NovelJam 2025参戦レポ⑤「先輩方」
最終日からの再起。
=2日目の追加エピソード=
2日目の会場に「藤井太洋先生が15時頃お見えになる」との一報が伝達された。
質問コーナーも設けてもらえるとのことで、私の質問は──今書いている作品に出すプログラミング言語「コトリン」について。プログラマーに聞くような質問を作家の先生に投げても大丈夫なのか⋯。
「作家としての質問じゃなくていいんですか?」
そう波野さんに聞くと、
「僕なんかより、ずっと藤井先生はお詳しいのでぇ」
そう答えながら、本部に戻る。
初対面の方に投げてもよいか分からない質問をする。記者の方って凄いんだなと時間を待っていたら、会場にいらっしゃたのは17時をまわってからだった。
上品に撫でつけられたロマンスグレーの髪。
柔らかい声音。
(私なんかが話していい人……なんだろうか)
そう思う間もなく、質問コーナーの最初に指名される。
※補足として。
最初にお話しさせてもらった選考委員は藤井先生である。これで度胸?がついたのか、ヤケクソになったのか、打ち上げで内藤先生に話しかけることが出来た。
喉が張り付く。声が出ない。
やっと絞り出したのは、拙い質問だった。
「コトリンっていう言語は新しいのか、それともJavaみたいな既存のものを知っていれば覚えやすいのか……」
藤井先生は少し考えてから、静かに答えてくださった。
「プログラミング言語って沢山あるからね。使いやすさで言うと、AIが書けるかどうかなんだよね。」
「AIが……?」
「そう。銀行のシステムに使われてるような言語はネットに使い方が出てないからAIが書けない。そういう意味では、覚えにくいとも言えるね」
「な、なるほど。AI次第、なんですね……」
「そうだね。今はAIが書いてることも多いから」
──その瞬間、
自分の描くプログラマー像が前時代的だったと気づいた。
頭を下げながら席に戻る。
(でも…もう今更、AIは入れられない……でも丸ごと無視するのも、違う)
作品の時代設定は現代。令和…だと思う。
けれど藤井先生は、そんな細部で作品を値踏みするような方じゃない。きっと、「そういう世界観なんだな」で受け止めてくださるはず。
(変えない。AIを入れるにしても、後編とか、イフストーリーで。藤井先生はアドバイスを無視されたとか…怒る方…じゃないはず)
私の感性がそう囁いていた。
次に質問したのは、ノベルジャムの帝王と呼ばれる著者・澤さん。
開会式にギターを持っていたのもこの御方。プレゼン大会では見事な演奏を披露された。
質問コーナーで指名されると、後ろ手に一冊の本を抱えて質問会場へ歩いてくる澤さん。
藤井先生の著書であることが分かると、
「ファンだ」「ただのファンだ」
会場がどよめき、笑いが弾ける。
はにかむ澤さん。微笑む藤井先生。
「そういうのが一番嬉しいんだよねぇ!」
浦出さんの一言に会場全体が、ふっと温かくなった。質問コーナーはいつの間にか“握手会の空気”に。
サインをもらって満足げな澤さんは、最新刊の質問をしていた…と思う。
というのも私は、先ほどのAI問題をどうするか考えていてお二人の会話を聞くゆとりが無かった。
ほどなくして澤さんの質問タイムが終わり、「他に質問したい方は…?」という問いかけに、みな恐れ多いのか手を上げない。
ならば、と輝く笑顔で手を上げる澤さん。
「さっきしたから!」と笑いながら却下され、そのあとは札幌や沖縄からのオンライン質問に移った。
プレゼン大会を見届け、温かな激励の言葉をくださったのが、内藤みか先生、そしてもうお一方──仲俣暁生先生。
ノベルジャムの“双子イベント”である「阿賀北マラソン」の選考委員も務めておられる、文芸評論の名手だ。
近年は古典ホラー『吸血鬼ドラキュラ』を読まれたそうで、今回のホラー作品『リビング・スピリット』(著・KAINさん)にも深い関心を寄せておられたという。
秋もいよいよ深まり、ただでさえ空気が冷えはじめるこの時期に、あえて“涼”を取りに行かれるとは──まさに、文学の本懐を体現されていると感じた。
最後のご紹介は、ノベルジャム総合案内人の波野發作さん。──皆さん、この「發」って漢字、知ってます?
私はまず読み方から怪しかったので、こっそりChatGPTに聞いてみる。
「發」は多くの場合「発」の旧字で、「矢を放つ」「物事を始める」「生じる」などの意味を持ちます。
また、麻雀牌の役名としても使われます。
なるほどなるほど。麻雀勢じゃないと知らない漢字なわけで。
ドンジャラすら怪しい私なら、そりゃ読めない。
開催前から参加者のお世話をしてくれていた波野さんは、ノベルジャム期間中ずっと、まさに“矢を放つように”私たち出場者を導いてくださった。
それどころか、note掲載時には「これで大丈夫ですか」と確認した際、まさかの校正まで……!


「所在なさげ」を「所帯なさげ」と書いていた私。
(なんならウン十年、ずっとそう言ってた気がする……!)
いや、私の国語力……。スゲェ、恥ずかしい。
ということで今日は「所在」なさげに記事を終わることにします…!!
そんなこんなでAIが登場しない『SPY×BANKER』。タイトル案を考える時に『SPY×BUNKER』とか書いてて、結城さんに突っ込んでもらったエピソード付きw
なんだよ、スパイとゴルフ?蟻地獄的な構図が浮かぶな…!本編は都市が舞台のラブコメですのでご安心してお読みください!!
こちらも日本が舞台の『つなぐ手の先に』。おなじAチームだけどリモートだったので製作エピソードを一切知らないというホラー笑。ノベルジャム前日辺りに藤谷治賞を受賞されておられることが発覚(⁈)し、ディスコード内がお祝いムードになっておりました。
ノベルジャムの帝王・澤俊之さん。以前からnoteで戦記を書いておられてとてもとても参考にしていた私。雑談させてもらった時はnoteのアルゴリズムなど教えていただきました。Xを拝見すると、ギターに空手に油絵に…多彩すぎるだろう!
そんな澤さんが今回書かれたのは闇バイトを題材にした『A CROSSROAD』。善良な市民たちが堕ちていく様がとてもリアルで自分にも起こりうるかもと感じることのできる、ある意味ホラーです。
澤さんのnote戦記。写真がたくさんで臨場感があります。
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