『〝お友達の世界″を旅する子』探求の落とし穴❶
とある子の一日
とある子は1日の中で一つのことに集中して遊ぶ遊びはありません。
登園して、部屋を見渡し、カードゲームをする保育者のそばにいく。
おままごともするし、ブロックをしてみたり、
絵本を読んでみたり、喧嘩するお友達をじっと眺めたり、
紙とペンを出して、何か書いたかと思えば
ロッカーにぽいっとして、
飄々とまたどこかへ歩いて行く。
この保育園では、探求の保育が園の強みとして大切にされていました。
毎日の様子では、この子の姿は描かれません。
たまに日々の様子にこの子のエピソードが書かれることがあれば「昆虫を調べる子の後ろでお友達も昆虫の話をしていました」という、
主人公ではない話。
ねらいを持って保育する
それは保育の中で当たり前で、基本であること。
しかし、ねらいの持ち方を間違えると、
たちまちその、ねらいの影に隠れてしまう子が出てくるのです。
一対多数で行われる保育の中ではどうしても、
目が行きやすい子と、目が行きにくい子が出てきます。
無意識では、保育士の注目や関心が機械のように全員同じにはできないのは当たり前です。
だからこそ、それを保育士が自覚し対処することが、とても大切です。
全員を平等に見ることが保育として当たり前じゃないのか?という意見もあるかもしれませんが、
私はエラーがないことを目指すよりも、
エラーがある前提でそれに対処する方が専門的な関わりを提供できると思っています。
『結果的にどの子の興味も幸せも理解して
必要に応じた関わりをすることを常に目指す』
という責任があると思うのです。
保育士自身の
『興味』『危機感』『配慮の必要性』『義務感』
など、注目がどの方向になぜ偏りやすいのか?
に気付いて、意識的にそれとは異なるタイプに注目する。
それは、『多様な子どもたちの姿を受け止める』ために絶対に必要なことなのです。
そして、どれも肯定的に認知すること。
それが、子どもの生きる力の土台を育むには必要不可欠なのです。

はじめのエピソードを詳しく見てみる
とある子は、朝保育園にきて、部屋中を一通り眺めます。
しばらくして、お友達がやっているカードゲームを、一緒にやっている保育者の膝に乗って観察しています。
保育者が「やる?」と聞くと「やらない」と答えます。
おままごとコーナーで、卵をかき混ぜるような動作をしたり、
たまたま落ちたボウルをしばらく眺めてみたりしています。
「ぼくのだったー!」と大きな声と泣き声が聞こえるとすぐに駆けつけて、
当事者のように近くでその喧嘩を見届け、
たまに会話に入ったりしています。
紙とペンで何か描いて、ぽいっとロッカーへ。
上手く描けなかったからでしょうか?
描けて満足したけれど、
次のことに興味が湧いたからでしょうか?
『お友達の世界を旅する子』
このnoteのタイトルが、この子です。
この子は何にも熱中していない
と捉えることもできますが、
常にお友達のことをよく見ている、
とも捉えることができます。
〇〇くんが好き、ということばかりではなく、
色々な子どもたちが遊ぶ姿を見て、
その遊びにも興味を持って一度やってみている。
その子たちをきっかけに、
色々なことに触れているんですね。まるで、
それぞれのお友達の世界を、旅しているようでした。

後日談
その子はしばらく経って、好きなことを見つけました。それは『お当番活動』でした。
子どもたちの興味に合わせて、
園内の様々なことを子どもたちに返していくように、
クラスによって、時期によって様々な内容でした。
(このお当番についても投稿する予定です)
その子がお当番活動に夢中になれたのはきっと、『人の役に立つこと』
『自己発揮の機会を楽しむ』という
潜在的な素質があったからだと思います。
ただ、少し前はその力が芽生えたばかり、
『人やその人が行うことへの興味』や
『色んなことをやってみる』という行動
として、現れていたのです。
そこで「もうやめるの?」
「お友達の真似ばっかり」
なんて言われていたら、その姿はもしかしたら、
今なかったかもしれない。
それでも、あったかもしれないけど。
ブロックでロボットを作っている子がいるな。
作ってみよう、赤いパーツはその子が集めてるな。
集めてあげよう、いつの間にか一緒に完成させた!
など様々な豊かさにつながっていっていたのです。
旅人が様々な国を旅して、
様々な文化に触れて、
いつのまにか、
多様な価値観や社会的意義を
見つけていくことがあるように、
この子もまた、お友達の世界を旅して、
多様な興味や遊び方、その場による多様な役割、
今は見るだけでいいや、今ならできそうなど
を少しずつ経験して、
主体的に人と心を通わせながら、
力を合わせたり、人のために何かすることに
楽しさを感じるアイデンティティの芽生え
が、あったのかもしれません。
探求という素敵な視点をもった保育業界
「探求」「熱中」それだけを物差しにせず、
少し広くて長ーい視点を持ちながら、
子どもたちの多様な世界を、
今度は私たち保育士が旅してみませんか?
明日の保育園では、『いつも見がちな子』も見つつ
『大人から分かりやすくないけど…実はこんな世界観があるのかも?』探してみてくださいね。
そうならないために保育者がどうしたらいいのか?
どういった視点を持つと肯定的に捉えられるのか?
などについて以下の記事に書きました。
続きとしてぜひご覧ください🌼
視点を変えたあと、
見えてきた多様な子どもたちの今にどうアプローチするかについても書いていきたいとおもいます。
ぜひフォローしてお待ちくださると嬉しいです☺️
明日もみなさんと子どもの心が通いますように🌱
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