【#シロクマ文芸部10月③】いろいろ困惑
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。第1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
上記プラス、おばあさんがお題から始まる部分が読み聞かせをし、その後に孫との会話が続く形で物語が展開します。2025年、12個のお話を上手く完成させられるか、お付き合いいただければ幸いです。
10月1回目はこちら👇
10月2回目はこちら👇
「コーヒーにだって使われるよ!夜だけだなんて思わないで!」
黒色はプンプン。
「でもぉ私もコーヒーに使われるわ」
茶色がのんびりと言うと、黒はうっと声をつまらせた。
「髪の毛だって!」
という黒色に茶色が言葉を重ねる。
「それは私も」
「あ!最近はぼくも!」
「わたしも!」
他の色も嬉しそうに手を上げていく。最近はいろいろな髪色があるので、黒=髪の毛、とならないのが最近の髪色事情。
「でも、夜の空は黒色しかない」
夜空を見上げながら水色は言う。
「だから月の味に詳しいのは黒色君だと思うんだ」
ずいっ。水色が黒色に近づく。
「ううう……うわ~ん!」
困った黒色は大声で泣き出した。月の味なんてわかるわけないじゃないか。
「せ、責めているわけじゃないよ」
今度は水色がおろおろし、シクシク泣き出す。
「月の味が知りたいだけなんだよぉ。うわ~ん!」
ああ困った。いろいろ困った。
📚📚📚
「くろ君、かわいそうだね」
姉がちょっと気の毒そうな顔をしました。
「でも、月の味は知りたいよ」
弟が水色の肩を持つと姉はムッとして
「でも無理は行けないんだよ!い~けないんだいけないんだ♪」
と歌います。弟の目にポチっと涙が顔を出したので、おばあさんが慌てて孫2人の間に入りました。
「どっちも正しいのよ」
ええ~変だよぉと孫達はおばあさんに文句を言い始めます。ごめんねぇと困った顔のおばあさんを見ているうちに孫達の心も穏やかになったようです。まぶたの重みが口喧嘩をどこかへ追いやり、2人はぴたりとくっつきスヤスヤと眠り始めました。
「天使だわ……」
おばあさんはとろけるような笑顔を浮かべ可愛らしい笑顔を見つめました。
(つづく)
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
