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裏切り

登場人物
ムバマ(王ヘビ)、ンジェ(ヒョウ)、クドゥ(カメ)

Title image by Ashenso

ロバート・ハミル・ナッソー(1835 - 1921)はアメリカの宣教師。ギニア、ガボンなど西アフリカの国々で40年間暮らし、訪れた村で、村の語り部が話す伝説を収集した。話はムポングウェ語、ベンガ語、ファン語など土地の言葉(バントゥ語系)で語られ、ナッソーがそれを英語で語り直し、『Where Animals Talk』としてまとめた(1912年)。詳細はこちら

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ヒョウが結婚した。少しして、妻は子を孕んだ。

王ヘビも結婚した。こちらも少しして、妻が子を孕んだ。

ヒョウの妻にとって、そして王ヘビの妻にとっても、水を一口飲むくらいの速さで、月日が過ぎ去った。

王ヘビの妻が言った。「今日、子が生まれる!」 そして子を産み、母親のための寝床に横になった。家族が料理をしようとすると、王ヘビの妻はこう言った。「ンジェしか食べたくない!」

その翌日、ヒョウの妻が言った。「今日、子が生まれる!」 そして子を産んだ。食べものが妻に差し出された。ところが妻はこう返した。「食べたいのはムバマだけ!」

王ヘビは妻の望みに困惑してこう言った。「どうしたらいいんだ? どこに行けばいい? マングワタ(ヒョウのあだ名)はどこにいる?」 

ヒョウの方も妻の望みを聞いてこう言った。「ムバマはどこだ?」 ヒョウは出かけていって、歩きに歩き、王ヘビを探した。ヒョウはその途上でマニマ・マ・エボソロ(カメのあだ名)と出会った。

ヒョウがこう頼んだ。「俺のために、ムバマを捕まえてくれんか?」 マニマが答えた。「なんだい、それは」 そう言って笑った。キェ!キェ!キェ! 

そして「簡単だ、遊びみたいなもんだ」 ヒョウが言った。「お仲間、たのむ、俺のために捕まえてくれ」 カメが答えた。「よっしゃ!」

二人は別れ、カメはその先へと歩いていった。すると王ヘビと出会った。すると王ヘビがこう頼んできた。「お仲間、マニマ・マ・エボソロじゃないか。どっから来たんだ?」 カメが答えた。「ちょっとばかり遠出してた」 王ヘビがカメに頼んだ。「ところで、わしのためにンジェを捉えてくれんか?」 カメが答えた。「たやすいことだ」 すると王ヘビがさらに訴えた。「たのむわ、妻が子を産んでから何も食べんのだ。ンジェしか食べたくないと言ってな」

カメはすぐに自分の村へ帰った。そして村人を呼び集めるとこう言った。「来てくれ! 穴を掘ってほしいんだ」 村人はやってきてすぐに穴を掘り始めた。穴が掘り終わると、カメはヒョウのところに行って「さあ、行こう」と言った。

ヒョウはすぐに出発した(王ヘビが手に入ると思った)。カメとヒョウが穴のところに着くと、ヒョウは真っ逆さまに穴に落ちた(突き落とされた)。ボロム! ヒョウはカメに向かってこう訊いた。「お仲間よ、ムバマはどこにいる?」(ヒョウは自分が騙されたことに気づいていない)

カメはそれには答えず、まっすぐに王ヘビの村まで出かけていった。そして王ヘビにこう言った。「来いや!」 王ヘビはカメのことを疑わず、ヒョウが手に入ると思った。そしてカメとともに穴のところへと向かった。穴のそばまで来たとき、王ヘビは真っ逆さまに穴の中に落ちた(落とされた)。ボロム! するとヒョウが声をあげた。「あー、これはいったい何だ?」

カメは両者に向かってこう返した。「きみら、好きに殺し合えばいい」


日本語訳:だいこくかずえ


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