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manazashiharmony
本を手渡すだけじゃない、心を抱きしめてくれたお仕事
3歳の娘と一緒に、初めて図書館へ足を踏み入れた。
子供のフロアではあるが、「静かに」という張り詰めた空気に、私は肩をすくめ、何度も娘に小声で「静かにしてね」と繰り返す。
幼い娘の不安げな目が、じわりと私の胸に刺さる。
娘はまだ何が読みたいのか自分でもわからず、ただ落ち着かずに辺りを見回していた。
その時、そっと一人の司書さんが近づいてきた。
私は咄嗟に身構えた。
叱られるかもしれない、注意されるかもしれない。
心臓がぎゅっと縮まった。
けれど、彼女の口から出た言葉は温かかった。
「何が好き?絵本を探そうか。」
その声は、冷え切った空気に温かな灯りをともすように優しく、静かに私の緊張をほどいていった。
娘は戸惑いながらも、恥ずかしそうに小さな声で答えた。
「紫。」
その答えに、私は一瞬言葉を失った。
「紫?」
色を選ぶなんて。
司書さんはにっこり笑いながら、「じゃあ、紫色の絵本を探そうね」と言って、すぐに本棚の間へ歩き出した。
数分後、3冊の紫色にまつわる絵本を抱えて戻ってきた司書さん。
そのどれもが、娘の小さな好奇心をそっと刺激した。
綺麗な「紫」のページを見る娘の目は明らかに嬉しそうで、笑顔が広がった。
あなたの優しさが嬉しかった。
あの司書さんはただ本を貸しているのではない。
娘の心の声を聞き取り、喜びを与え、可能性を開いてくれていた。
名前も知らない司書さん。
ありがとうございました。
あなたのお仕事は、本を届けること以上に、未来を支える温もりでした。

