個人の活動を記録する生成AI時代の日報「Activity Report」が生まれるまで
12/25(木) 追記
本記事について急遽Xのスペースで配信し、音声も公開されました。より深く知りたい方は、こちらも参考にしてください!
「Activity Report」についてたくさんの反響をいただいたので、 @oyamadashokiti @syu_cream とスペース配信やります!
— Hashiyama (ojiki) | Ubie (@capyogu) December 23, 2025
12/25(木) 12:00〜
1. コンセプト
2. データ収集・加工
3. 社内での活用事例や今後の課題
4. 質問コーナー
ぜひ聞きに来てください!#Ubie #生成AI https://t.co/0Y3OcIS7rE
こんにちは、Ubieの橋山です。
この記事は「Ubie 生成AI Advent Calendar 2025」12/20の投稿です。
先日、同僚の oyamadashokiti より「Activity Report」の構想についての紹介記事が公開されました。
本稿ではその続編として、この構想がどのように設計・実装されているかという具体的な試行錯誤についてお話しします。
目標設定時の情報収集を楽にしたい
Ubieには「変化進化会」という、目標設定や成長について所属組織のLeadと対話する場があります。その準備として、過去の活動を振り返る作業があるのですが、なんとかこれを効率化できないかというのが事の発端でした。
そこで、すでに社内で活用が進んでいた JIRA / Notion / Slack の情報が取得できるMCPサーバーを経由して、振り返りの情報を「よしなに」取得するワークフローを作りました。

情報の取得精度が低い
しかし、出力された情報はおおまかにはその人の活動を捉えてはいるものの、以下のような課題にぶつかりました。
MCPや生成AIモデルの不安定さによる事実誤認: AIモデルが適切なツールを選択せずに情報取得の再現性が低い、あるいは長期間の膨大なコンテキストを扱いきれず処理する過程でハルシネーションが発生する
情報の過不足: Slackの雑談など業務と関係ないノイズが大量に混じったり、職種によっては情報が取得できていない(例:セールス職におけるCRMデータやお客様との打ち合わせの議事録など)
データソースごとの精度が異なる: JIRAやSlackはフロー情報で途中の過程が見えるため個人の活動と紐付けやすい一方、Notionはストック情報なので個人の活動が紐付けられず、個人の活動への紐付けが困難

情報の取得精度をあげるための3つの工夫
上記を解消するために、大きく3つの工夫を行いました。
個人のアサイン領域に合わせて取得する情報を選別する
Ubieでは個人が責務を持つ一定規模以上の仕事(Epic)が明瞭化されていました。そこで全てのEpicをNotionデータベースに登録し、AIから参照できるようにすることで、個人の責務に紐づかない情報をフィルタリングできるようにしました。また、職種ごとにヒアリングを行い、活動に含めるべき情報を特定・デジタル化を支援したうえでデータソースの拡充を行いました。

データによって適切な処理方法を使い分ける
MCPツールでの情報取得が不安定だった原因として、実行結果が毎回微妙に異なり精緻なデータが取りにくい点にありました。そこで、情報収集から分析までのフローを細かく分割し、処理の仕方を分類しました。
正確性が求められる処理: データ抽出・統合・集計など正確性が求められるデータは、SQLやコードで加工・集計する
創造性が求められる処理: 推測や解釈・要約など、SQLやコードで処理が難しい点は、事前に加工・集約された情報を生成AIで処理する。
これを踏まえて各種データソースから取得した生の情報をまずBigQueryに転送し、必要な前処理を行うようにしていきました。その上で、データが大量の場合はデータソースごとに一度生成AIで要約し、それを再度コードで適切なフォーマットに加工します。最後にもう一度生成AIで集約するというプロセスに変更することで、ある程度アウトプットを安定させることができました。

デバッグ・協業がしやすい仕組みに変更する
元々は、社内生成AIツールの1機能だったワークフローを使って処理を構築していましたが、データソースが多岐にわたり、処理も複雑化する中で、うまくいかない場合の失敗箇所を特定することが困難になってきました。
そこで、ちょうど社内で導入されたワークフローシステムである「n8n」に移植することにしました。
n8nの導入により、複雑なワークフローの開発・デバッグ効率は劇的に改善しました。複雑な処理を分割して複数人で編集したり、共通の処理を作って再利用したり、ノード単位での部分実行やデータ確認によるテストが容易になったりと、「ソフトウェア開発」のノウハウが適用できるようになったこ
とも大きいです。

AI Readableな世界へ向けた活動
「Activity Report」は様々な活用方法が検討されていますが、今後この精度をさらに高めていくためには、源流となるデータそのものがAIにとって読みやすい形になっていることが不可欠です。
デジタル情報が残っていない活動は、AIにとっては存在しないことと同じです。私たちのチームでは、以下のような活動を生成AIのイネーブルメントとして全社推進しています。
会議の文字起こしと自動転送: オンライン会議はすべて自動で文字起こしを行い、誰が何を話したか(話者分離)を明確にした上で、議事録として記録・BigQueryに転送されるように仕組み化。転送ルールもカスタマイズ可能で、機微情報にも配慮できるように。
Notionデータの構造化: 人間にとっての読みやすさ以上に、AIにとっての解釈のしやすさを優先したデータベース設計やプロパティ設計を徹底。

最高の生成AIの実験場で一緒に働きませんか?
本稿では「Activity Report」の工夫とそれを実現する仕組みについて、解説してみましたが、いかがだったでしょうか。
Ubieはカルチャーガイドの中でも謳っている通り、生成AIにベットしています。社員全員が当たり前のように毎日生成AIを使う環境において、いろいろなアイデアを気軽に試すことができる実験場があります。
直近ではインターンの募集も開始したので、ぜひ一緒に「Activity Report」を進化させて、無限の可能性を実現していきましょう!
