記者会見との違い

通常の、限定的な記者会見であれば、質問の質が低くても、その会見の様子を国民全体が直接見ることはありません。大手メディアの報道を通じて、間接的に知るだけです。

ところが、オープン会見では、ライブ配信を通じて、国民全体が記者の質問を直接見守ることができます。

この状況は、記者にとって、実は極めて厳しい責任を伴うものなのです。

「質問」は「態度の表現」になる

オープン会見では、記者の質問は、もはや「大臣に対する質問」ではなく、「国民に対する記者の態度の表現」になるからです。

12月19日の会見で、横田氏が約3分間の所管外質問を繰り返していた時、ライブ配信を見ていた国民は、以下のことを認識したはずです

  • 「この記者は、大臣から引き出したい情報が何なのか、明確にしていないんだな」

  • 「『所管外』という回答を受けても、同じ質問を繰り返している。これは、大臣への敬意がないのでは」

  • 「3分間も同じ質問に付き合わされているが、この時間に本来知りたい政策情報が失われているんじゃないか」

つまり、横田氏の質問そのものが、「この記者は、国民の知る権利よりも、自分の政治的主張を優先している」という態度を表現してしまったのです。

「オープン」であるほど高い責任

オープン会見は、従来の限定的な記者会見よりも、記者により高い倫理基準を求めています。

なぜなら

  1. その質問が直接国民に見られるから

  2. その質問が、国民の政策判断に影響を与える可能性があるから

  3. 質問の質が、直接的に「記者の倫理観」を表現するから

言い換えれば、「オープン」であるほど、記者は「自分たちは国民の代理人である」という自覚を持つ必要があるのです。

国際比較:オープン化と記者責任の関係性

ここで、海外のオープン会見の事例を見てみましょう。

アメリカ(ホワイトハウス):形式的なルールで倫理を支える

アメリカの大統領記者会見は、完全にオープンです。ライブ配信され、国民は誰でも見ることができます。

興味深いのは、このオープンな環境の中で、アメリカは形式的なルールで倫理を支えているということです:

  • 1記者1質問制(単一質問制)

  • フォローアップはマスコミ側が説得して初めて許可される

  • 大統領がマイクを返却すれば、質問は終了

なぜこのような「形式的なルール」が必要なのか?

それは、正に「オープン会見だからこそ、形式で規律を保つ必要がある」という理由からです。

言論の自由を守りながらも、国民全体の「知る権利」を守るために、形式的なルールが設けられているのです。

ところが、日本の閣議後会見には、こうした形式的なルールがありません。結果として、記者の「倫理観」だけに頼る仕組みになってしまっています。

12月19日の会見で、横田氏が約3分間の所管外質問を繰り返せたのは、そうしたルールが存在しないからです。

イギリス:議会制民主主義による補完

イギリスは議会制民主主義です。政府記者会見もオープンですが、より重視されるのは議会での質問時間です。

なぜなら、議会での質問は、法的な拘束力を持つからです。議会で答えられない質問は、政府を追い詰める結果につながります。

つまり、イギリスは「オープン会見での記者の個人的主張」よりも「議会での公式な質問」を重視する制度設計をしているのです。

これは、日本にとって示唆的です。オープン会見の透明性を守りながらも、同時に「議会質問との役割分担」を明確にすることで、記者が「会見を私物化する」誘惑を減らせるということです。

「報道倫理を厳守する」誓約と現実のギャップ

ここで、極めて重要な指摘をしたいのです。

内閣府の公式ルールには、以下の記載があります

「参加者は、報道倫理を厳守するとともに、庁舎内での移動等に当たっては、職員の指示に従ってください。」

この一文は、オープン会見への参加に際しての注意事項として明記されています。

つまり、横田氏を含むすべての参加記者は、「報道倫理を厳守する」ことを前提に、会見への参加が許可されているのです。

では、「報道倫理」とは何か?

