見出し画像

短歌二十二首 【2024年7月まとめ】


【7月自選五首】


くちびるにふれてわたしの夏が来る ひと匙すくふコーラフロート

波跡をきみの泪の跡としてそよと夏宵なつよひゆつくりたどる

吸ひ殻のやうに捨てられうつほにてただ残映となりゆくわたし

頼りなさ ひとり暮らしのキッチンで野菜炒めをつくるくらいの

一年ひととせの成長を知る 並びゐてタンバリン打つ子は誇らしげ


✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼


いちねんせい ふでばこの裏にこつそりと友だちのなまえ大事に秘めて

ぞうきんに名前は書かれず学校へ きみの汚れを落としたいのに

結婚後のルーティンとして「うかんむりではなくわかんむりの『冨』です」

ほっぺたをもちもちぺたぺたひっつけて笑いころげるしあわせな時間《とき》

毎朝のルーティンとしてていねいにバナナのケガをとりのぞく仕事

対応は最高難度 メーカーのちがうカニカマ食べないわが子

夏休みがはじまり母は休みたいといふ本音を呑み込むしかなく

ゲジゲジはイナズマ うみの向こうから聴こえてくるロックフェスの音

ホワイトコーン、フラペチーノに水まんじゅう わたしに夏をそそのかすもの

どうしても叶えたいこと のり弁のちくわの天ぷら山盛りにしたい

なめくぢのひかる軌跡をながめては思ひ出される過去の悔恨

燃えやすい恋心にはふたをして今日もイチゴオ・レを飲んでいる

土を知らずビニールハウスで育てられベビーリーフは透明な味

踏まれても踏まれてもまた上を向き来ぬひとを待つすみれの涙

不器用なあなたがつくった翼がいい 溶け落ちてもいい届かなくていい

のひとは瞳に星を飼つてゐる秘色ひそくほむらは気高く目映く

ふたひらの花びらが落ち舟になる 待ち合わせは海を越えた来世





いいなと思ったら応援しよう!

碧乃 そら 記事をご覧下さりありがとうございます😊💕もしサポートいただけましたら、感謝して創作に充てたいと思います。

この記事が参加している募集