見出し画像

売り上げだけが、成功じゃない。まちのZINEフェスに出店して気づいたこと

7月19日(日)、私にとって3回目の出店となる、まちのZINEフェスが開催された。

前回参加したZINEフェス神戸が土砂降りだったのに対して、今回はじりじりと日差しが肌を焼くような快晴。「幸先いいぞー」と、根拠のない何かに期待しながら会場へむかった。

▼前回のイベントレポはこちら

しかし、帰り道の私は、行くときとほぼ重さの変わらない――むしろ重たいくらいのスーツケースをひきずりながら、複雑な気持ちで歩いていた。

なぜなら今日は、今まで出店したなかで、いちばん売り上げが少なかったから。

利益をもとめてイベントに参加しているわけじゃない。もし誰かに「儲からないのに、なんで出店するの?」と聞かれたら思わずカチンとくるくらい、売り上げではない魅力を感じている。それでも、やっぱり悔しさはある。

私なりにSNSでもマメに告知したし、フリーペーパーや新柄の布雑貨も用意したのに。「がんばって準備したわりに……」と思ってしまう自分にもモヤモヤした。

何がいけなかったのか。あくまで私の予測でしかないのに、帰りの普通電車のなかで原因をあれこれ考えては、ため息がでそうになった。

来場者が少なかったわけではない。ブースの場所も悪くなかったし、声をかけたときのお客さんの反応も好感触だった。

そうなると、「私の作品には、買うほどの魅力がなかったのかもしれない……」という、自分にとって、もっともつらい原因を想像してしまう。

値段が高かったかな。
ブースのインパクトが足りなかったかな。
もっと積極的に声をかけたほうがよかったかな。

あれ?私、こんなにネガティブだったっけ。

売り上げのことは、いったん心のすみっこに置いて、もう一度一日を振り返ってみる。

すると、大きな収穫があったことに気づけた。

お隣のブースは、以前から「お話ししてみたい」と思っていた作家さんで、直接ご本人からZINEを購入できた。また、普段の創作活動の話や、今後出店する予定のイベントなども聞けた。

それだけじゃない。前回出店したZINEフェス神戸で、私のZINEを買ってくださった方が、直接感想を伝えに来てくれた。購入したあと、会場内のカフェでさっそく読んでくださったというエピソードまで聞くことができ、そのシーンを想像して、しあわせな気持ちになった。

また、同じくZINEフェス神戸でエッセイ集を購入してくださった別の方は、今回のまちのZINEフェスでは出店者。私のブースに挨拶しに来てくださってお話しできたし、私もその方のZINEをお迎えできた。

そして、「お疲れさまでした。また、お会いできたらうれしいです」と、帰り際に何名かの出店者さんに声をかけてもらえた。

イベントに出店するごとに、自分の人間関係が広がっていくのを実感して、とても豊かな気持ちになれたのだ。


今日を点で見たら、悔しい一日なのかもしれない。だけど、あとから振り返ったら大事な日になっている確信がある。


売り上げだけでは測れないものが、たしかにあった。




いいなと思ったら応援しよう!

春野なほ|エッセイスト|ライター|兵庫県 いただいたチップは、執筆のおともとして、普段はなかなか買えない無印のお菓子を買わせていただきます🍪