短歌二十八首 【2025年3・4月まとめ】
【4月まとめ】
曖昧な境界ばかりのこの都会で冬の鴉はくつきりと黒
(たんたか短歌【第147回みんなの題詠・テーマ詠『鳥』入選歌】)
悠揚たる鳶の螺旋 対岸に逢ふべきひとはもうゐないのに
雪風に追ひたてられていそぎ足 春を迎へにゆく四十雀
幼虫をじつくり観察する吾子の獲物を狙ふ小鳥のまなざし
きみの背がわれを追ひ越す 皇子が丘公園に咲く初御代桜
ひるさがり耳朶のにこ毛が陽に透けてゆうるり溶け合ふ母子ふたりは

万光節どこかにわれのかかへたる欠けにし星のつがひやあらむ
街頭も目を閉づるころ冬昴かかへて眠るわれのしづけさ
人類のゆくすゑ照らす電灯の炎のうちにある断末魔
【短歌の日大賞 参加作品】
・透明
理科室でしづかに眠る魚より透明になる存在理由
つよくなりよわくなるからうたごゑはクリアブルー あなたを知つて
・指先
ゆびさきに小鳥を飼ひてわたくしはいつかの空を歌ふのでせう
雪女郎あをじろき一等星のつめたさだつたきみの指先
・恋
浄化した水の透きとほる嘘の果てほんたうに好きになつてしまつた
リシアンサスかかへきれない花束のための薄葉紙 すこし足りない
・傷
熟れすぎたバナナの傷をスプーンですくひとる まだ泣きたくないよ
・自転車
つまさきで地球を蹴りし子の背なにあらたな翼ひろがるを見ゆ
・肉
しあはせを成形してゐる 帰り道からあげクンを分け合ひながら
・抱く
何者にも成れず枯れゆく花なれやそれでもわれは子ら抱きしめる
・自由詠
こころをひらく鍵をさぐりて謝れぬ子とにらめつこ一分十秒
・SNS
うつくしくないものばかり「おすすめ」と押しつけてくる其処な濁流
#第0歌集いちごつみ
冷凍のからあげどどんと積み上げて戴冠式のやうなり吾子は/碧乃そら(冷凍)
夏衣薄くかさなりゆく空になれぬ絵具はこつそり泣いた/碧乃そら(絵具)
#第0歌集いちごつみ #短歌
— 碧乃そら (@hane_ao22) April 16, 2025
・とかげまろぅさんの短歌より
冷凍のからあげどどんと積み上げて戴冠式のやうなり吾子は/碧乃そら(冷凍)
・斎藤君さんの短歌より
夏衣薄くかさなりゆく空になれぬ絵具はこつそり泣いた/碧乃そら(絵具) https://t.co/ZahZzmC2M9
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【3月まとめ】
オーヴァチュア春をまとひて雲間から降りたる音符の晴れやかなこと
はるのこゑ雪解ながるるせせらぎを聴きてゆうるりほどけるたんぽぽ
沫雪のごとくうつすり白猫は角をまがりてかくり世へゆく
家族さへわが子さへ敵に見える日もわれの味方のマックスコーヒー
ねつとりと安納芋の焼き芋ときみへの呪詛を咀嚼してゐる
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