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国民民主党はキャスティングボートを握っているのか?


始めに

 国民民主党が石破政権下において、衆院の与党過半数割れをダシに色々交渉してきたのは周知の事実である。しかし、当時とは大きく状況が変わった。参院選で与党が過半数割れし、そして高市総裁が誕生、公明党が連立離脱し、変わって日本維新の会が連立入りした。そして、衆院選で与党は大勝した。これらの変化を踏まえて、果たして国民がまだ与党に干渉出来る環境なのかを検証する。

本編

衆院

 これはもう言わなくても分かるだろう。2月の総選挙で与党は大勝し、安定した国会運営に必要な絶対安定多数の261議席を自民単独で余裕で獲得した。で、それはともかく重要なのは3分の2も自民単独で得ているということである。これは、参院で否決された法案を衆院で再可決出来ることを意味しており、後述するが参院で与党過半数割れしている現況では大きな意味を持つ。まさに伝家の宝刀と言えよう。

参院

 そして問題の参院である。先述の通り、参院では与党がゲルの大敗北のせいで過半数割れしている。

図1
定数は248だが、欠員1があるので過半数が124になっている
Grokでつくりました

図1の通り、与党は120議席で過半数に4議席足りない。しかも、その120議席の内訳も更に問題である。

図2
参院HPより引用↓
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/221/giinsu.html


図2を見ると、与党の議席が偏っていることが分かる。参院は任期6年で3年ごとに半数改選であるのは周知の通りだが、28年改選組と31年改選組に分けるとこうなる。

自民 28年改選組:61人
   31年改選組:40人(会派入りのみも含む)

維新 28年改選組:12人
   31年改選組:7人

与党 28年改選組:73人
   31年改選組:47人

 この結果どうなると言うと、2年後の28年参院選において与党が過半数を得る為には、改選過半数の63議席から更に14議席積み増した議席、つまり77議席を得なければならない。これは極めて高いハードルである。つまり、単純な現在の議席数だけでなく、今後5年に渡っての野党の牽制の材料に参院は成り得るのだ。

 因みに、28年参院選の獲得議席を予想した記事があるので興味がある方は是非一読して欲しい。

 しかし、先程の図1をもう一度見て欲しい。

図1(再掲)

 そう、与党と野党の間に白抜きになっている14議席の「その他」の議員がいる。これが今回の本題だ。図で内訳を出そう。

図4
図5

図4が党籍離脱している議長・副議長及び無所属議員を、図5が議員が5人に満たない少数会派を示している。

図4を見てほしい。ここには与党系無所属が3人もいる。まず一番上の齋藤健一郎議員は、22年参院選においてN党が1議席を獲得した際、ガーシーが除名された後繰り上げ当選し、そしてN党を離党して無所属となった人物である。そしてこの議員は、投票行動も基本与党と同じであり、首班指名選挙でも一貫して「高市早苗」と書いている。また、一時期自民会派入りしたこともあったり、次期参院選での自民比例名簿入りが噂されたこともあり、後に外部の批判によって会派離脱したもののほぼ自民党と言っても過言でない存在だろう。

 次に、静岡県選挙区選出の平山佐知子議員だ。この議員は静岡5区選出で、元民進党の現自民党所属衆院議員である細野豪志議員の子飼いと言われている。

 そして、最後に和歌山県選挙区選出の望月良男議員だ。この議員は、裏金問題で自民党を離党し、復党願を出している和歌山2区選出の世耕弘成議員の子飼いと言われている。なので、こちらもほぼ自民党である。

 ここで思い出して欲しいのだが、さっき自維で120人いると書いた。そして、この3人で123人になる。ギリギリ足りないように思えるが、ここで図4の説明を思い起こして欲しい。そう、ここには普段投票行動に参加しない議長も含まれているのだ。つまり、現在の参院議員が247人であるので、必然的に123対123で同数になる。よって議長決裁になるが、この議長は自民党である。つまり、議長決裁で可決出来るのだ。これも全て太郎ちゃんが辞職してくれたおかげである。ありがとう!太郎ちゃん!

 しかし、議長決裁というのはどうしても強硬的な、首の皮一枚通したというイメージを与え得る。しかも、この123人で1人でも造反したり棄権したりすればパーになるのだ。よって、安全に行きたい。

 ここで出て来るのが図5だ。重要なのは日本保守党と、チームみらいの2会派だ。

 まず保守党だが、ここに所属している議員の内北村晴男議員は一回目から、百田尚樹代表は決選投票で共に首班指名で「高市早苗」に投じている。かつ26年度予算にも賛成しており、最近の与党の審議拒否の流れの中でも唯一消極的な立場を採ってきた。しかも党議拘束はないそうなので、2人の内1人でも落とせば勝ちである。

 次にみらいである。ここの所属議員は、安野貴博代表と尾辻朋実議員である。まず安野代表だが、こちらを落とすにはみらい全体と合意を得る必要がある。しかし、話の通じる相手ではあるし、少なくともタマキンよりかはハードルが低いだろう。そして尾辻議員だが、こちらはみらい党籍が無いどころか立憲民主党の党籍を保有しているとされている。何故このようなことになっているのかと言うと、そもそもこの尾辻議員の父は自民党所属の尾辻秀久元参院議長なのだ。そして、25年参院選の際に自民党の鹿児島県選挙区候補の公募に応募するも敗北し、その後立憲・社民推薦の野党系統一無所属候補として立候補して当選を果たしたのだ。そして、無所属として活動していく傍ら会派に所属している方が都合が良いとして安野代表と会派を組んだ。つまり、尾辻議員には党議拘束は無いし、思想信条としてもどちらかと言えば保守系なのだ。しかも首班指名こそ白票なものの、26年度予算案には賛成票を投じており、懐柔が利く相手である。

まとめ

 ここまで書き連ねてきたことを纏めると、つまるところ与党系無所属3人の賛成によって議長決裁で可決出来るし、それに加えて保守党会派やみらい会派の4人も場合によっては賛成に回ってくれるのでストレートで通るということも有り得る。

 そして、忘れてはいけないのが衆院で自民党が単独で3分の2を得ているという事実だ。ここまで参院でどうたらこうたら書き散らしておいていうのもアレだが、最悪再可決で全部吹き飛ばせばいい。衆院の再可決で出来ないのは両院同意人事と憲法改正くらいなので、会期だけなんとかなれば法案はなんでも通せる。

 つまり、国民民主党の24年衆院選から続いているゆ党的な立場で責任を与党に押し付けつつ、野党を批判して差別化し、実現可能性の薄い政策群の実現に邁進しているポーズをとるという民主党の反省を活かした戦略は既に破綻しているのだ。このことを鑑みても、玉木首班構想を蹴ったのは「政策実現第一」という観点から見ると痛恨の一事だった。まあ、本音はそんなことないだろうが。最後に、筆者が国民支持を辞めるきっかけとなったこの画像を見ていただき締めとしたい。

カス

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