一般的に、報道倫理には以下が含まれます

  1. 事実の正確性:虚偽の情報を流さない

  2. 公正性:特定の政治的立場に偏らない

  3. 社会的責任:公共の利益を優先する

  4. プライバシーの尊重:個人の権利を侵害しない

  5. 適切な取材手法:強要や脅迫を用いない

12月19日の横田氏の行動は、この「報道倫理」のうち、特に「公正性」と「社会的責任」に疑問を投げかけます。

なぜなら

  • 所管外の質問を繰り返すことは、「公共の利益」(国民の知る権利)よりも「記者個人の主張」を優先した可能性がある

  • 約3分間の時間浪費は、他の記者の質問機会を奪い、「社会的責任」を果たしていない可能性がある

「報道倫理を厳守する」誓約の実効性

問題は、この「報道倫理を厳守する」という誓約に、具体的な罰則や執行メカニズムがないということです。

内閣府のルールには、以下の記載があります

「スペースや時間の関係で、参加の御希望に添えない場合、希望者全員が質問できない場合などもあり得ますので、あらかじめ御了解ください。」

つまり、「質問できない場合もある」という記載はありますが、「報道倫理に違反した場合、参加を取り消す」といった具体的な措置は明記されていません。

これが、日本のオープン会見制度の構造的な弱点なのです。

アメリカのように「1記者1質問制」という形式的ルールがあれば、物理的に横田氏の3分間の質問は不可能だったはずです。

12月19日会見の分析:「オープン」な場での「私物化」の具体的パターン

実際に、12月19日の会見がどんな形で「私物化」されたのか、具体的に見ていきましょう。

パターン1:所管外質問の執拗な追及

旧統一協会問題に関する質問がこれに該当します。フリーランス記者の横田氏が「外国人担当大臣として、外国人の迷惑行為の一種では」と主張し、大臣が「所管外」と答えた後も、同じ質問を表現を変えて複数回繰り返しました。

この問題は、実は

  • 法務省の管轄(外国人政策)

  • 文化庁の管轄(宗教法人)

  • 検察の案件(山上被告の裁判)

のいずれかであり、経済安保相の所管ではありません。

ここで注意すべき点は、横田氏は「排除されたフリーランスが、限定的な機会を私物化した」のではなく、「オープン会見という制度的に開放された場で、正規の手続きを経て参加し、その上で所管外質問を繰り返した」ということです。

これは、より深刻です。なぜなら

  1. 制度的に「質問する権利」が保障されている

  2. 「報道倫理を厳守する」という誓約の下で参加が許可されている

  3. その上で、その権利を「不適切に使用した」

という、より明確な倫理的問題になるからです。

パターン2:「お気持ち」質問

別の記者が、「安倍元総理と教団のズブズブの関係について、何もコメントしてないんですか?」と追及しました。

これは、政策質問ではなく、政治家の「思想」「心情」を引き出そうとする質問です。大臣は適切に「この場は、私の所管に関することを省庁の意見をしっかり所管の大臣としてお話しする場」と回答されました。

オープン会見で、こうした「お気持ち」質問が展開されるということは、ライブ配信を見ている国民全体の前で、政治家の個人的見解を強要する行為が行われているということです。

これは、オープン会見の制度的な透明性が、逆に「不適切な質問」を国民全体に可視化してしまうという矛盾を生み出しています。

パターン3:結論誘導型質問

「山神被告の家庭経済の破綻を招いた安倍元総理と教団のズブズブの関係について」という表現は、実は仮定と事実判定を混在させた結論誘導的な質問形式です。

オープン会見で、こうした質問が行われれば、国民は「この記者は、一方的な結論を前提に質問している」ということを直接認識します。

つまり、オープン会見の透明性の下では、記者の質問の質が、直接的に「記者の倫理観の表現」になってしまうのです。

総合考察:「オープン」という透明性がもたらす新たな責任

ここで、最も重要な指摘をしたいのです。

日本の記者会見の「オープン化」は、記者に対して、従来よりも高い倫理基準を要求しています。

なぜなら

  1. 国民全体が直接見ている

  2. その質問が、政策判断に影響を与える可能性がある

  3. 質問の質が、直接的に「記者の倫理観」を表現する

からです。

「参加手続き」と「倫理実行」の不釣り合い

重要なのは、以下の点です

参加手続きはある程度整備されているのに、その後の「質問倫理」に関する実効的なルールは極めて緩いという点です。

横田氏は

  • 事前登録フォームに記入した

  • 活動実績を証明する署名記事を提出した

  • 「報道倫理を厳守する」ことを了解した

にもかかわらず、その誓約を実行するための「具体的なルール」や「違反時の措置」がないのです。

アメリカのように「1記者1質問制」というルールがあれば、横田氏による約3分間の執拗な質問は物理的に不可能だったはずです。

形式的ルールの必要性

言論の自由を守りながらも、オープン会見の本来の機能を守るためには、形式的なルールが不可欠なのです。

それは、以下のような形式です

  1. 1記者1質問制(またはそれに準じるルール)

