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旅先で訃報を聞く。今は言葉が出てこない。

 つい先頃亡くなった演藝・演劇評論家の矢野誠一さんは、追悼文の名手でもあった。その極意は残念ながら聞き漏らしたけれども、葬儀についての身の処し方については、伺ったことがある。

 「どうも、通夜や告別式が苦手なんです」と私の野暮な質問にこう答えてくれた。

「特に冬場はね。そんなときは、葬儀に行く代わりに、劇場の予定を取りやめて、(物書きだったら亡くなった方の)著書を取り出して、静かに読むようにしている」

 毎週の予定が決まっている勤務から離れたので、自由な時間を使って、少し長い旅に出たいと思っているうちに、あっという間にⅠ年半が経った。

 亀蔵さんの訃報は、出かける間際に聞いた。トム・ストッパードの訃報は、アジアとヨーロッパの境界にある町で聞いた。

 今は、なにも言葉が出てこないけれど、来週には慣れた町に移り、トム・ストッパードの戯曲も容易に手に入る。
 長くもなく、短くもないこの旅のあいだに、追悼文を書いてみたいと思っている。

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お芝居を観るのは大好きだけれど、もっと深く感じたい。戯曲の読み方を知りたい。演劇の評論やエッセイを書…

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歌舞伎や現代演劇を中心に、劇評とその周辺について批評家として考え続けます。 舞台という「場」の力、俳優の身体と言葉、翻訳や演出の働き、そし…

故人の面影をしのぶ助けになれば幸いです。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。