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【後編】 確実に役に立つ「指示方法」を公開します。フォトグラファーとモデルは、AIに一体、何を相談すればいいのか?

こんにちは。haru wagnusです。

前編では、撮影と、自分の作品そのものを
AIに相談する話を書きました。
撮影前に、頭の中の曖昧なイメージを言葉に落とす。
撮影直後、まだ手にカメラの重さが残っているうちに振り返る。
そして自分の写真や写り方を、一度だけ外から見てもらう。
そんな話でした。

後編は、そこで見えてきた自分を、どう外へ出していくか。
そして、どう次につなげていくか

SNSと発信の整理、これからの活動設計。この二つを書きます。

前編を読んでいなくてもここから入って大丈夫ですが、
セットで読むと流れがきれいに見えると思います。


正直なことを書いておくと、AIの話をしていると、
まだ半分くらいの人は少し引いていると思います(笑)

SNSを開けば毎日のようにAIの話題が流れてきて、
もう疲れている人もいると思う。
結局これ何に使えばいいの、とか。
作品づくりに使ったら、
逆に個性が薄くなるんじゃないの、とか。
単純になんかよく分からない、とか。

ただ、この二年、僕は自分の写真と活動について、
たぶん過去のどの時期よりも深く考えました。
一人で考えていたら、ここまで来ていない。
AIに答えをもらったからではなくて、
AIと話しているうちに、
自分の中にずっとあったのに
言葉になっていなかったものが、
少しずつ形になっていったからです。

今日はその「形にしていく」使い方の、
外へ向く半分を書きます。



④ SNSや発信について相談する


「伸ばす」より先に、
自分の活動の何が伝わっているか」を確かめる

SNSの相談も、もちろんAIにしていい。
というより、相性はいいです。

ただ、最初に聞くことを間違えないでほしいんです。

フォロワーの増やし方。バズる投稿。
伸びるキャプション。ここから入ると、
たいていうまくいきません。
その時はバズを生むかもしれないけど
正直、長続きしません。
なぜなら、身になっていないバズだから。

先に確かめた方がいいのは、もっと地味なことです。

いまの自分は、活動や、日々のSNSの上では、
人に、フォロワーに、どう見えているのか?

ここを飛ばして、
自分の見え方が曖昧なままテクニックだけ足していくと、
アカウントの輪郭は、整えるほどぼやけていきます。

写真は良い。雰囲気もある。投稿も続けている。
なのに、初めて見た人には、この人が何を撮る人で、
どんな依頼をすればいい人なのか、
この人からどんな影響を受けれるのかが、
意外と伝わっていない。
これは本当によくあります。

モデルでも同じです。写真はたくさんある。
魅力もちゃんとある。
でも、その人自身の印象や、
これからどっちへ進みたいのかが、
発信からは見えてこない。
ワクワクしないから応援もしづらい。

だから、投稿案を出してもらう前に、
まず伝わり方を見てもらう
たとえば、こう聞いてみてください。

「私のSNSプロフィール文と、最近の投稿傾向を見て、
初めて訪れた人には、私はどんなフォトグラファー / モデルとして
認識されそうですか。魅力として伝わっている部分と、
本当は伝えたいのにまだ伝わり切っていない部分を分けて
整理してください。そのうえで、今が50点だとしたら、
100点を目指して、もう一段深く分析し直してください。」

この聞き方をすると、褒め言葉ではなく、
使える視点が返ってきます。

写真家なら、作品は良いのに何を撮る人か分かりにくい、とか。
投稿単体は強いのにアカウント全体だと覚えてもらえない、とか。
プロフィールが、仕事につながる言葉になっていない、とか。
世界観はあるのに、依頼したい人がたどり着く導線がない、とか。
そういうことが見えてきます。

モデルなら、可愛い・綺麗で止まっていて
個性が言葉になっていない、とか。
似合う世界観があるのにプロフィールに反映されていない、とか。
撮る側が「この人をどう撮りたいか」を想像しづらい、とか。
そのあたりが整理されてきます。

