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短歌十七首 【2025年7〜9月まとめ】



【9月まとめ】


七歳ななとせの娘にいまだ残りたる羽化するまへの蝶の紋様
(単語で短歌「蒙古斑」)


古木のうろに隠した鍵はなくなつてわたしのうそはひらけないまま

黒鍵の響きがここちよい朝の雨垂れ つまさきが冷えてゐる

あばらなる空き地にたいを投げ出してまだ生きてゐるまだ生きてゐる

(短歌研究詠草/島田修三選 佳作・3首掲載 『短歌研究9・10月号』)


三首連作「ガーゼケット」

なまへ入りガーゼケットを握りしめ七歳の子は涙をぬぐふ

よく眠る おひな巻き で検索しあなたをくるみし夜のあること

端がほつれ穴があいても午後九時にガーゼケットをかけて眠る子


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【8月まとめ】


さりさりと林檎をきてまひるまの月の白さに近づけてゐる
(2025年8月25日 毎日歌壇 米川千嘉子選)

遠まはりする帰り道 花蜜柑かをりて二人の距離をくすぐる
(NHK短歌9月号 横山未来子選 テーマ詠「道」佳作)

鍵穴をのぞいていいよはつ恋の深い傷痕を見てわらつてよ


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【7月まとめ】


みづたまり涙落としてゆがめたる今宵の月をたれの名で呼ぶ
(2025年7月15日 毎日歌壇 米川千嘉子選)

ころんでもピ!と立つ子のBGM装置153番のマーチ

窓辺にはひとひらの羽根 からつぽになつたわたしに手紙が来たの

輪郭を失つてゆく蒼穹にきみが好きだと思ひ知ること


三首連作「星合ひ

くちづけのあとの静けさ緑さすひかりをまとふきみの香りは

いにしへの星のひかりを呼びよせて婚約指輪にいのち吹きこむ

約束はあめなる河をめぐりゆき今かへり来むべにさすゆびへと

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