  2. 所管外の回答を受けた後の追加質問禁止

  3. 司会者による時間管理

  4. 報道倫理違反に対する参加禁止措置

こうしたルールは、一見「言論の自由を制限する」ように見えるかもしれません。

しかし、実は「オープン会見という公共の場における民主的な秩序」を守るために不可欠なものなのです。

未来予測・ヒント:「オープン」の本来の機能を取り戻すために

では、この問題にどう対応すればいいのか?

重要なのは、「オープン会見」という制度の本来の目的を守ることです。

記者側ができること

  1. 自分たちの質問を「国民が見ている」という自覚

オープン会見では、ライブ配信を通じて、国民が記者の質問を直接評価できます。

その認識の下で、以下を問い直す必要があります

  • 「この質問は、国民の知る権利に貢献しているのか」

  • 「この質問は、検証可能な情報を引き出すのか」

  • 「この質問は、記者の個人的主張ではなく、公共の利益に基づいているのか」

  1. 所管外の回答の後の「潔い撤退」

これは絶対的に必要です。オープン会見では、「所管外」という回答の後も同じ質問を繰り返すことは、国民全体に「この記者は国民の知る権利よりも自分の主張を優先している」というメッセージを送ることになります。

  1. 「検証可能な質問」への集約

12月19日の会見では、実際に「良い質問」も多くありました

  • 「研究セキュリティ手順書の詳細」(現場の研究者向けにどう説明するのか)

  • 「AI戦略のスピード感」(いつまでにどう実装するのか)

  • 「造船業のロードマップ」(官民1兆円投資の具体的な時期と内容)

こうした質問は、記者の質問時間内に、具体的で検証可能な回答を引き出せました。その情報は、読者にとって「自分たちの生活に関わる政策」を判断する材料になります。

オープン会見では、こうした「検証可能な質問」に特化することで、国民の判断材料を提供するという、本来の責務を果たせるのです。

政府側ができること

  1. 司会機能の強化

アメリカのように、司会者が「既に回答した質問の重複」「所管外質問」に対して明確に判断し、時間を管理する仕組みが必要です。

これは、形式的なルールのように見えるかもしれませんが、実は「オープン会見の本来の機能を守る」ための最後の砦なのです。

  1. 「報道倫理違反」への具体的措置の明示

現在のルールには「報道倫理を厳守する」という要求はありますが、違反時の措置が明記されていません。

例えば

  • 1回目の違反:警告

  • 2回目の違反:次回会見への参加禁止

  • 3回目の違反:参加資格の取り消し

といった段階的な措置を明示することで、記者側も「報道倫理の実効性」を認識できるようになります。

結論:「オープン」であるほど、記者は「公共の代理人」である

最後に、以下の問いを、読者の皆さんにお投げかけします。

「あなたは、オープン会見でのどんな質問を見たいですか?」

  • 政治家に個人的な「思想」や「感情」を引き出す質問ですか?

  • 所管外の質問を執拗に繰り返す質問ですか?

それとも、以下のような質問ですか?

  • 「政策の実装方法」を明らかにする質問

  • 「予算配分の根拠」を検証する質問

  • 「国民への影響」を掘り下げる質問

前者なら、それはメディアの「政治参加」であり、民主主義的には危険です。オープン会見という「透明性の制度」の下では、その危険性がより一層鮮明になります

後者なら、それは国民の「知る権利」を守る本来のジャーナリズムです。オープン会見という「透明性の制度」の下では、その価値がより一層明確になります

12月19日の小野田経済安保相の記者会見では、両方の質問が混在していました。良い質問も、悪い質問も、記者の「質問力の差」がそのまま国民に届く情報の質に反映されていたのです。

