「真珠女」15話【記憶】
【記憶】
返信はせずに、その場でブロック削除した、自分のアカウントも涼の監視用に作ったアカウントもすぐに消した。
頭痛と手の痺れはしばらく続いたけどあれから1ヶ月経った今、後遺症は特にないように感じる。
ひたすら狩猟ゲームに明け暮れる日々が戻ってきた。
毎日同じようにモンスターを狩り、ロード時間には電子タバコを咥え、スマホのパズルゲームをプレイする。
ただ、涼の香水は捨てられなかった。匂いを嗅いでは涼に会いたいと泣き「奈帆」と呼ぶ声を思い出す。
連絡先を消してしまった事を後悔して、もう一度涼のアカウントにメッセージを送ろうかとも考えた。けど、また涼に会えたとしても、きっとまた同じような事が起きて、きっとまた私は自殺未遂を繰り返す。
涼の甘い香りだけ手放せない。涙が溢れる、いつまで涼を想い続け、甘い記憶と共に生きるのだろうか。
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