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すべてを失った私に残ったもの。借金返済のリスケと、再び前を向いた理由【どん底編・完結】

この記事の続きです。


ついに撤退の許可が降りる

生きた心地がしない日々を過ごし、胃を痛めながらの交渉の末、ようやく施設側から「契約期間満了前の撤退(閉店)」を許可してもらうことができました。

閉店の日を決め、親しい人たちにお知らせした後、一般のお客様にも告知をしました。
これでようやく、あの極限状態から解放されてホッとすることができました。

しかし、元々はずっと親しくさせていただいていた「施設の実質的な責任者」の方とのご縁でスタートしたお店です。多大なご迷惑をお掛けしてしまった申し訳なさと、自分の中にある複雑な感情が入り混じり、心は決して晴れやかではありませんでした。

一番どん底の、地獄のような苦しい日々は脱した。
でも、当然のように罪悪感は胸に重く残り、処理しなければならない現実と、これからのことが山積みでした。

すべてを失った絶望…それでも捨てきれなかったもの

当時の私は、本気でこう思っていました。

「私はたくさんの人に迷惑をかけて、いろんなものを失ってしまった」

大切な人間関係も。
お金も。
信用も。
お客様も。
そして、夢も。

何もかも捨てて、誰も私のことを知らない遠くへ行ってしまおうか。全部リセットしてやり直せるだろうか。
……でも、そんな勇気はありません。
死ぬことなんてできないし、親より先にいなくなるなんて絶対にできない。

このまま残された1号店のカフェ店主に戻って、私は果たしてやっていけるのだろうか?
あんなに迷惑をかけた手前、もう楽しく幸せに生きる姿なんて見せちゃいけないんじゃないか。これまでみたいに、自分らしく発信する資格なんてもう無いんじゃないか。

私はこれから、何を目標にして生きていけばいいんだろう。
そんな自問自答を繰り返し、精神的にボロボロだった私。
それでも結局、「元通り、カフェを頑張るしかない」と立ち上がることができたのは、ある「小さな気づき」があったからです。

それは、どんなに現実に絶望して自分を責めている時でも、絞り出そうと思えば「お店に関するアイデア」だけは湧いてきた、という事実でした。
私の好きで得意なことは「アイデアを出すこと・企画すること」。

「あぁ、こんなにどん底の時でも、私からアイデアは出てくるんだ。じゃあ、まだやれるんじゃないか?」
そう思えたことが、私を繋ぎ止めてくれました。


借金返済のリスケと、経営者としての再出発

2号店を閉店した後、2週間ほど1号店を営業し、私は無理矢理「3週間の休み」を取りました。
資金繰りを考えれば休んでいる場合ではありませんでしたが、これ以上は本当に自分が壊れてしまうと思ったからです。

そして、3月半ば。メニューなどを少しリニューアルして、1号店を再スタートさせました。
お祝いしてくださる方、「待ってました」と来店してくださるお客様の存在が、涙が出るほどありがたくて嬉しかったです。

しかし、現実は甘くありません。
1店舗に戻ったことで全体の売上は減り、私が2号店にかかりきりになっていた間に、1号店自体の売上も落ちていました。当然、2店舗目の出店で大きく膨れ上がった「借金の返済」など、予定通りにできるわけがありません。

そこで私は、融資を受けていた日本政策金融公庫へ相談に行きました。
現状を包み隠さず話し、「月々の返済額を大幅に減らしてもらう(リスケジュール)」という措置を取ってもらったのです。

こういう措置を取ってもらえると知って、ものすごくホッとしたのを覚えています。
もちろん、月々の返済額が減るということは、返済期間が何年も延び、トータルで支払う利子が増えることを意味します。
あと3年弱で終わるはずだった借金生活が、まだまだ長く続くことになりました。

でも、それでいいと今なら胸を張って言えます。
月々の重すぎる負担に耐え、不安や苦しさで押し潰されそうになりながら生活するより、期間が延びたとしても、目の前の負担を減らして「安心して、良い精神状態で暮らす」ことの方が、経営者としても一人の人間としても、断然正しい選択だからです。

もしこの先、収入が大きく増えることがあれば、その時に繰り上げ返済をすればいいだけのこと。
今、もし借金の返済や資金繰りで苦しんでいる経営者の方がいたら、どうか一人で抱え込まず、金融機関に相談するという道があることを知っておいてください。


おわりに

さて、全6回に渡ってお届けした「どん底編」は、ここで幕を閉じます。

実はこの後、1店舗に戻ってからも経営は思ったように上手くいかず、メニューを変えたり、レンタルカフェを始めたり、シェアカフェに挑戦したりと、泥臭い試行錯誤を繰り返して、最終的にカフェ店主を卒業することになります。

その辺りのことや「カフェ経営で学んだ教訓」については、これから少しずつ、実践的な記事として書いていこうと思います。

長くて重いエピソードに最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

どん底編を一気読みしたい方はこちらをどうぞ↓

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