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樽の中で時間を育てる、正解のない経営ゲーム「AmberTime」(自作アプリ)

ウイスキーが好きです。

仕事終わりにロックやハイボールで飲むだけでなく、その背景ごと味わうのが好きで、実際に北海道の余市蒸溜所にも足を運んだことがあります。

貯蔵庫

巨大なポットスチル。
静かでひんやりとした貯蔵庫。
樽の中で時間が積み重なっていく、独特の香り。

そこで感じました。
「ここは工場というよりも、時間を管理する場所だ。」

この空気感を、自分の手元のスマホの中に再現してみたい。

それが、このアプリを作り始めたきっかけです。

メイン画面

好きな用語に「天使の分け前(Angels' share)」というものがあります。

熟成中に樽の中身が蒸発して減少する現象を、「天使が飲んだ」と表現する美しい言葉です。

現実的にはただの損失かもしれませんが、この考え方こそがウイスキーらしい重要な要素だと感じ、ゲーム内の仕組みにも取り入れています。

正解のない問いを実装する

このゲームには、明確な「正解」を作らないようにしました。

  • 蒸留の抽出範囲をどこで切り上げるか

  • すぐ売って現金にするか、熟成を待つか

  • ブランドを育てるか、回転率を優先するか

プログラムなので、計算だけで考えると、最も効率的に利益を出す「最適解」は存在します。

しかし、効率だけを追い求めてプレイすると、ゲームとしては途端に退屈な「作業」になってしまいます。

ウイスキーづくりとは、そうではないはずです。

売上管理画面

そのため、あえて数値に揺らぎを持たせ、
「気持ちよさそうな判断」「危うい選択」が常に隣り合わせになるように調整しました。

正解のルートをなぞるのではなく、迷いそのものを楽しむ設計です。

蒸留画面

ドット1つに暗がりを込める

画面全体は、既存の素材を使うのではなく、少し暗く、無骨なドット絵で統一しました。

きれいに整理された管理画面を作るのではなく、薄暗い倉庫や作業場を覗き込んでいる感覚を優先したかったからです。

結果の手触り

蒸留の結果は、「成功」か「失敗」かの二択ではありません。

  • きれいだけど、どこか個性がない

  • 荒いけど、強烈に印象に残る

  • 評価は低いが、一部に熱狂的なファンがつく

そんな複雑な結果こそが、ちゃんとデータとして残るようにしています。
それが棚に並び、市場に流れ、ブランドの空気を少しずつ変えていく。

「この蒸留所、自分らしくなってきたな」

そう感じた時が、このアプリの本当の完成なのだと思っています。

商品管理画面

急げば味が歪む。
待てば、資金が苦しくなる。
それでも、良いものができるまで待ちたくなる。

そんな矛盾と葛藤を抱えたまま、ゆっくりと時間を進めていく。

これは、ウイスキーをつくるゲームというより、
時間を育てるためのアプリなのかもしれません。

バー運営、輸出画面

これは、誰かに見せるためでも、リリースするためでもなく、ただ自分のために作った、私のiPhoneの中だけにある秘密のアプリたちの記録です。


何もせず、ただ待ちたい時はこちら▼

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