『美山考』第1章 文献【260401】
南丹市美山町の地域史についての考察
改訂履歴
本考察を進めるにあたり、参考にした資料を「別表A 参考文献」に示す。各章の考察で参照した資料名については、原則として個別の記載は省略し、必要に応じて特記している。
別表A で郷土誌に関わるものを概観すると、行政組織による郷土誌が数度に渡り編纂されている一方で、町内各地区の編纂委員会により発刊された郷土誌や、町内にお住まいの個人が編まれた書籍など、多種多様なものがあることが見て取れる。それらの中から主なものを抜粋し 表1-1 に紹介する。
各資料の閲覧に当たっては、国立国会図書館デジタルコレクションなどでオンライン閲覧可能なものについては積極的にそれを利用するとともに、蔵書されている図書館内でのみ閲覧が可能なものについては、現地図書館に赴き必要部分を閲覧・複写するなどして、可能な限り関連資料の収集を行った。なかでも南丹市立美山図書室には、ご当地ならではの貴重な書籍が多くあるため幾度となく訪問し、時には図書館職員の方から有益な地元情報を聴くことができたりもして、本考察のヒントになることがしばしばあった。
収集した資料のなかでも「京都府北桑田郡誌」(大正郡誌)は、一部内容の証左が問われる部分はあるものの、同誌が発刊された大正12年当時からそれ以前の美山地域史を網羅する貴重な資料であり、本考察のベース資料として活用するとともに、各地区の編纂委員会により発刊された資料については、地元に残る古文書を紹介するなど、各地区の活きた歴史を知る上でたいへん参考になった。
ただ、その一方で各地区の旧家や社寺に残されていると思われる古文書を翻刻した資料がほとんどないことが少々気掛かりであった。
例えば、令和6年度に、南丹市立文化博物館で開催された冬季企画展「文字権左衛門と丹波志」を見学した際には、これまで郷土誌などの紙面でしか見たことがない、文字家に伝わる古文書や古地図、大般若経の一部など、貴重な展示物を直接見ることができたが、同館学芸員との会話で、旧家に伝わる古文書類の翻刻や保全、及び保全も兼ねた令和版南丹市史編纂の可能性について尋ねてみたところ、その実施には(予算上)厳しいようなことを言われていた。
美山町域に残る古文書や古地図などの貴重な文化遺産を保全・活用する事業の一環として、例えば、同町内 5地域を網羅した「令和版 南丹市史 美山町編」のような形で後世に残し、美山町で生れ育った子供たちが、将来自身のふるさとを知るための貴重な歴史資料として活用できる機会を作っておくことは、現在と将来の美山町にとって大切なことのひとつなのかもしれない。
表1-1 主な郷土誌の抜粋