SNSは、数字を伸ばすためだけの場所ではありません。
もちろん数字は大事です。
見てもらえなければ届かないものもある。
でも本来は、見つけてもらうための入り口で、
自分の活動の意味を伝える場所のはずです。

伸ばし方を考えるのは、そのあとでいい。
テクニックより先に、自分の見え方を整える。
順番を変えるだけで、あとから足す投稿案も
プロフィールも導線も、効き方がまるで変わってきます。


AIに相談するときは、素材をちゃんと渡す


ひとつ、SNSをAIにしっかりと分析してもらう
コツがあります。

「私のSNSどうですか」と
アカウントのURLだけ投げても、
AIは曖昧なことしか言えません。
これはAIが悪いのではなくて、
材料を渡していないからです。

できれば、今のプロフィール文、最近の投稿の傾向、
SNSのインサイトの情報、
よく撮る写真、これから増やしたい仕事、
自分ではどう見られたいか、逆にどう見られたくないか、
いま悩んでいること。このあたりをまとめて渡してください。

手っ取り早いのはSNSのそれらの情報を全て
キャプチャー画像を撮って、AIに読み込ませて
SNSのコンサルタントとして、分析をするように指示することです。

「あなたは世界一のSNSコンサルタントです。
誰よりもSNSの写真界隈や、モデル文化に詳しく
プロデュースをすることができます。
その視点で、私のこれらの情報を読み込んで
私の個性を活かせる最高のアドバイスと分析を
お願いします。」

こんな感じに指示する。

これは、上記のように、AIにちゃんと役割を与えて
どういう視点で見てもらいたいかの詳細を伝えた上で
分析をしてもらいます。
それだけで、返ってくるものの精度が
めちゃくちゃ変わります。

AIは占い師ではありません。
でも材料を渡すと、かなり優秀なコンサルタントのように働きます。
散らかった要素を並べて、矛盾を見つけて、
強みを拾って、足りない言葉を出してくる。
これを一人でやるのは、わりとしんどい。
自分のことは、近すぎて見えないからです。
僕も結構、自分では苦手な分野でした(笑)

だから一度、マネージャー / コンサルタントとして
外から見てもらう。
それだけでも、発信はずいぶん整理しやすくなります。


⑤ これからの活動設計を相談する


AIは、「次に何をやるか」を並べ直すのがうまい

活動を続けていると、やりたいことが増えすぎて、
かえって動けなくなることがあります。

写真展もやりたい。ZINEも作りたい。
SNSも伸ばしたい。撮影依頼も増やしたい。
ポートフォリオも整えたい。作品撮りの時間もほしい。
新しいジャンルにも挑戦したい。営業もしたい。
でも、生活もある。

全部が大事に見えてきて、
どこから手をつければいいか分からなくなる。
しかも表現の活動には、感情が強く絡みます。
やりたいけど、なんか怖い。
やった方がいいと分かっているのに気が重い。
でも、誰かと比べて焦る。
まだ自分には早い気がして、先延ばしにしている
AIについても、今までそうじゃなかったですか?

こういうものが混ざると、
頭の中だけで片づけるのは、無理が出てきます。

ここでAIが効くのは、
散らかった材料をいったん全部並べ直してくれるからです。
たとえば、こう相談する。

「私は今こういう活動をしています。
(現状をできるだけ具体的に書く)。
一年後にはこうなっていたい。
そのために、今の自分は何を優先した方がいいか、
理由とあわせて、3か月単位の進め方で整理してください。
今すぐやるべきこと、後回しでいいこと、
やらなくていいことも分けてください。」

これだけで、頭の中のものが、動かせる形に並びます。

大事なのは、AIに人生を決めてもらうわけではない、ということです。
決めるのは自分。
AIは、決めるための材料を並べ直してくれるだけ。
この距離感を間違えなければ、AIは最高のマネージャーです。

