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【#26】映画memo『爆弾』

スキマからこんにちは。
もしかすると、20億ぐらい入るかもね(いや、もっと?)という感じの映画『爆弾』を観てきました。

2025年は『国宝』で終わっていなかった!w
おそらくヒットは間違いないと思うので、フライングでおめでとう!
面白かった!!
 
※展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。

あらすじ

「このミステリーがすごい!2023年版」で1位を獲得した呉勝浩の同名ベストセラー小説を実写映画化したリアルタイムサスペンス。東京のどこかに“爆発予定の爆弾”が仕掛けられたという前代未聞の事態のなか、取調室での攻防と都内各地での爆弾捜索の行方を同時進行で描き出す。

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。やがてその言葉通りに都内で爆発が起こり、スズキはこの後も1時間おきに3回爆発すると言う。スズキは尋問をのらりくらりとかわしながら、爆弾に関する謎めいたクイズを出し、刑事たちを翻弄していくが……。

スズキとの交渉に挑む刑事・類家役で山田裕貴が主演を務め、スズキタゴサク役で佐藤二朗、爆弾捜索に奔走する巡査・倖田役で伊藤沙莉、スズキの過去を探る刑事・等々力役で染谷将太、類家の上司・清宮役で渡部篤郎、倖田巡査の相棒・矢吹役で坂東龍汰、スズキの見張り役を務める刑事・伊勢役で寛一郎が共演。「キャラクター」「帝一の國」の永井聡監督がメガホンをとった。ロックバンド「エレファントカシマシ」の宮本浩次が主題歌を担当。

映画.comより

スリリングな展開に浸かりきる137分

ストーリーに細かいツッコミを入れている人もいるようですが、登場人物が多いですしね。「説明台詞は、もういいぜ!」と思わせるスキもなく、137分で見事にまとめきったのがすごい。
 
原作未読&ぼんやりちゃんの私は、序盤のタゴちゃんクイズで「え、え、ちょっと待って、え」となりましたが、きっと原作小説は、かなりのボリュームなんでしょうね。
 
これだけ人物が出てきて、事件の説明をしつつ、惹きつけ続けるのは至難の業だったと思うので、シンプルに製作陣を称賛したいです。
この分量の台詞を覚え、密室でのお芝居をやりきった俳優陣(特に山田くんと二朗さん)にも心から「お疲れさまでした」と言いたい。
こういう撮影現場は暑いから、本当に大変だったと思います。

「取調室の“静”の緊迫感」と「爆破シーンの“動”の興奮」が見事なコントラストになっていて、気づいたら息を止めてしまっているほど面白い(何回言うんだ)。
 
この作品を観て「爆破のシーンが何ちゃら~」だのと文句を垂れている人には、じゃあお前が映画界に入ってお金を集めてみろと言いたい。
あ、ごめんなさい、つい爆弾のスイッチが。

人間の“多面性”と“悪意”を描いた良作

お芝居をやるために生まれてきたような人たちが、最後まで魅了してくれます。日本アカデミー賞、わからなくなってきました。ワクワク♪
 
私は「犯人ってこんな感じですよね。警察ってこうでしょ。不幸な一家ってこう!」みたいな、ザ・ステレオタイプの人間ばかりが出てくる作品が嫌いです。
 
人間には多面性がある。悪人には悪の部分だけがあるわけではないし、警察官だって正義が揺らぐことはある。
本作では、人間の脆さや感情の揺らぎが実に丁寧に描写されていて、うっとりさせてもらいました。

類家にも言えますが、最初にタゴちゃんと対峙する等々力の“紙一重感”が、人間描写をするうえで、すごく効いていたんじゃないかなと思います。

そして。 
チーム桜田商事を翻弄してくるタゴちゃんだけが悪で、他は違うのか。
 
自分が不幸だからって計画を立てた息子は?
家族を守るためなら、母は他人を巻き込んでいいのか?
どこか他人事の姿勢で、ただ興味本位に事件の動画を見る世の中の人は?
もっと言うと、タゴちゃんの「〇〇は殺します」に思わずテンションが上がってしまう観客の私たちは?
 
残念ながら、この世は、悪意で満ちている。

己の中にいるスズキタゴサクとの戦い

そう、タゴちゃんこと、スズキタゴサクは、誰の心の中にも存在しているんですよね。巣食っている。
 
私は感じたことを言葉にして発してしまうから、傷つけた人もいると思うし、自分のせいで終わってしまった人間関係(特に友情)も、いくつかあります。なるべく言わないように努めているけれど、悪口だって言っちゃう。
そんな悪い意味でオープンマインドな私にも、しんどい時は、たくさんあります。
いわんや、善良な皆さんの苦しみやいかに。
 
暴走しそうになる負の感情を抑えて、人間社会で平和に生きていくことは、まぁまぁしんどいですよね。
タゴサクの指を折ることができる清宮(渡部さん、個人的に今までで一番良かった)を、どこか羨ましいと思ってしまわないでしょうか。
私は、正直思ってしまう。だからこそ、毎日が「スズキタゴサクとの戦い」であると言っても過言ではないです。
 
あれ、重くなってきちゃったな。内容的にどうしても。スミマセン。
類家の台詞を引用します。

俺はあんたほどスレちゃいない。
世の中はまんざら捨てたもんじゃないと思っている。
この仕事が片付いたらポークステーキ丼を腹一杯食う。
死ぬほど眠る。それで充分やっていける。

映画『爆弾』より

何でもいいんですよね。私にとっては、こうして映画を観ることや文章を書くこと、好きな本を読むこと(インドア過ぎない?)、辛いもの甘いものを食べに行くこと(少し出た)、知らない地方や国に行くこと(結構出た)がそう。
 
これさえあれば、生きていける。踏みとどまれる。
……いくつあったって、タゴちゃんのようにスイッチは入ってしまうかもしれない。
週刊誌に書かれたせいで人生が狂う人間もいるし。
爆弾のスイッチは、みんなが持っている。
 
ということで、色々考えさせられた時点で、今回は負けです(勝負だったのかよ)。
タゴサク、お前は、引き分けじゃないからな!
来世はちゃんと生きるんだぞ!

つべこべ言わず、まだ観ていない人は、ぜひ劇場へ!! 
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