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【#31】映画memo『港のひかり』

スキマからこんばんは。
毎日が日曜日状態のSUIが、またまた映画を観てきました。
 
昭和テイスト溢れる一本。おばさんは、なんか懐かしかった。
懐かしいし、美しかったけど、藤井さん、あんた(最優秀監督賞の監督をあんた呼びするのは私だけか)はもっと自由に撮っておくれよ、と思ってしまったので、手放しで全てを褒められないかもしれません。
 
藤井道人監督最新作
『港のひかり』。
 
※展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。

あらすじ

「正体」で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督が、主演に舘ひろしを迎えて送るヒューマンドラマ。北陸の港町を舞台に、過去を捨てた元ヤクザの漁師と盲目の少年との⼗数年にわたる絆を描き、数々の名作を手がけてきた撮影監督・木村大作が全編を35ミリフィルムで撮影した。

漁師として細々と生活する元ヤクザの三浦は、白い杖をついて歩く少年の幸太を見かける。両親をヤクザ絡みの交通事故で亡くした幸太は、彼を引き取った叔母やその交際相手からも虐待を受けていた。孤独な幸太にどこか自身の姿を重ねた三浦は、自身の船に幸太を誘う。どこにも居場所がなかった者同⼠、2人は年の差を超えた特別な友情を築いていく。幸太に視力回復の手術を受けさせるため、ヤクザから金を奪った三浦は、幸太に一通の手紙を残して自首する。12年後、突如として⾏⽅がわからなくなった三浦を捜していくうちに、幸太はある秘密を知る。

7年ぶりの単独主演作となる舘ひろしが三浦役を演じ、盲⽬の少年・幸太役を歌舞伎界の新星・尾上眞秀、成⻑した⻘年・幸太役を眞栄⽥郷敦がそれぞれ演じる。

映画.comより

舘さん、ずっとかっこよすぎ問題

とにかく舘さんがずーっとかっこいい。お芝居してても、してなくてもかっこいい人が、かっこいいおじさんの役を演っているんだから、そりゃかっこいい。プロモーションビデオのようでした。
 
こんな75歳いる!?っていうかっこよさ(何回言うんだよ)。あのおじさんは、なんであんなに色っぽいんだ。
 
そんな舘さんが、昔気質のヤクザのおじさんを演じています。おじさんは、自分と同じように孤独を抱える、弱視の少年(眞秀くん)にシンパシーを抱き、よせばいいのに助けちゃう。おじさんが少年に「声掛けよっかな。いや、よしとくか」みたいに逡巡するBeforeファーストアタック部分がよかった。
 
ちなみに、私もよく困っていそうな人に声を掛けて、難儀なことになりがちですw

観てて思わず「いやそこ!」ってなるやつ

では、ここからツッコミますね。
 
おじさんは、なぜ少年のために500万の大金を自分で用意しようとしちゃったんだ。映画『ホウセンカ』を思い出しちゃう。というか、ヤクザのおじさんにとって、お金は当然、「稼ぐより、奪う」ものなのね。
 
で、問題の“薬の取引シーン”(組のお金、横から強奪シーン)。
外国人二人組、どうなったん?死んだん?(重体って言ってたような…)
おじさんは「少年の目の手術にはお金が必要だ!」ということで、薬の取引をしている外国人にドス一本で向かって行きました。悪事を働いてる外国人だから、そこは自業自得やろ、ってこと?
…ってしょうもないところに引っかかっちゃいました。ADHDかよ(そうです)。
 
それと、この映画の中で一番度胸があるのは、笹野高史さん演じる荒川のおじさんね。いや、ヤクザのおじさんのこと、めちゃくちゃ助けるやん。
巻き込まれるかも、などと怯えず、ひたすらヤクザのおじさんの世話を焼く。泣けると思いつつ、極端な優しさと正義感を持った人間は、気持ちコワかった。保護司ということだったのかな。
 
