音楽知識ゼロ。コード進行で漂う音の宇宙「ChordDrift」(自作アプリ)
少し前からDTM(デスクトップミュージック)を触り始めました。
まだまだ手探りの段階ですが、曲作りについて調べていく中で、あることに気づきます。
「この曲とあの曲、雰囲気は違うのに中身は似てる」
時代もジャンルも違う名曲たちが、実は同じコード進行の上に成り立っていることは少なくありません。
J-POPでよく耳にする「王道進行」や、いわゆる「小室進行」、洋楽でもおなじみの「カノン進行」などがその代表だそうです。
センスだけで生まれているように見えた音楽も、実は先人たちが見つけた道筋の上を進んでいる。
そう気づいた瞬間、難解に感じた音楽理論が、急に「地図」 のように見えてきました。
コード進行を宇宙船のナビに
コードには、引力のように進みやすい方向がある。
そう知ったとき、なんだか宇宙船の航路みたいだな、と感じました。そんな直感から生まれたのが、今回のアプリ「ChordDrift」です。

画面左側のボタンには、あえてコード名を入れず、Ⅰ や Ⅴ、ⅵ といったローマ数字(度数)だけを並べました。
「C」や「G」といった具体的な音の名前だと、それだけで難しく感じてしまったためです。
ボタンの横には、次の一歩を示すおすすめ度も表示しています。

画面右側には、そのキーで使える基本のコードを宇宙船のレーダーに見立てて配置しました。
安定の「青」、展開の「緑」、緊張の「オレンジ」というように、コードの役割ごとに色分けもされています。
こうすることで、理屈ではなく視覚的な位置関係や色に集中でき、どこからどこへ進むかを純粋に眺められるようになりました。

レーダーの下には、コードの構成音に加え、sus4 や 7、M7 といったボタンを並べています。
これはコードに響きを足すための機能ですが、このアプリでは「着陸前の微調整」のような感覚で使います。
ほんの少しスパイスを加えるだけで、音が浮かび上がったり、奥行きが生まれたり、緊張感が漂ったりする。
その変化を、深く考え込まずに直感で試せるようにしました。
「勉強」ではなく「探検」に
このアプリを作ってから、コード進行を組む時間が「勉強」ではなく「探検」 になりました。
「あ、このルートはあの曲に近いな」とか、
「ここで舵を切ると、急に景色が変わるな」とか。
正しい音を探すのではなく、気持ちいい航路を感覚で探していくことができます。

寝る前にベッドの上で、スマホの画面をぼんやり光らせながら音を鳴らしていると、
作曲をしているのか、音の宇宙を彷徨っているのか、少し曖昧な気分になってきます。
優秀な音楽ソフトも増え、音楽生成AIも発達して、誰でも気軽に音を作れる時代になりました。
それでも、自分なりの「地図」を手に、音の宇宙へ乗り出していく時間は、今のところ、このアプリでしか味わえません。
これは、誰かに見せるためでも、リリースするためでもなく、ただ自分のために作った、私の iPhone の中だけにある秘密のアプリたちの記録です。
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