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【第4話】母親なのに迷った日|あの日、言葉で傷つけた



母親なのに、
自分の言葉で子どもを傷つけてしまった日があります。



発達検査では、
「どうしてうまくできないんだろう」と感じる場面がいくつもありました。

箱の重さを当てるテストでは、
中身が気になってしまい、答えに集中できない。

ブラインドの紐が揺れると、
そちらに意識が向いてしまい、検査が進まない。

「できない」のではなく、
「気になってしまう」――
そんな我が子の特性を、少しずつ知っていきました。



幼稚園でも同じでした。

気になるものがあると、集団行動が難しくなるため、
先生は遊んだ後のおもちゃは必ず片付けてくれて、環境を整えてくれていました。

お誕生日会では、
歩き回らないように、先生の膝の上で図鑑を読ませてくれていたそうです。

たくさんの配慮の中で、
我が子はなんとか過ごしていました。



そんな中で起きた出来事でした。

第二子を妊娠していたある日。
買い物のあと、ほんの数分――

ほんの数分、目を離しただけだった。
それでも、十分だった。


あの時のことを、今でも忘れられません。

荷物を家に運んでいる間に、
我が子はスケーターで遊び、ガレージにぶつかりました。

額から大量の出血。

「ごめんなさい」と泣く我が子。

頭が真っ白になりながら、
隣の方に助けを求め、救急車を呼びました。




救急車を呼ぶと、搬送先について聞かれました。

「Aの病院と、Bの病院がありますが、どちらにしますか?」

そう聞かれても、
頭が真っ白で、すぐに判断ができませんでした。

もしタクシーで帰ることになったら——
そんなことまで頭をよぎり、

私は、自宅に近い方の病院をお願いしました。

---救急車の中で、
ただ「大丈夫であってほしい」と祈ることしかできませんでした。




病院では優先的に診てもらい、
看護師さんが声をかけてくれました。

「もう大丈夫ですよ」

その一言に、少しだけ救われた気がしました。



でも――

待合室で遊んでいた幼児に、年配の方が言った言葉が、今でも忘れられません。

「言うこと聞かないと、あの子みたいに怪我するよ」



胸がざわつき、
血の気が引きました。

何も言い返せず、
ただその人を睨むことしかできませんでした。



そしてそのとき、
私の中にも同じような気持ちがあったことに気づいてしまったのです。

「どうしてちゃんとできないの」
「どうして言うことを聞いてくれないの」




そしてすぐに、思いました。

「こんなこと思う母親でいいのか」



守りたいはずなのに。
傷つけたくないはずなのに。

一番近くにいる私が、
一番きつい言葉を向けていたのかもしれません。


怖かった気持ちも、
後悔も、
全部、心の中に残っています。



でも、あのとき——

私は一人で抱え込まずに、
周りの人に助けを求めることができました。

隣の方に声をかけたこと。
看護師さんの「もう大丈夫ですよ」という言葉。

その瞬間ごとに、本当に救われました。



そしてもう一つ、
気づいたことがあります。

処置をして帰宅するまでには、
思っていた以上に時間がかかること。

移動手段も限られていて、
余裕なんてありませんでした。

でも、自宅に近い病院を選択して後悔はしていません。

駅までタクシーで向かい、
そこから電車で帰ることができました。

ただ、
少し肌寒くて——

あのとき、
羽織るものを持ってきていたらよかったなと、
そんなことも考えました。


あの時を振り返るとこう思います。

どれだけ気をつけていても、
子どもの怪我を完全に防ぐことはできない時もある。




あのときの私に、今ならそう言ってあげたいです。



あの日の私は、
完璧じゃなかった。

それでも、あの日の私は必死でした。

あの日の出来事は、
今でも胸に残っています。

👉第5話 母親なのに迷った日|声かけを変えた日  【ペアトレで学んだこと】


▶はじめての方へ
この話はシリーズで書いています。
・第0話 母親なのに迷った日
・第1話:菓子折りを断られた日
・第2話:懇談会で限界だった日
・第3話:子どもの発達相談に行くまで
     迷いながら決めた一歩

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