見出し画像

やりがい搾取が止まらない(狂乱のMVPパーティー)

世の中に能力主義がはびこってる。

能力を高めようとすること自体が悪いわけではない。問題は、能力を高めることに「どの程度」のリソースを費やすべきなのか、そもそも能力を高めることは、ひとの幸福にとってどれくらい重要なのかという点ではないかと思う。

※そもそも能力なんてものは存在しないのですけどね(↓)

結論を言えば、どちらも優先度が低めだ。

その過程が楽しくてやっているぶんには何の問題もないが、その先に何かあるはずだと思って多くのものを犠牲にしているなら、それと知らず不幸の片道切符を握りしめていることになる。

能力を求めることに重きを置きすぎる者――能力主義を信奉した信者――を食い物にする会社ある。いわゆる、やりがい搾取を最大限に利用する。

この言葉は非常に本質をついている。ベンチャー気質の企業(※プライム市場上場の企業も含まれる)に多いのだが、支払う金がない、もしくは従業員に回す気がないから、夢で釣ろうとする。

世の中のことをよくわかっていない若者が主なターゲットになるのだが、わたしは30代後半でそのような会社に入社してしまった。

実は、転職エージェントが勝手に手続きを進めてしてしまったのだが、その件はまた別のお話で。

転職エージェントとの謎のやりとりを収録したよ

株式会社MVPパーティー(※仮称)。ネット広告を中心とした広告代理店だ。とにかくスピードが重視される。

それから自主性、自律性

会社に何の管理体制もないことの裏返しだったのだが、とにかくエクストリームだった。

いわゆるJTCの無駄を徹底的に排除した会社形態。そこでは、能力だけが求められる。20代で部長は当たり前。一度大きな成果を上げれば昇進。さすがに再現性に疑問が残った……。

※なぜ極端な能力主義になるかというと、メーカーと違ってもうかる仕組みが確立されてないから(↓)

メーカーを4社経験した人間が、メーカーが人気がない理由を考えてみた

  • 昼食をとることは悪

  • 帰宅後も、休日も、常に仕事をしていることが求めれられる

  • 横断歩道を渡っているときにもチャットに返信しなければならない

一度人事の責任者と会話する機会があったが、

「みんな好きでやってる。好きでやっているものを止めることはできない」


という回答だった。

違う……。暗黙に強制されてる。戦時中と同じだ。戦争に行きたくなくても、日本万歳と言う以外に選択肢がない。

仕事ができないと、干されて人間扱いされない。他の人たちと同じ頑張りがないと村八分にされる。特に若者にはきついだろう。

逆に、成績優秀者には盛大なパーティーが開かれる。たとえば、東京ドーム近くのホテルが貸切られる。社員総出の強制参加。

壇上で、社長から順に6人ほどの名前が読み上げられる。

壇上に呼ばれた人間、特に準MVPからは確実に涙を流す。極限状態で仕事をしているからだ。極度の緊張からの緩和。

社長もなぜか泣く。そして、「みんな次のスターを目指して頑張れ」と言う。(スター? 昭和ですか?)

MVPをとった人間は社内から圧倒的な羨望と尊敬を集める。

リシャッフルされる社内の序列。

翌日から再開される狂気のレースを優越感をもって眺めることができる。

まあ、それだけの話だ。レースの参加者は、人間の本能を衝かれて、Youtubeを延々と見ている人たちと変わらない。能力は人を幸せにしない。

上には上がいるのでキリがない。そもそも幸福の条件にはまらない。そこに、健康と良好な人間関係はあるのか?

ナンバーワンとか、オンリーワンとか、幸福な人生にはまったく関係のない話だ。だいたいそこを目指すことに無理がある。無理をして健康を害する。高くなりすぎた自意識が他人を遠すぎる。

目的地の設定は合っているのだろうか? 何のためにそこを目指す?

わたしはさっさとそこを降りた。

と言えればよかったのだけど、逃げたつもりがけっきょくは信者になってた。逃げた背中には悪魔の刻印が押されていた。

能力主義にとりつかれ、その後5年、ようやく何もないとわかった。
増えたのは転職回数、増えていないものは年収。

わたしは今、手遅れでないものを必死にかき集めている。

記事を読んでくれてありがとう! 感想もお待ちしているね!

▼ブラック企業体験記のようなマガジン▼

▼完全無欠のブラック企業小説▼

いいなと思ったら応援しよう!

焔ふぁい|FIREの精霊 クリエイターであり続けたいー! が、整体に行かないと死ぬ。ポンコツゆえ、ポンコツゆえ、300円よろしくお願いしまーーす!