【#シロクマ文芸部 6月③】お題:雨宿り(#怪異LABO)
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今年で3年目の挑戦となります。
1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
第1話はこちら👇
第2話はこちら👇
雨宿りで怪異LABOに駆け込んできたと思った私は、慌ててタオルで少女を拭いていたのですが。
「お水が飲みたい」
と少女は訴えます。天気の急変で走ってきたのでしょうか。少し息も上がってます。
「ちょっと待っててね」
と私は食器棚からコップを取りシンクの方へ行こうとすると、少女がきゅっと私の服をつかむのです。
「そっちのお水じゃない」
「?」
なにを言っているのかわからず黙っていると、少女は中庭の方を指さします。
「井戸の水?」
すっと目を細めた相棒が問うと少女はこくりとうなずきました。見ず知らずの家に飛び込んできたと思っていた少女は、この家に「目的」があって訪れたのでしょう。
これは!怪異?
とっさに私は飛びのき、少女に向かって構えたのですが。
「あ……💦」
コップを持ったまま構えたため、妙な雰囲気になってしまい思わず赤面しました。どうして私って決めるべきときに限って、間抜けな行動を取るのでしょう。
ポカンとした表情の少女とクスクス笑っている相棒。私は恥ずかしさを隠すようにぶっきらぼうに相棒に問いかけます。
「で、どうする?」
相棒はニッと少女に笑いかけました。少女も星が瞬くような笑みを相棒に返します。怪異とわかってはいるものの、少女の笑顔には惹かれるものがあり、思わず見とれてしまいました。
「危なくなさそうだし、井戸の水あげたら?」
キュウキュウキュウ。
ハンドル部分をきしませ水を汲むと、少女はうれしそうに水を飲みます。その姿を見ていて、あることに気づきました。少女の着ている服が今のものではないのです。
胸には少女の名前と血液型が書かれた名札が縫い付けられていました。ところどころ擦り切れ、泥や血痕もあります。
この子のいた時代には甘い飲み物どころかきれいな水さえもなかったかもしれない……
そう思い、キュッと胸が締め付けられるのを感じながら、少女が欲するがままに水を渡し続けたのですが。
「あんまり飲み過ぎるとおなか痛くなっちゃうよ?」
何杯も飲みたがるので心配になり声をかけると、少女はキョトンとした顔をします。
「なんで?」
「だって、ひとりでこんなに飲んだら気持ち悪くならない?」
「ひとりだから心配なの?わかった!」
にこっと笑った少女は次の瞬間、ピカーっと輝き始めました。
「うわ!」
「ミギャアアア!」
私は猫のフロフを抱きしめ、床にうずくまりました。さすがの相棒も驚いて固まっています。
光が収まりそっと目を開けると……ポン、ポンポンと音を立て少女が分裂しているではありませんか。あっという間に怪異LABOは増殖した少女で埋め尽くされてしまいました。
「お水ちょうだい!」
「水!」
「水欲しい!」
「お水ぅぅ!」
「もっとぉぉ!」
先ほどまでの静かな雰囲気はどこへやら、コップを持った少女に私は囲まれてしまいます。どの少女も必死に私にコップをぐいぐい押し付けてきちょっと痛いです。フロフは猫の身軽さでスルンと私の腕をすり抜け、食器棚の上へ避難してしまいました。
「なんなんだぁぁ!」
(つづく)
小牧幸助部長、ありがとうございました!
ワールドカップで遅れに遅れて本当に申し訳ないです💦
創作大賞期間中なのでTALESで公開中の2作品を紹介させてください。
ファンタジー小説を書き始めたのにTALESのAIに「恋愛小説でしょ!マッタクモウ!」と叱られて恋愛小説部門に応募している小説です。本編の裏がよくわかるように番外編も追加。文字数の割にスルスル短時間で読めるといわれてます😊
創作大賞に参加しているうちにお仕事小説って面白そうだなっと初商戦した小説です。下町の風景や美味しいものも堪能できるよう、かなり描写に力を入れました。人はいくつになっても夢を見ていいという思いを込めた小説です。こちらもスルスルっと読めると言われています。安心してください!
上記2作品は完結です。一気読みできます。創作大賞締切の7月8日までは感想文を中心に投稿予定ですが、ワールドカップに興奮し、コカコーラ缶を買い集めに走っているとnoteを休む可能性があります。
note投稿中もお休み中も通常運転で馬鹿と脱力を発揮しております♪おばかさんライフは楽しくてなかなかやめられません♪
