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【第58回】補助事業の事業承継は「怪しい行為」なのか

――自動車整備業と天ぷら店の事例から見える誤解

最近、立て続けに相談を受けた二つの案件があります。
一つは地方の自動車整備業
もう一つは都市部の老舗天ぷら店です。

業種も規模も違いますが、
この二つのケースには、はっきりとした共通点がありました。

それは、
「事業承継そのものが、最初から疑いの目で見られている」
という点です。


事業承継は、異常な行為ではない

まず大前提として、事業承継とは、

  • 事業を継続させるため

  • 雇用や取引先を守るため

  • 技術・信用・顧客を引き継ぐため

に行われる、極めて正当で、むしろ推奨される行為です。

自動車整備業のケースでは、
高齢の経営者から、実務を担ってきた後継者へ。

天ぷら店のケースでは、
長年店を支えてきた家族・関係者への承継。

いずれも、
「事業を終わらせないため」の選択でした。


それでも疑われる理由

ところが、現場では次のような見方が先行します。

  • 法人が変わった

  • 代表者が変わった

  • 名義が変わった

その瞬間に、

これは実質的に別事業ではないか
補助金逃れではないか

といった疑念が、前提条件のように置かれてしまう

しかし、
「変わった」という事実と、
「不適正である」という評価は、
本来まったく別の話です。


問うべきは「形式」ではなく「実質」

事業承継で本当に確認すべきなのは、

  • 事業内容は連続しているか

  • 設備・人員・取引関係は引き継がれているか

  • 意図的な空白や偽装はないか

という実質の部分です。

今回の二つのケースでは、
事業は途切れておらず、
実態も継続していました。

それでも疑われるのであれば、
それは事業承継という行為そのものへの不信に近い。

この違和感が、今回の出発点です。

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