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【エアライン的視座】燃油高はつらいよ②

燃油高のインパクト
不透明な中東情勢を受け、各エアラインの対応に関するニュースが多くなっている。

* 運賃や燃油サーチャージの引き上げ
* 国内線への燃油サーチャージの検討
* 運休、減便
* 緊急経営体制宣言

また、国際航空運送協会のウォルシュ事務局長は4月8日、「たと‌えイランがホルムズ海峡を再開した⁠としても、中東の精製能力が混乱しているため、ジェット燃料の供給が​回復するには数カ月を要する」見解を表明し、事態の深刻さが伺える。

燃油高の長期化で明暗を分ける「ヘッジ」戦略
事態が長引くことを想定した場合、エアラインによって明暗を分ける要素の一つが「ヘッジ」である。聞きなれない言葉かもしれないが、「ヘッジ」とはエアラインが将来の燃油価格変動リスクを事前に固定し軽減するための保険みたいなものだ。「6か月先のジェット燃料を○○ドルで購入する」みたいに先物取引をしているのだ。今回のようにジェット燃料が200ドルを突破しても、6か月前(その時点で100ドル前後)に150ドルで購入していれば、50ドルのリスクを回避できるというわけだ。ただ全てのエアラインがこの「ヘッジ」をしているかと言えばそうではない。なぜなら、先物価格よりその時点の価格が下回った場合、高い価格でジェット燃料を購入せざるを得なくなり大損になってしまうリスクがあるからだ。
ここはエアラインの経営戦略にも関わり、燃油費の7割近くまで「ヘッジ」に積極的なエアラインもあれば、消極的なエアラインもあるのだ。今回に限っては積極的に「ヘッジ」をかけていたエアラインは燃油高騰のインパクトを軽減できているが、「ヘッジ」をかけていないエアラインほど、高いスポット価格で購入することになり、燃油高騰の直撃を受けている。その違いが各エアラインの対応に表れているように見える。

「ヘッジ」は保険、大事なのは対応力
エアラインの経営は難しい。
全費用の3割近くを占める燃油は、為替や需給バランスだけでなく、今回のような政治的な情勢の影響も受けやすい。よって「ヘッジ」とスポット購入のバランスをとりながら、費用コントロールをしなくてはならない。しかし「ヘッジ」が万能な保険だとは言い切れず、予想した先物価格より下回れば、即、費用増に繋がるリスクとなる「諸刃の剣」のようなものだ。「ヘッジ」に積極的なエアラインはしばらくは「ヘッジ」効果は効くかもしれないが、燃油高の状況が長引けば、「ヘッジ」の満期が来て、その後はその他のエアラインと同じように高いスポット価格で購入しなくてはならない。
なので、今後の対応が大事になってくる。

運賃や燃油サーチャージの値上げ
値上げによる需要減や冷え込む消費者マインドへの対応
ターゲットとするマーケットセグメントへの対応
高収益路線への資源投入(儲かる路線の強化)
効率的な運航と費用削減
などなど

今後の対応の舵取りが試される。
今回のクライシスが、需要がゼロになったコロナ禍クライスと大きく違うのは、それでも需要があることだ。
各エアラインは知恵をしぼり、また復活してくると期待している。

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