二人展 『在るとき』 を終えて。二人の写真が、静かに重なった。
2026年5月22日(金)〜 5月24日(日)の3日間、写真家の村田雄平さんと3年連続となる二人展を、東京・表参道のgallery tentplant 青山にて開催。
会期中は160名の方にご来場いただきました。まずはこの場を借りて、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

「並べる」という展示
今回の展示の中心になったのは、「二人の写真をペアで並べる」です。
二人の写真を並べて見ると、視点が交わる瞬間があります。不思議と、距離感や視点の近さが浮かび上がってきます。いま目の前に在る景色。自分自身がどう在るのか。
そんな感覚を無理に説明せず、そのまま置いてみるような展示です。
タイトルは「在るとき」。二人が見る景色・交わる時間の層を展示します。
過去2回は、それぞれが「この写真を出したい」を持ち寄る形式でしたが、3回目ということもあり、少し違う試みを。今回は、二人がそれぞれ別の場所、別の時間で撮ってきた写真を持ち寄り、「二枚で一つの作品」として並べていく展示にしました。

どうやって決めたんですか?
展示期間中、多く聞かれた質問です。実際の作業はとてもシンプルでした。Canva上に、お互いの写真を貼っていく。
「この写真とこの写真、距離感が近いですね」
「写っている被写体は全然違うけど、通じるものがありますね」
「この流れ、気持ちいいな」
Canva上に写真を動かしながらの発見が、すごく楽しい。そんなやり取りをオンラインで行いました。
不思議だったのはそのスピード感。展示の写真選びはいつもかなり悩むのですが、今回は信じられないくらい感覚が合っていて、わずか1時間ほどで、ほとんどのペアが決まってしまいました。
並べてみると、視点や題材は違うのに、距離感や佇まいが驚くほど似ている。まるで一緒に撮影していたように、写真同士が静かに呼応していました。「似ている」というより、“シンパシー”という言葉のほうが近いのかもしれません。
おそらく二人とも、「何を撮るか」より、「どう在るか」に惹かれているのだと思います。強いメッセージや分かりやすい答えではなく、その場に確かに在った空気や感覚。立ち止まる前後の、まだ意味になりきっていない時間。そういうものを残したくてシャッターを切っている。だから、別々の場所で撮っていても、写真の奥に流れている呼吸のようなものが、どこか重なっていたのかもしれません。それがタイトル「在るとき」に込められています。
「ペアを成立させるために撮った写真」は一枚もありません。今回の企画が決まってから新たに撮影した写真もなければ、一緒に撮影した写真もありません。それぞれが日常で撮りためてきた写真たちを、あとから並べていっただけです。
今回の展示を通じて、なぜ村田さんと二人展を続けているのか、その理由が改めて見えた気がしました。










写真が、空間の中に漂う
今回もうひとつ試したのが、写真を浮遊させる展示でした。普通紙にプリントした写真を、OHPフィルムにコピーして吊るす(そんなことができるんだ!と、驚きでした)というもの。
白壁や外光を通して、写真が揺れたり、透けたり、重なったりする。これは壁展示のメインとは別に、空間にリズムや奥行きをつくる効果もありました。
このエリアではあえて2人の写真をランダムに。すると自然に、
「これ、どっちの写真ですか?」
「村田さんっぽいけど、ハラさんかも」
そんな会話が生まれていきました。しかも、けっこう難しい笑。ここでも、二人の視点の重なりを感じました。
初日は雨、二日目は曇り、最終日は曇ったり晴れたり。会場に差し込む光の変化により、見え方も変わるのが面白かったです。





展示の「並び」を再現したフォトブック
壁に展示したペア写真をそのまま再現したフォトブックを作りました。展示のあとも楽しんでもらえる内容になっていると思います。
紙違いの2種を用意。どっちがいいかみなさん吟味しながら選んでいただきました。展示した和紙とも違うし、紙によっても見え方が違う。それも写真の面白さ、奥深さ。
おかげさまで用意したフォトブックの在庫がほぼなくなりました。お買い上げいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

展示を終えて
一昨年、村田さんから声をかけていただいたときは、それだけでも驚きでした。まさか3回も続くとは思っていませんでしたし、いまでは自分にとって、すっかりライフワークのような存在になっています。
一人では生まれないズレや重なりが、二人展にはあります。しかもそれは、最初から設計されたものではなく、並べてみて初めてわかるものが多い。今回も、村田さんのアイデアに刺激を受けっぱなしでした。
また次に並べたとき、どんな重なり方が見えてくるのか、自分たちも楽しみにしています。








村田さんのnoteも、ぜひご覧ください!
PJさん、ヤギシタさんのYouTube でも動画公開されています。
