Tomorrow Never Knows 引っ越しの果てに見える景色
引越しをしすぎると、人はどうなってしまうのか?
あまり聞いたことがない問いだと思う。人はそんなにしょっちゅう引越しをしないからだ。
そこには、引っ越しを繰り返した人間にしか見えない景色がある。
まかせろ、連れてってやる。
この引っ越しのロックスターが!
幼少のころから、わたしがどういう引越し経路を辿ったのかというと、
東京→横浜→石川→大阪→大阪→神奈川→東京→東京→東京→東京→神戸→神奈川→東京→東京→東京
格闘ゲームの必殺技のコマンドみたいだ。
冷静にみると、途中で「東京」が連続しているあたりが狂っている。
なに、この「→東京→東京→東京→東京→」って?
東京コンボの時期には、危険な物件もありました。その名も首吊り部屋……
引越しを繰り返していると、モノを持つのがだんだん嫌になっていくる。引越しのたびの荷造りが大変だからだ。
大量の段ボールを見ながら、これは本当に自分にとって必要なモノなのかたびたび問いかけることになる。
最初にどんどん数が少なくなっていったのが、本とCDだ。
本は、所有していたい気持ちもあるのだけど、読み直すことがほとんどない。CDはPCに取り込んでしまえば不要になる。
だが、本やCDは、物質的な意味以上に、自分を表すアイデンティティでもある。引越しを繰り返し、本とCDを減らすたびに、自分のアイデンティティがすり減っていった。
自分にとってあんなに大事だと言っていたミスチルの名盤「深海」も売ってしまった。大阪の「監獄アパート」でよく聴いていました。
次にもっと大型のものが消えだす。象徴的なものはテレビだ。わたしが最後に持っていたテレビはブラウン管だったので、いっそう邪魔だった。
生活からテレビが消えた。最初は、必要になったらまた買おうかくらいの気持ちがあったが、テレビはなければないで、まったく問題がなかった。
わたしの生活から世相が消えた。
思い出深い神戸のノイジーアパートのときだね。PartⅡで衝撃の展開があります!
次に白物家電までが消えだす。わたしの部屋から冷蔵庫が消えた。
さすがに人々から突っ込みがあった。
「わたしの冷蔵庫はそこのコンビニだ」と概念の拡張を使って、わたしは反論した。
わたしの生活から常識が消えた。
こんなミステリー物件もありました。すり抜けアパートの事件は未だ未解決。
おまえはミニマリストなのかと言われそうだが、わたしにたいした主義主張はない。引越しが面倒なだけなのだ。
服もほとんどない。嫁は、わたしがあまりに服を買わないのでびびっている。
奥さん「スーツ、それだけでいいの?」
わたし「この、紺のがあるでしょ?」
奥さん「それは、夏服でしょ」
むむ……、よく見ると生地が薄い。
スーツって夏服と冬服があるの?
常識はあの日、冷蔵庫といっしょに捨ててしまった。
いまだによくわからないのだけど、わたしは真冬に夏もののスーツを着ていたわけだが、クライアントは気づいているものなの?
とりあえず、これからは春秋ものを買ってオールシーズン対応としたい。
そろそろ結論を投下する

引越しをしすぎると……、
ひと(※わたし)は生活をそぎ落とすようになる。
同時にアイデンティティもそぎ落とす。
そぎ落としたあとの空き地はどうなるのか――?
嫁と子供が勝手にモノを増やしていく。
防衛のために、これからはわたしもモノを増やしていこうと思っている。

▼ロック氏はこんな人だよ▼
なぜこんなに引っ越しばかりしてるかというと、転職が多いからだね⬇️
本編に収録しきれなかったスモークマンションの話もぜひ⬇️
🔥ダブル・アンコール、サンキュー!

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クリエイターであり続けたいー! が、整体に行かないと死ぬ。ポンコツゆえ、ポンコツゆえ、300円よろしくお願いしまーーす!