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死のテスト(ver.2.0)

場所:動物たちの国
登場人物:ンジェガ(ヒョウ)、イババ(ジャッカル)、ンゴムバ(ヤマアラシ)、ンカムバ(レイヨウ)、ンジャグ(ゾウ)、イヘリ(ガゼル)、エカガ(カメ)とンドンゴ(コショウ)、ハコ(アリ)、ニョイ(ハチ)他

Title image by Ashenso

アメリカの宣教師、ロバート・ハミル・ナッソー(1835 - 1921)による採話。ギニア、ガボンなど西アフリカの国々で40年間暮らしたナッソーは、訪れた村で語り部が話す伝説を収集した。ムポングウェ語など土地の言葉で語られた話をナッソーが英語で語り直している。詳細はこちら

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死のテスト(ver.1.0)

注釈:
誰か 死ねば、近くに住む者たちは葬式に行った。来なかった者は、死者への罪の意識があるからと以前は見られていた。かつては葬式で、大惨事があった。妻たちのだれかれ、奴隷たちが、死者とその所有物と一緒に埋められた。庭にある果物の木々が無慈悲にも切り倒された。すべて哀しみの印であり、こう言われた。「愛すべき死者がもうこれを楽しめないなら、誰も楽しむことはない」

ヒョウの先祖はガゼルの先祖を許さず、ガゼルが虫を使って悪さを仕掛け、ヒョウを弄んだことに怒っていた。ガゼルは機敏なので捉えることが難しく、ヒョウは代わりに他の動物たちを機会あるごとに殺し、うさを晴らした。

ヒョウとジャッカルは同じ町に共に住んでいた。ヒョウはジャッカルにこう言った。「友よ、俺は何でも食べるわけじゃない。食べるのは動物だけだ」 ある日、ヒョウは森に獲物を探しに出かけた。何時間も探したあげく、一つの獲物も得られなかった。

ある日、ヒョウはジャッカルにこう言った。「友よ、俺たち一緒に協力して、獲物をとろうや。俺は何時間も森を探しまわったけど、何も捕まえられなかった」 ヒョウはこれを夕闇の中で告げた。そして共にすわり、計画を練り、議論し、それぞれの家で横になり、眠りについた。

すぐに夜が明けた。ヒョウが計画を手に、ジャッカルを訪ねこう言った。「おまえの布団を外の通りに持ち出すんだ」 ジャッカルはいう通りにした。ヒョウは計画に従って、その布団の上に寝た。そして微動だにせず、死骸のように静かに横たわった。ヒョウがこう言った。「ンゴムバ(ヤマアラシ)を呼んでくるんだ」 ジャッカルが声をあげた。「来いよ、ンゴムバ、来るんだ! あの動物殺しのやつが死んだ! 来いよ!」

それでヤマアラシが葬式にやって来た。自分の天敵が死んだのが本当に悲しいかのように、ワーワー泣きながらやって来た。そして死者らしき者のそばに近寄った。そして罵声を浴びせた。「こいつはオレらを慰み者にしたやつだ。これが死骸だ!」 ヒョウはこのあざけりを聞いて、飛び上がって起きた。ヤマアラシはヒョウの手にかかって死んだ。ヒョウはジャッカルにこう言った。「よし、こいつを切り刻もう、食ってやろう!」 そしてヒョウとジャッカルはヤマアラシを食べた。

また別の日、ヒョウは道で布団の上に横になった。ヒョウの指示でジャッカルがレイヨウを呼んだ。レイヨウがやって来た。ヒョウはレイヨウを殺し、ヤマアラシと同じことをした。

また別の日、ヒョウは雄牛を呼んだ。そしてこれまでと同じように雄牛を殺した。

また別の日、ゾウが同様にして呼ばれ、同じようにして死んだ。

同じやり方で、ヒョウは次々に動物たちを殺し、最後に2匹の動物が残った。

するとジャッカルがヒョウに言った。「ンジェガ、友よ、あと残っているのは2匹だけだ。イヘリ(ガゼル)、エカガ(カメ)だけだ。しかしイヘリをどうやって始末する? あいつはひどく機転がきく。エカガはどうする? やつも策略家だ」 ヒョウが答えた。「俺はいつも通りにやる。で、明日、また道で死骸の振りをする」