次。本作の撮影担当は、“日本映画界の重鎮”である木村大作さん。86歳!
港の情景はべらぼうに美しかったし、雪景色もよかった。うん。
 
でもなんか抑揚がなく、岩代太郎大先生の劇伴もいかにもという感じで気になったし(特にラスト)、最後に至っては「郷敦くんのお芝居に集中させてくれ、音要らない。うるさいな!」って一人でキレていました。
 
おじさん、危機一髪!のところでシャツが濡れ、入れ墨が透けていたのは色香と哀愁が漂っていてよかったです。

藤井さん、もっと自由に撮ってほしい

私は藤井さん作品の魅力といえば、「スタイリッシュな映像なのに、きっちり丁寧な人物描写」だと思っているんですが、その良さが半減していた気がしている。藤井監督が大先輩に忖度した結果がこうなったんではないかと。
 
記事などを読んでいると、ご本人が岡田くんから木村さんを紹介されて一緒にやってみたかったようなのですが、藤井さんは大御所なんかに気を遣わず、自由に撮ってほしいと思ってしまいます。
この現場は横浜流星くんとの仕事のように楽しくできたんかな、と勝手に心配になりました。30代の監督がモニターを使わずにやるって、やりにくさが極まっていただろう。
 
続けてガンガン働き過ぎな気もするし。
大人たち、よろしくお願いいたします(知らないよ)。

役者の名演プラスアルファを求めてしまう

郷敦くんは『ブルーピリオド』の次にいい。あれはよかった。
彼からはお育ちの良さがどうもにじみ出るので、こういう劣悪な環境下で育った子の役じゃないのかもしれない。
 
二人の間で合言葉ならぬ、「合音(?)は“鈴”」みたいなところがあるんですが、小物使いは素敵です。昭和だけど。
12年ぶりに鈴の音を聞き、その後おじさんと話せた幸太(郷敦くん)の涙には、ぐっときました。
 
ラストは瀕死のおじさんに幸太が手錠をかけるんですが、普通に必死で電話を掛けて「なんで俺なんかのために……」的なことをおじさんに言ってほしくなっちゃった。それをすると安くなっちゃうんですかねぇ。脚本って本当に難しいですよね……。
 
そもそもが非日常であるお話を、叙事的に記録したいという意図は感じたのですが、あまりに現実感がないと令和に生きる私は引いてしまう。
「おじさん!」「幸太……」ってやってないで、「絶対助けるからね」みたいに言っていて助からないコースがよかったなぁ。MERになっちゃうのかなぁ。
「もうすぐ応援も来るからね」的な台詞は、なんか嫌だったなー。
 
幸太は刑事になれて結婚もできてよかった。でもあんたのしたことは間違いだ、犯罪だ、っていうのを手錠をかける行為で見せるだけでなく、もう少し踏み込んでほしいと感じちゃったYO。
 
さらに。映画『ホウセンカ』で主人公でなく堤に共感できると言い出した私は、今回も違う方向に感情移入してしまいました。
 
親分に認めてもらえなかった石崎(椎名桔平。私は短い制作人生で桔平さんが芸能界で一番かっこいいと思っていました♡)と、そんな石崎にエラそうにどつき回されてキレる八代(斎藤工。髪型もお芝居も面白かったー)。なんだか気の毒になっちゃう。
あと、ピエールさん演じる大塚。兄貴(舘さん)への絶対服従っぷりが痺れました。
 
ツッコミ過ぎましたかね……。長くなってるし。
舘さんのかっこよさを確認したくなった方は、ぜひ!
私のサイコパスぶりが改めて露見したやもしれぬところで終わります。
 
観た映画の感想は「マガジン」にまとめているので、他の作品の記事も読んでやってくださいね。
 
全部面白いけど、今は特に『爆弾』
映画バカじゃない人(言葉を選べよな)にもおすすめなので、まだ劇場に行かれていない方はぜひ!

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