そしてその光景は、政府広報オンラインやニコニコニュースのライブ配信を通じて、国民全体に見守られていました。

この「オープン」という透明性の下では、記者は、もはや「大手メディアの編集権」という「逃げ道」を持つことができません。

記者の質問は、直接的に「その記者の倫理観」を表現する行為になってしまうのです。

そして同時に、その質問は「国民の知る権利」に直結する行為になるのです。

記者の皆さんへ、最後の問い掛けです

「オープン会見は、あなたたちの『政治参加の舞台』ですか?それとも『国民の知る権利を実現する舞台』ですか?」

その選択が、日本のメディア環境全体、そして民主主義の質を決めるのです。

参考資料・情報源

政府広報オンライン・ニコニコニュース・日テレNEWS

小野田大臣記者会見(令和7年12月19日) | 政府広報オンライン

内閣府「小野田大臣定例記者会見参加登録」

  • https://form.cao.go.jp/cao/opinion-0161.html

  • 参加登録対象の8項目を明示

  • フリーランス記者の参加要件:「上記1~6のメディアが発行する媒体に署名記事等を提供し、十分な活動実績・実態を有する者(いわゆるフリーランス)等」

  • 別途提出書類:「複数の掲載記事(原則最近6ヶ月間に掲載された2つ以上の署名入り記事)等の写し」

  • 参加に際しての注意:「参加者は、報道倫理を厳守するとともに、庁舎内での移動等に当たっては、職員の指示に従ってください。」

note 税金の無駄遣い?記者会見で5分間も『所管外です』と言わせた質問者たちの問題点|夢見人

記者会見文字起こし清書版
(00:04)
司会:それでは、ただいまより小野田大臣の記者会見を始めます。大臣、よろしくお願いします。
小野田大臣:はい、おはようございます。
司会:おはようございます。

小野田大臣:まず、経済安全保障担当大臣としてご報告いたします。
先ほどの閣議において、経済安全保障推進法の特定重要物資に新たに人工呼吸器、無人航空機、人工衛星、ロケットの部品を追加するほか、船舶の部品に船体を構成する部品を加え、先端電子部品に磁気センサーを加える政令が決定いたしました。
政令が公布された後は、物資所管省庁である厚生労働省、経済産業省及び国土交通省において、物資の特性に応じた安定供給確保のための取り組みを推進していくことになります。
引き続き関係省庁と連携をして、特定重要物資の安定供給を確保してまいります。

引き続き、経済安全保障担当大臣としてご報告をいたします。昨日、大規模インフラ障害への対応にかかる机上演習が内閣官房と東京都との共催で実施され、小池東京都知事と共に出席をいたしました。昨今、国内外においてサイバー攻撃等により電力・通信等の重要インフラに障害が生じる事例が発生しております。

(01:09)
主要インフラの障害が大規模かつ複合的に発生した場合、国民生活や社会経済活動に深刻な影響を与える可能性があるところ、そうした事態を想定し、平時から準備を進めておくことが経済安全保障の観点からも重要です。
演習には政府、自治体、事業者等から約300名が参加いたしまして、東京都庁の災害対策本部室において、高い緊張感のもと、組織の垣根を超えてインフラ障害の対応を真剣に議論しておられ、大変有意義な演習になったと考えております。

また、小池東京都知事との意見交換も行いまして、自然災害によらない大規模インフラ障害の対策の重要について互いに確認をいたしました。
不透明な状況下で国民の不安・混乱を抑制するために、関係機関が連携し積極的な情報発信を行う重要性など、本演習で得られた課題・教訓を、政府内のみならず他の自治体やインフラ関連企業の皆様にしっかり発信をし、我が国として大規模インフラ障害の事前の備えを一層強化してまいります。

(02:15)
続いて、人工知能戦略担当大臣として報告をいたします。
本日、人工知能戦略本部の第3回会合が開催されました。本会合では、適正性確保に関する指針案を決定するとともに、AI基本計画案を閣議決定に付すことを決定いたしました。合わせて、16日に成立した令和7年度補正予算におけるAI関連予算が約4,380億円となることについても報告をいたしました。

総理からは、「今こそ官民連携で反転攻勢をかける時であり、信頼できるAIによる日本再起を実現するため、(以下の点を進めること)」として、
第一に、ガバメントAI「源内」を徹底活用すること。
第二に、AIセーフティ・インスティテュート(AISI)を抜本的に強化すること。
第三に、補正予算も活用し、社会課題を解決できるサービスの開発・導入を進めること。
さらに、AIサミットを可能な限り早期に日本で開催すべく取り組みを進めること、
などといったご指示がありました。

