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小説 能登姫の呪い (紹介文)

古代、能登は決して辺境の地ではなかった。


〜第10話発表を機に、紹介文を書き直させていただきました。

《紹介文》

「政(まつりごと)に神は要らぬ。祈る者は使えばよい。――王は祈る者にはならぬ」

大和の王・崇神。
父王は、神を祀ることに失敗し病んだ娘・豊足姫(とよたりひめ)を、冷徹に「政治の駒」として北の最果て、能登へと送り出す。
だが、父王はまだ知らない。生贄として差し出された娘の瞳に、かつての自分と同じ「王の光」が宿り始めていることを。

【病か、毒か、計略か】
二年前、主人公の姫の運命を狂わせた「神罰」の正体は、宮中に渦巻く人の悪意だった。
暗闇の底で姫が受け取ったのは、能登で急逝した兄からの符牒――《能登へ近づくな》という死の間際の警告。
そして、網に包まれた焼け爛れたような《黒い石》。

【能登の三人の豪族と、王の資質】
辿り着いた能登で待ち受けていたのは、曲者揃いの豪族たち。
富を誇示する羽咋の君。異国の風を纏う船見の君。
そして、能登の闇を背負い、姫を射抜くような目で問う能登部の君。

「あんたは、この能登のために死ねるのか」

【奪われた名を取り戻す旅】
誰が織っても布が切れる「能登姫の呪い」が渦巻く地で、姫は土の下に眠る「名もなき神々」の嘆息を聴く。
たとえ王の計略の上であっても、姫は兄が夢見た「黄金の稲穂」と「新しき鉄」の正体を突き止めるため、自ら「神話」の奥底へと踏み込んでいく。

正史の影に埋もれた「鉄の国になろうと足掻いた国・能登」の真実が、いま、黄金の稲穂とともに揺れ始める。


《創作について》

これは、古墳前期(3世紀後半〜4世紀)を舞台にした創作小説です。

もともと古墳時代に特別な関心があったわけではありませんでした。

けれど、地元・中能登町の雨ノ宮古墳を訪れたことをきっかけに、能登姫、石動山の伝承、古代神話が私の中で結びつき、この物語が生まれました。

何もないと思っていた過疎の町にも、掘り起こせば確かに息づく歴史がある。

日本のあらゆる土地にも、同じように語られなかった物語が眠っているのではないか――

そんな思いで、この物語を書いています。

創作ではありますが、可能な限り考古学的・歴史的な視点を大切にしながら、背景や調べたことについても、今後少しずつ言葉にしていく予定です。

この物語が、忘れられようとしている土地と人の歴史に、ほんの少し耳を澄ますきっかけになれば幸いです。

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