夜になった。

そして次の朝がやって来た。

ヒョウは家を出て、道の布団の上に寝そべった。死者のように、両腕は広げられていた。口をあけ、あごを落とし、死者を装った。

ジャッカルが叫んだ。「来いよ、イヘリ、こっちだ! あの動物殺しのやつが死んだ。あいつが死んだ!」

ガゼルがひとりごとを言った。「聞いたぞ、うん、ンジェガが死んだ? 葬式に行こう」 ガゼルは4、5キロ離れた町に住んでいた。ガゼルは槍と袋をもって出発した。途中でガゼルはまたひとりごとを言った。「葬式に行く前に、エカガ(カメ)の町に立ち寄ろう」

ガゼルはカメの町に着くと、こう言った。「チャム! ニュースを聞いたか? あの動物殺し、人間殺しのやつが死んだ」 しかしカメはこう答えた。「いや! 自分の町に戻るんだ、あいつは死んじゃいない。戻るんだ!」 ガゼルが言った「いや、家に戻る前に、ンジャガが死んでいるか見に行く」 するとカメが返した。「あそこに行くと決めたなら、あんたに言っておきたいことがある」 ガゼルが大声で言った。「よっしゃ、おじさん、教えてくれ」

カメがガゼルに指南した。「ンドンゴ(コショウ)を持っていけ」 ガゼルはコショウを手にした。カメがまた言った。「ハコ(アリ)を持っていけ、それとニョイ(ハチ)もな。すべてオオバコの葉っぱの束の中に隠してな」 カメはこれを警告としてガゼルに言ったのだ。さらにカメはこう言った。「ンジェガは死骸みたいに手足を伸ばして寝ている。鉈をもって行くんだ。向こうに着いたら、オオバコの茎を切り落とせ。それからこう叫ぶ。『誰がオレのおじさんを殺した? 誰だ、おじさんを殺したのは』 もしンジェガが動かなかったら、そこにすわってあいつに目を向けろ」

で、ガゼルは出発し、葬式のある町にやって来た。ガゼルがジャッカルに訊いた。「イババよ、こいつはどうやって死んだんだ?」 ジャッカルが答えた。「昨日の午後、こいつは熱にやられて、今日、屍になった」 ガゼルは離れたところからヒョウを眺めた。カメに言われた通り、オオバコの茎を切りつけながら、ヒョウをじっと見据えた。オオバコの茎が切り落とされる音を耳にしたが、ヒョウは動かなかった。するとジャッカルがガゼルに言った。「おじさんの布団のそばに行け。そして死骸をよく見るんだ」

ヒョウはいつでも飛び出せるよう、襲いかかれるよう、心の準備をはじめた。「イヘリはいつ近づいてくる? やつを殺してやる」

ガゼルは近づいたけれど、慎重にヒョウから5メートルほど離れたところに立った。そして袋からアリの束を取り出して、こうつぶいやいた。「こいつは本当に死んでるのか? 試してみよう」 ガゼルは少しの兆しも見逃さないよう、いつでも逃げられる準備をしていた。そして素早く、虫の包みを開けると、アリ、ハチ、コショウの三つを混ぜて片手に持った。そしてヒョウに目をすえて、それを投げつけた。

オオバコの葉っぱの包みが、ヒョウに当たった瞬間、中のものが飛び散った。ハチは解き放たれて喜んで、こう言った。「よし、ンジェガを刺すぞ!」 コショウも喜び勇んでこう言った。「よっしゃ、こいつに 汗をかかせてやるぞ!」 アリも腹立たしげに「おまえに噛みつく!」と叫んだ。

ひどい痛みから、ヒョウは怒りに燃えて飛び上がった。そしてガゼルに飛びついた。しかしガゼルは、こう叫びながら、森に走って逃げた。「おれは草原のイヘリじゃない。原生林に住むイヘリだ!」

そしてガゼルは走って逃げ、カメの町にやって来た。そしてカメにこう言った。「あんたの言うことは当たってた。ンジェガは死んでない! こっちを殺そうと死んだ振りをしてただけだった」

カメがこう言った。「わたしは動物界の最長老。いちばんの年長者のわたしが何か教えたら、歯向かわないほうがいい」

日本語訳:だいこくかずえ


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