総理のご指示を踏まえ、内閣府が中心となり、AI関連政策をしっかり取り組むとともに、成長戦略の策定やAI基本計画の不断の見直しに向けた検討も進めてまいります。

(03:20)
なお、本日のAI戦略の詳細等については、この後事務方からブリーディングを行わせていただきます。以上です。

司会:それでは質疑に移ります。挙手の上、社名・お名前を名乗ってください。

記者(カガク新聞?・中村):おはようございます。研究セキュリティの箇所に関する、えー、取り組みのための手順書が来週にも取りまとめられると思うんですけども、どういった研究が対象なのかとか、どういった取り組みが必要なのか、担当部署とかは分かっていると思うんですけども、大学の現場の研究者となかなか理解が進まないと思います。そこで、大臣、改めて現場の研究者向けに、どういった取り組みが必要なのかご説明していただけますでしょうか。

小野田大臣:ありがとうございます。
オープンで自由な研究環境を確保しつつ、多様な国際パートナーとの共同研究を推進するために、本年4月から有識者会議において、大学や国立研究開発法人の研究機関がリスクマネジメントを実施する際に参照する手順の内容を検討してきており、大方取りまとまったところです。

研究機関に手順書に基づく取り組みを来年度冒頭より求めるべく、ご指摘のとおり年内に手順書を取りまとめることができるよう、鋭意調整に努めているところでございます。
自由な研究環境を確保しつつ国際協力を進めていくためには、リスクを把握し、適切な対応を行った上で研究を進める必要がありまして、このような手続きを研究機関が行う場合に必要な手順を、各研究機関が使いやすいような形でまとめております。

研究経済安全保障の観点から、特に技術流出の防止が必要であるとして、手順の対象となる研究プログラムは今後指定されることになりますけれども、各機関において手順書に基づき対応することが我が国の研究力の強化にも資することになる、そしてしっかりと対応していただきたいということで、十分な周知に向けて現場に対して丁寧に説明を今後行っていきたいというふうに思います。

NHK:NHKの清水と申します。お願いします。冒頭ご紹介ありましたAIの関連なんですけども、総理からAIサミットの誘致とか、一兆円を超える政府の関連投資に関する指示があったかと思います。担当大臣として、この指示をどのようなスピード管理で進めていくお考えか、お聞かせください。

(05:33)
小野田大臣:はい。今、特におっしゃられたAIサミットに関しては、まだ具体的に「こういうふうにやりなさい」という指示があったわけではございませんけれども、しっかり目指していきなさいという指示がありました。まずは基本計画をしっかり進めることが大事であると考えております。

特に本日、総理からのご指示のあったガバメントAI「源内」の徹底活用、AIの安全性の向上のためのAISIの抜本的強化、体制を具体的に強化しなさいというふうに言われましたので、そのほか社会的な課題解決のためのサービスの開発と導入、具体的にフィジカルAIを使える場所とか、あとAIロボットをはじめとしたフィジカルAIの開発などの取り組みを、関係省庁と連携し、全力で進めてくださいというふうに指示を受けております。

AIは成長戦略の分野の1つとして位置づけられておりますので、この成長戦略の策定にもしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
今回決定された適正性確保のための指針について、特に関係事業者に周知して、本指針を踏まえた対応を促していきたいというふうに考えております。すいません、(AIサミット等について)まだ具体的なことが言えませんが。

共同通信:共同通信(桑島)です。今の質問と重なる部分もあるんですけれども、指針であったり基本計画案の根拠となっているAIにはですね、強制性がないと思うんですけども、今挙げた部分を実行をもたせるためにどのように取り組んでいくお考えでしょうか。

小野田大臣:ここは本当に、事業者と、あと使う側に関しても、密な関係をこれから本当に築いていかなくてはいけないなと思うんですけれども、実際に、いろんなものを強制的にやらせる方がいいんじゃないかというご意見もあるのは重々承知している中で、まずはその「信頼できるAI」というものを日本が作るために、事業者、そして利用者、みんながまず意識をしっかり持って、密に、何が――対応しなさいと言われたら困るのか、じゃあそれをどういうふうにやれば実現可能なのか、ということを関係者としっかり話をしながら進めていきたいというふうに思っています。

