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「オープンから3ヶ月でお客様が消えた」。初めての冬に訪れた「倒産」の危機。

この記事の続きです。

noteを見ていると、カフェ開業を目指す方や、現役で頑張っているオーナーさんの記事をたくさん見かけます。
みなさん、本当に素敵で、夢に向かって頑張っていて輝いています。

でも、「現役」の場合、書けないこともたくさんあると思うのです。

「今日はお客様ゼロでした」
「資金繰りがヤバイです」
「悩みすぎて鬱になりました」

そんなネガティブなことをリアルタイムで書いてしまえば、お店の信用に関わりますから。
実際私も、現役の時はお客様からのマイナス評価を恐れて、ガチのリアルな状況や本音は発信できなかった。

でも私は今、お店を引退した「元・店主」です。
守るべき「お店の体面」は、もうありません。

だからこそ、私はこのnoteで、現役のオーナーさんが発信できない「カフェ経営の裏側(リアル)」を正直に書き残そうと思います。
これからお店をやる方が、私と同じ失敗をしないために。

さて、今日お話しするのは、まさに現役時代は誰にも言えなかった話。
お祭り騒ぎの後にやってきた「静寂」と、「倒産の危機」についてです。

「このままイケるんじゃない?」という勘違い


前回お話しした通り、私のカフェは「24席の店に1日100人が来る」という、大パニック状態でオープンしました。
それほどのお客様が押し寄せたのは開店日だけだったものの、その後、3ヶ月間は忙しい日々が続きました。

宣伝なんてしなくても、次から次へとお客様が来てくれる。
ゆっくり休む暇もないけれど、アドレナリンが出っぱなしでそんなに疲れを感じない。

「このまま行けば計画書通りになるかも」
「私の店、人気店になってる!?」

……恥ずかしながら、そんな風に思っていました。

でも、それは甘い考えでした。
飲食業界でよく言われる「オープン景気(ご祝儀相場)」に浮かれていたのです。

「新しくできた店だから、一回行ってみよう」
そう思って来てくれたお客様が一巡した時、本当の戦いが始まります。

冬の訪れとともに、お客様が消えた


オープンから3ヶ月が過ぎ、季節が冬に変わる頃。
魔法が解けたように、客足がパタリと止まりました。
ランチタイムになっても、空席が目立つ。
窓の外には、寒々しい冬の景色と、誰も通らない道路。

「怖い」

背筋が凍るとは、まさにこのことです。
忙しさに合わせてスタッフを多めに採用していたため、売上は減っていくのに、人件費だけは重くのしかかります。
さらに追い討ちをかけるように、銀行からの「融資の返済」も始まろうとしていました。

※あり得ないと思われるかもしれませんが、私は返済の据え置き期間を半年と勘違いしていました。実は3ヶ月だったんです。売上の下がる冬に返済が始まる!?払えなかったらどうしよう…と真っ青になりました。

「運転資金ゼロ」の代償


ここで、私が犯した最大のミスが牙を剥きます。
以前の記事でも少し触れましたが、私は「運転資金」ゼロの状態でオープンしていました。

「日銭が入ってくるから、何とかなる」
そう楽観的に考えていたのです。
しかし、売上が下がれば、当然手元の現金は枯渇します。

支払いは待ってくれません。
家賃、光熱費、材料費、そしてスタッフの給料。
残高を見るたびに、胃がキリキリと痛む日々。

「このままじゃ、春を待たずに潰れるかもしれない……」

まだオープンして半年も経っていないのに、私の頭には「閉店」の二文字がよぎりました。

人件費問題とスタッフの離脱


「どうにかして生き残らなければ」
私は苦渋の決断を迫られました。
人件費の削減です。
幸か不幸か、このタイミングで個々の事情によりスタッフが次々と退職することになりました。

残ってくれたのは、開業前からの知り合いだったAちゃん一人だけ。
彼女は店の経営状態を察して、自らこう言ってくれました。
「1月と2月は、土日だけの出勤でいいよ。平日は他のバイト掛け持ちするから」

涙が出ました。
こうして平日は、私と母の二人体制での営業となりました。
身内なら、最悪お給料無しでも許してもらえます(お母さん、本当にごめんね)。

こうして迎えた、初めての冬。
外は大雪。客足はまばら。
でも、母と二人で店に立っていると、不思議と「悲壮感」はありませんでした。
それどころか、雪の中をわざわざ来てくれるお客様一人一人のありがたさが、身に染みてわかりました。

「ここに来てみたかったんです」
「また来ます」
そんな一言にどれだけ救われたか。
結果として、なんとか私たちは初めての冬を越すことができました。

未来のオーナーさんへ


これからカフェをやる方に、元店主として本気のアドバイスをさせてください。

1. オープン当初の忙しさは「実力」ではない。 必ず落ちる時が来ます。
※現在はオープン景気らしきものがないケースもあると思います。

2. 運転資金は「命綱」です。 借金してでも、手元に現金を残してスタートしてください。売上がゼロでも最低3ヶ月は暮らせるお金がないと、精神が持ちません。

「お客様が来ない」という恐怖は、体験した人にしかわかりません。
でも、その恐怖を乗り越えた先にしか、見えない景色もあります。

なんとか冬を耐え抜いた私の店に、春、思いもよらない「追い風」が吹くことになります。
それは、広告費ゼロで起こした、小さな奇跡でした。

(つづく)

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