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洋楽が隣りにいた頃の夏【シロクマ文芸部】

#砂浜で   Vol.2です。小牧さんの告知記事貼付直下から参ります。


(本文964字)


砂浜で思った。砂浜など見たくもなかった、と。それが真夜中ならば余計に。

1980年代、私はヒヨッ子の社会人だった。お堅いお役所勤めであり、自分の内面を脇に置いてもっともらしく振る舞う、そんな日々を過ごした。とはいえ、20代も半ばまでだと、まだまだ青くさい季節である。私も私の友人も、昼間に押さえつけている感情を時に解き放ちたくなる。夏は特にそんな季節だった。

友人の彼氏に、夜のドライブを好む男性がいた。このカップル、ケンカップルの名を冠するのがピッタリなほど、始終口げんかをする。そして、その解消、クッション役として何故か白羽の矢が立ったのが私だった。

「いるかー❓海、いこうぜ」

賃貸アパートの狭い玄関先から私を呼ぶ声がするのが21時。勝手にどこでも行ってくれ、私を巻き込むな。毎度そう言って断るのだが、三回に一度はケンカップルの車に同乗して真夜中の海へのドライブに。私もはめを外したい年頃だったのだ。

こんな時によくカーラジオから流れていた「Hotel Californiaホテル・カリフォルニア」。イーグルスなら「The Long Runザ・ロングラン」が好きだ、今度カセットにダビングしておくから、それをかけて欲しい。そんな会話を交わした数年前に、イーグルスは解散していた。


それから時は流れ、時代は21世紀。2007年10月、イーグルスが28年振りにオリジナルアルバムを発表、全英米でNo.1のセールスを記録する。「Long Road Out of Edenロング・ロード・アウト・オブ・エデン」だ。

ホテル・カリフォルニアが流行った頃、カリフォルニアは遥か遠くにある街だった。その距離が少し近くなった時代、イーグルスの歌声が「楽園への道程はまだ果てしない」と私たちに告げる。あの頃よりくすんだセピアをまとった、荒野に吹きすさぶ風のように。

久し振りにカーオーディオでイーグルスを流しながら海まで走ってみたい。そうは思えど、四輪もオフロードタイプの50CCも、今は手元にない。今年の夏は、去年より長いのかもしれない。そんなことを思いながら、私はDAPディーエーピーを立ち上げて、EaglesイーグルスLong Road Out of Edenロング・ロード・アウト・オブ・エデンをplayした。


今回の「おかわり」は、吉穂みらいさんの秀作にinspireした点がございます(内容は関連がありませんが、懐かしい洋楽、という視点で。みらいさん、ありがとうございます。この場を借りて御礼を)

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この話は筆者の経験に基づいたフィクションです。実際の団体、個人とは全く関連がございません。この話の元ネタでもあります👇

©2023-2025 Harunaga Mutsuki

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春永睦月 拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。