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「今倒れたら休めるのに」。感情が消えた2号店オープン。減っていく運転資金【どん底編③】

この記事の続きです。

既存店を営業しながらの、怒涛の新店舗オープン準備。さらに3月には確定申告という現実も重なり、私はバタバタのまま、4月のオープン日を迎えました。

前日もギリギリまで準備に追われ、時計の針は真夜中を回っていました。
「布団で寝たら、絶対に起きられない……」。
そう悟った私は、お店のカウンターに突っ伏して座ったまま仮眠を取り、起きてシャワーだけ浴びて新店舗へ向かうという、女性とは思えない方法を選択。
気力だけで持っている。
それがオープン初日の私でした。

喜びの無いオープンと、終わらないトラブル

初日は新聞で紹介されたこともあり、たくさんのお客様が来店してくださいました。
しかし、慣れないスタッフと不完全なオペレーション。さらにメニュー開発も完全に終わっておらず、とりあえず間に合わせた最低限のメニューでの営業。当然お待たせしてしまい、クレームが出ることもありました。

多くの知り合いがお祝いのお花を贈ってくれたり、「おめでとう!」と駆けつけてくれたりしました。でも、正直なところ、私には「新店舗オープンの喜び」を感じる余裕は1ミリもありませんでした。

1号店の時も最初はバタバタだったから、こんなものだろう。
そう思おうとしましたが、今回はいつまで経っても、喜びを感じる瞬間は訪れませんでした。

むしろ、毎日のように何かしらのトラブルが起き、これまで経験したことのなかった「スタッフ間の問題」まで勃発。
ひとつ壁を乗り越えても、すぐにまた次の壁が現れる。ただひたすら、必死に毎日をこなすだけの日々でした。


消えていく感情と、壊れていく身体

新店舗への車通勤の距離も相まって、私の心身の疲労は限界を突破していました。
「休みたい。でも、休めない」
毎日、鉛のように重い身体と心を引きずって、何とかお店に通っていました。

元々アトピー持ちで肌が弱い私は、この過労とストレスで顔にひどい吹き出物ができ、肌荒れが悪化。鏡を見るのも辛いその状況が、さらに私を追い詰めました。

しばらく頑張って軌道に乗せれば、ずっと望んでいた「現場を離れてプロデューサーとして動く」という理想の働き方ができるはず。そう信じて耐えていましたが、現実は理想には程遠いものでした。

そのうち、私の心から「感情」が抜け落ちていきました。
車から見える綺麗な景色を見ても、何も感じない。美味しい、嬉しい、楽しい。そんな当たり前の感情が湧かなくなってしまったのです。

「あぁ、今ここで倒れたら、仕事に行かなくて済むのになぁ……」
(でも、どんなに疲れても倒れてくれない自分の身体が恨めしかったです)

しまいには、「死んだら楽になるのかな」とまで思うようになっていました。今思えば、完全にプチ鬱状態だったのだと思います。

唯一の救いと、迫り来る「タイムリミット」

この暗闇の中で、唯一の救いは既存店の店長としてお店を守ってくれていた「Cちゃん」の存在でした。
私が2号店での仕事を終えて戻ると、愚痴や弱音を聞き、励ましてくれました。
思いを打ち明けられる人がいる。ただそれだけで、私は何とか自分を保つことができていました。

しかし、現実は待ってくれません。
最初に尊敬する協力者の方々と決めたコンセプトと、実際に現場でお客様や施設側から求められることの間には、大きなギャップがありました。
協力者の方の考えと、目の前の現実。
その板挟みになりながら、利益も出さなければならない。メニュー構成には本当に苦しみました。

そして、夏。
売上は日によってバラツキがあり、予想を遥かに下回っていました。
売上がなくても、2店舗分の人件費と固定費は容赦なく掛かります。

予定よりも恐ろしいスピードで減っていく運転資金。
「もうあと少しで、お金が底をつく。そうしたら、支払いはどうすればいいんだろう……」
これまで経験したことのない、背筋が凍るような不安と焦り。

そんな絶望の淵に立たされた時、私は知り合いのある助言によって、ひとつの「決心」をすることになります。
(つづく)

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