たとえば、
展示より先にポートフォリオを整えた方がいい。
SNSを伸ばす前にプロフィールの言葉を変えた方がいい。
依頼を増やしたいなら、作品の見せ方を依頼者目線に寄せた方がいい。
今は毎日投稿より、月に数本の強い投稿の方が向いている、とか。
そういう順番が見えてくる。

絶対に正しいとは限りません。でも、考えるための地図にはなる。地図があると、人は少し動けます。

「やること」より先に、「やらないこと」を決める

活動設計でいちばん効くのは、やることを増やすことより、
引き算である、やらないことを決めることだったりします。

SNSも展示もZINEも作品撮りも営業も動画も毎日投稿も、
全部やる。これをやろうとすると、たいてい全部が中途半端になる。

だからAIには、逆向きにも聞いてみてください。

「今の私の活動状況と目標を見て、今はやるべきでないこと、
後回しでいいこと、いっそやめた方がいいことを整理してください。
理由は、気分の問題ではなく、活動の成果につながるかどうかで
判断してください。」

こう聞くことで、
自分では全部大事に見えていたものの中から、
実は、今はやらなくていいことが見えてくる。
逆に、後回しにしていたけど本当は先に手をつけるべきものも、
浮かび上がってきます。

表現は、感性だけでも続かないし、戦略だけでも続きません。
自分の感性をちゃんと守るために、戦略がいる。
AIは、その戦略の側を整理する相手として、よく働いてくれます。


相談するほど、自分の言葉は濃くなる


AIを使うことに、
こういう抵抗を感じる人がいると思います。
自分の言葉が薄くなるんじゃないか。
AIっぽい文章になるんじゃないか。
結果、自分で考えなくなるんじゃないか

その気持ちは、よく分かります。
使い方や考え方次第では、ある一面、あり得ます。
実際、丸投げで出てきた文章は、なんだか平たい。
綺麗なのに、定型分のようで誰の言葉でもない。
整っているのに、書いた人の感触がない。
そういう文章は、確かに増えていますよね。

ただ、僕の実感は逆です。
ちゃんと対話するほど、自分の言葉は濃くなる。

なぜかというと、AIと話していると、
自分が本当は何に引っかかっているのか
どの言い回しを自分らしくないと感じるのか、
何を絶対に手放したくないのかが、
だんだんはっきりしてくるからです。

返ってきた文章に「いや、そこは違う」
「もっと感情的な感じ」
「これは綺麗だけど自分の言葉じゃない」と
言い返したくなってくる。
その引き算の作業をくぐると、最後に残るのは、
むしろかなり自分の言葉です。

だから僕は、AIは表現を奪うものではなく、
表現の純度を上げる側にも回れると思っています。
コツは一つだけ。AIの答えを、そのまま自分の答えにしないこと。
疑い、疑問を見つけて、それをAIにまたぶつける。
そこからまた出てきたものに自分がどう反応するか、
そこをちゃんと見ること。
引っかかりの中に、自分の芯があります。
そして、そこから自分で深ぼればいいのです。


まずは、この3つだけ


ここまで長く書きましたが、
最初から難しく考えなくていいです。
まずは、おさらいとして
この3つだけ、聞いてみてください。

・今の自分は、どう見えているか

私のプロフィール、最近の投稿、活動内容を見て、
初見の人にはどんな印象に見えるか教えてください。
魅力として伝わっている部分と、
まだ伝わり切っていない部分を分けてください。
仕事や次の活動につながりにくくしている要素があれば、
それも教えてください。

自分では伝えているつもりで、
外からは伝わっていないことがある。
逆に、意識していなかった魅力が、
もう伝わっていることもある。
まずそこを知るだけで、発信は変わります。

