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【#創作大賞感想】日常から物語を紡ぎ出せる名人は今年も健在!

本日2本目は、花丸恵さんの「この席使用中です」の感想文を書かせていただきます。

昨年の「夢と鰻とオムライス」でも日常から物語を切り取るのがお上手だなと思っていたのですが。

今年もお上手でした。
さらに切り取り方がグレードアップしております。

席を確保してから注文を行うタイプのお店って、ファーストフード店やチェーン店のカフェが多いですよね。そういったお店に1人で訪れ、席取りをしようとする場合、私物を置きませんか?

ハンカチとか
帽子とか

これらの小物は意外と効力を発揮してくれ、大抵の場合、その席は誰かがいると判断してもらえます。注文が済んで戻ってきた時、私物は1ミリも動くことなく、席をキープしてれているのです。このことを当然だと思っていましたが、この作品を読んで私物を置いて席をキープするという行為は、他人の善意があって初めて成立するものだと気づかされました。

悪意の前では「この席使用中です」は成立しません。席取りのために置いた私物の殆どは、テーブルの上から簡単に落とせるものばかりであることが多いのです。

「私物?知りませんが?」

自分が確保した席に他人が平然と座っているのですから、絶対もめますよね。心がささくれている時なら、喧嘩になるでしょう。もしくは、自分の正当性を主張できずに、夜中に鬱屈した気持ちに押しつぶされ「ついてない」とダークになる可能性も考えられます。

あってはならないのに、普通にありえるであろう理不尽な日常は、イライラやモヤモヤを生み出し、我々を苦しめます。それを花さんは、小説にしてしまいました。本当に日常を切り取るのがお上手です。

今作で花さんは、普通にありえる「使用中を邪魔される状態」から、様々な展開を用意し、我々読者を魅了してくれます。不快な感情を生む可能性が高い出来事を通して、登場人物達の成長も描かれ、読む側を物語の世界へと易々と連れて行ってくれました。こちらが連載中は、noteに小説の更新報告とともに載せてくださるエッセイも投稿されています。

エッセイもちゃんと投稿話にそった内容のもので最高なんです。エッセイと小説をセットで読める贅沢さは花さんでしか成立しません。まだお読みになられていない方はぜひ、エッセイを読み、そこからTALES内の小説をお読みください。楽しさが倍増すること間違いなしです。

「この席使用中です」から生まれたスピンオフです👆最終回でロスになっていたので、こちらの連載はとても嬉しかったです。