(07:44)
記者(フリー:横田):フリーの横田ですけども、韓国が本部の旧統一協会の高額献金、日本人の国富の海外流出、外国人の行為に当たると思うんですが、これに取り組まない理由は、元安倍総理と教団のズブズブの関係がまた注目されるのを避けるためですか。理由を教えてください。

小野田大臣:理由に関しては以前申し上げましたので、ご自身が取材した動画をご確認ください。

記者(同上):改めて聞いてるんですが、判決も出た、裁判も終結した区切りを受けて、あの事件を振り返って、山上被告の家庭の経済的破綻を招いた安倍元総理と教団のズブズブの関係について、何もコメントしてないんですか。

小野田大臣:何もコメントはございませんし、この場というのは、私の所管に関することを省庁の意見をしっかり所管の大臣としてお話しする場所で、あなたの意見を語る場所ではございませんので。

記者(同上):外国人担当大臣として、外国人の迷惑行為の一種ではないかということを聞いてるんですが、なんで所管内にならないんですか。

小野田大臣:所管外です。以上です。

記者(同上):根拠はないんですか。

小野田大臣:所管外です。

記者(同上):外国人の迷惑行為じゃないですか。

小野田大臣:以前申し上げておりますので、しっかり確認してください。

記者(同上):あと最後に、すぐに経済的圧(聞き取り不明:経済的威圧)をかけてくる中国からの、中国依存からの脱却をおっしゃいましたが、中国との関係をさらに悪化させかねない火をつけるような発言だと思うんですが、例えばレアアースが輸入停止になった場合の損害額がいくらぐらいで、それに対してすぐに対応できるという根拠をもって発言なさったんでしょうか。具体的な被害額と、その対応策が十分進んでいるかどうか、2点についてお聞かせください。

小野田大臣:具体的な事態に対する仮定の質問にはお答えいたしませんが、しかしながら我が国も、今、世界の各国も、特定国に依存することへの危険性を認知し、そして同志国の間でそれをどうやって対応していくかということを話し合っております。適切な対応を、しっかり国として行ってまいります。

記者(同上):レアアース輸入停止の被害はご存じないんですか。

小野田大臣:仮定の質問にはお答えいたしません。

(08:50)
司会:はい。他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

司会:あ、時事通信ですか。

記者(鈴木/時事通信):すいません。時事通信の鈴木ですが、今、所管のことには答えられないと繰り返されたところで恐縮なんですけれども、官邸幹部ということになっておりますが、核兵器の保有について必要だと思うという発言があったようなんですけれども、それについて、もしご所感というか、閣僚の一員として、国家安全保障に関わることなので、経済安全保障も無縁ではありませんし、なにかれば――。

(09:55)
小野田大臣:核兵器云々に関しては所管外でございますので、お答えは差し控えますし、その発言がどういうものなのか、誰が言ったのかとかっていうのは、私の中では情報として持っておりませんので、あったとしても所管外なのですいません。お答えは差し控えさせていただきます。

司会:失礼しました。よろしいでしょうか。それでは本日の会見を終了します。ありがとうございました。

12/19記者会見文字起こし

オープン会見:従来の記者クラブ加盟社だけでなく、フリーランス記者やネットメディアなども手続きを経て参加できる記者会見のこと。
記者クラブ:省庁や公的機関ごとに設置される、大手新聞社やテレビ局などで構成される取材組織。加盟社以外の取材が制限されることがあり、閉鎖的との批判もある。
所管外(しょかんがい):その大臣や役所が担当している仕事の範囲外であること。「担当外」という意味で使われる。
フリーランス記者:特定の新聞社や放送局などの組織に属さず、個人で取材・執筆活動を行うジャーナリスト。
署名記事:記事の文末や冒頭に、執筆した記者の名前が明記されている記事。記者の責任の所在を明確にする意味がある。
経済安全保障推進法:国民生活や経済活動に不可欠な物資の確保や、先端技術の開発支援などを定め、経済面から国の安全を守るための法律。
特定重要物資:経済安全保障推進法に基づき、国民の生存や生活、経済活動に甚大な影響を与えるため、国が安定供給を支援する物資(半導体、蓄電池、医薬品など)。

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