・自分の強みは、どこにあるか

「私の写真 / 写り方 / 発信を見て、
強みとして育てられそうな特徴を整理してください。
色、光、構図、表情、距離感、世界観、
言葉の使い方の観点から見てください。
似た印象に寄りすぎているところや、
これから伸ばすと良さそうな方向もあわせて教えてください。
そしてどんな言葉と共に伝えたら良いかも一緒に考えてください」

「なんとなく良い」を、
「どこが良いのか」まで降ろす作業です。
そこが見えると、撮影でも発信でも、判断が速くなります。

・次に何を整えるべきか

「私は半年後にこうなっていたい。
そのために今の自分が最初に整理すべきことを、
作品、SNS発信、プロフィール、ポートフォリオ、
活動設計に分けて教えてください。
優先順位と、最初の一か月でやることも
具体的に出してください。
またSNSでの、より良い私の「行動」も
合わせてマネージメントしてください。
例えば他の人へのコメントなども。」

このように聞くことで、
考えをまとめるだけじゃなく、
次の一歩を、実際に動けるサイズまで
小さくしてくれます

大きな目標はそのままだと動けない。
一か月でやること、今週やること、
今日少しだけ整えること、
まで割ると、急に現実になります。

まずは、この3つで十分です。
キャプションを書いてもらう前に、
ほんの少しだけ、自分の現在地を見てもらう。
そこからで間に合います。


おわりに

今回いちばん伝えたかったのは、
AIは答えをもらう場所というより、
自分の活動を整理して、
次の一歩を見つけるために話す場所だ、
ということです。

写真家もモデルも、自分の中には、
もう持っているものがある。
ただ、それが言葉になっていなかったり、
今の活動と先の目標が
つながっていなかったりするだけです。
これって、意外と難しいですよね、本当に。

AIは、そのあいだに立って、
道筋を少しずつ見せてくれます。
キャプションだけじゃなく、
もう少し深いところで話してみてください。
たぶん、自分の作品や活動の見え方が、
少しずつ変わります。
その変化は、次の撮影や、次の発信や、
次の出会いに、じわじわと確実に効いてきます。

AIは、表現者の代わりにはなりません。
なってもらっても困る。

でも、自分の存在を見つけ直すための
マネージャーとして、めちゃくちゃ優秀です。
でも、最後は
何を相談して、返ってきたものをどう受け取って、
そこからどこへ進むのか。
それを決めるのは、結局いつも自分であるべきです。

だからこそ、可能性が無限大で、
本当に面白くなっていきますよ。

次回予告

次回は、
AIに、自分たちの仕事を奪われない「自分」になるためには?
という話を書きます。

AIを使う人が増えれば増えるほど、同じような言葉、
同じような投稿、同じような作品の見せ方も増えていくと思います。

では、その中でフォトグラファーやモデルは、
どうすれば「誰でもできる人」ではなく、
「この人にお願いしたい」と思われる存在になれるのか。

AIに任せていい部分と、
自分の中で絶対に育て続けた方がいい部分。
便利さに流されながらも、
個性や感覚を薄めないための考え方の
提案」と「横軸の思考」。

そのあたりを、次回は少し踏み込んで書いてみます。

次回もぜひ読んでもらえたら嬉しいです。
それでは、また。


haru wagnus

埼玉県出身。フォトグラファー/プロダクトデザイナー。オーディオブランド「WAGNUS.」、ファッションブランド「4 Silent Birds」代表。イギリス人の父と日本人の母を持ち、幼少期をロンドンで過ごす。音楽家としてのキャリアをベースに、Instagramをきっかけに写真を始める。SNS総フォロワー約15万人。

人物、ファッション、トラベル、自然、アート写真を得意とし、カルティエ、ヴァンクリーフ&アーペル、アディダスなどのファッションブランド撮影、ホテル広告撮影、海外観光撮影、カメラ機材メーカーとのコラボレーションなどを多数手がける。近年は、写真とAIテクノロジーを融合させた作品づくりも積極的に行っている。

著書に『超絶レタッチ術』『ポートレート写真術』『SNS時代のフォトグラファーガイドブック』など。

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