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【前編】街中がキャンパス!障害も世代も超えて「ごちゃ混ぜ」で学ぶ、「HUC」1年間の大発表会

時刻は10時46分。
大幅に予定を変更して、今から始めまーす!

神戸・旧居留地の「100BANホール」。
歴史ある格調高い会場に、HUC代表・首藤さんの能天気な声が響く。

時計を見れば、開演時間はとっくに過ぎている。
普通なら運営が青ざめて土下座するレベルの遅延である。
だけど、客席からはなぜか笑いと拍手が湧き起こる。

早速、予定調和をぶち壊す幕開け。

これが「はっぴーの家ろっけん」が仕掛ける、障害も世代も属性も全部ぶち抜いた実験プロジェクト、「HUC(ハッピー・ユニバーサル・カレッジ)」である。

「不動産屋」が、なぜ教育に首を突っ込んだのか

僕の本業は、新長田で“おせっかいを焼く”不動産屋です。

首藤さんはいつもの調子で話し出す。

「はっぴーの家ろっけん」の日常は、端から見れば正気の沙汰じゃない。
90代の婆さんが金髪ギャルとTikTokの振付を練習し、床には誰のかわからないカバンが転がり、たまに子ブタが散歩している。

大事なのは、「日常の登場人物を増やす」こと。
モットーは、「遠くのシンセキより近くのタニン」

いろんな奴が混ざれば、人生のトラブルなんてだいたい「まあいいか」で笑い飛ばせるようになる。

そんな「おせっかい」を焼き続けてきた男が、ある時ぶち当たったのが「障害者の学びの場、日本に全然ない」という理不尽な現実だった。

「1人暮らししたい!」という元気も気合もある障害者が、不動産屋の窓口で「いや、ちょっと……」と門前払いされる。

それ、なんかおかしくない?

だからHappyではハコ(物件)やサービスをスタートした。
リノベーションをして、誰でも住める場所は増やした。
でも、住む場所があるだけじゃ、人は幸せになれないことに気がついた。

次に必要なのは、「共に学び、共に遊ぶことができる場所」だった。

15年抱き続けてきた想いが、Happyという「劇薬」に出会う

障害がある子も学べる、大学のような教育の場を作りたい

そう願って15年前から活動してきたのが、「エコールKOBE」の岡本さんだ。

かつて、障害者が高校を卒業した後の選択肢は、働くか、施設に行くかの二択しかなかった。

「もっと学びたい」なんて当たり前の願いが、「それは無理でしょ」という世間のアタリマエに押し潰されていた。

そのバトンを、縁があってHappyが受け取った。

まずHappyと組んだ瞬間、「学び場=教室」という概念がなくなった。

教科書を読む代わりに、街へ飛び出す。

「サードプレイス」なんて馴染みのない言葉が飛び出し、「“顔見知り”と“行きつけの場所”を増やしていこう!」という、日常全てが実践の場になった。

岡本さんの15年越しの熱い想いが、Happyという劇薬でこじ開けられ、とんでもないプロジェクトに変貌してしまった。

「遊び」こそが、最強の防災であり学びである

HUC担任の吉川さんは、10年間、若者たちの成長を見守ってきたアウトドアの達人。

そんな吉川さんがHUCで教えたのは、数学の式でも英単語でもなかった。

失敗しても「まあいいか」と笑える図太さ。
そして、「これ得意やから一緒にやらへん?」と、他人の懐に飛び込む軽やかさだ。

学ぶことって、なにも机に噛り付くことじゃない。
山に登り、海に潜り、焚き火を囲む。
その中で生まれる、ちょっとした助け合いや工夫の連続が、全部学びに繋がっているんです。

海水浴、キャンプ、BBQ、大運動会。
HUCの1年は、端から見れば「ただの遊び」の連続。
しかし吉川さんは、そんな想いを胸に、楽しそうな光景を見守り続けた。

「防災」とは、おせっかいな隣人の数である

2025年。
震災から30年という節目に、HUCが掲げたテーマは「防災」だった。

だけど、HUCがやったのは、いざという時のマニュアルを暗記することでも、バケツリレーの練習でもなかった。

街に飛び出す。
顔見知りを一人でも増やし、勝手に行きつけの場所を作る。

そこから、「あのおっちゃん、今日は元気ないな」とか「あの婆ちゃん、よく歩いてるなぁ」とか。

そんな「日常の関係性」こそが、いざという時に命を繋ぐ。

HUCメンバーはこの1年、ただ全力で遊んでいるフリをして、その真理をリアルに、そして強烈に学んできたのだ。

街を縦横無尽にキャンパスにする「HUC」

「学ぶ場がない」なんて不自由なアタリマエ、
こっちから街に殴り込んでリノベーションしてやればいい。
そんな想いを持って始まったHUC。

…さて、ここまではあくまで「前説」

ここからは、いよいよメインイベント。
しかし、大学の教授がドヤ顔で語るような高尚な講義はない。

ここから始まるのは、街をキャンパスに変えて遊び尽くしたHUCメンバーたちによるプレゼンだ。

▽後編はこちら

▽カンファレンスの動画はこちら

「HUC(ハッピー・ユニバーサル・カレッジ)」とは?
「まちが教室、出会いが学び」
神戸長田区を中心に、神戸の街をキャンパスにする多世代型の学び場。
「顔馴染みの人」と「行きつけの場所」を増やす、超リアルで生活の中全てを教室にする実践的学びの場。
(文部科学省委託/学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業)


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