【全力応援#創作大賞感想】硬筆がえぐる思惑のうねりに飲まれろ!
本日は白鉛筆さんの「山猫軒のオーダーシート」の感想文を書かせていただきます。
こちら、毎日のようにスマホへnoteさんが「あなたにオススメ!」と紹介してきた作品でした。最近AIに力を入れているnoteさんが私を分析しているのですから、このオススメ度は100%に近いのでしょう。
LINEマンガの「あなたにオススメ」作品も98%以上のものは読んだことはあるものばかり。
読みかけ中のものを疎かにできない
白鉛筆さんの作品も早く読みたい
その間で揺れながら目の前の力作をひとつひとつ読み、ようやくたどり着けました。
私は宮沢賢治が大好きです。シロクマ文芸部でも何作も宮沢賢治へのオマージュ童話を投稿しています。それがミステリー小説のベースになるのですから、ワクワク感を抑えるのがとても難しかったです。
白鉛筆の名前に相応しい硬筆な文体で描かれた主人公は、自分が決めた世界だけで生きる人生を歩んでいるかのように見えます。母親の電話からは、そこはかとなく、そんな主人公への心配も感じられ切ないです。主人公の言葉遣いや思考がハードボイルド級に硬いので、その心配も親として自然派生するのを止めれません。
大学での授業態度は真面目、知人からは距離を置かれながらも、知らないうちに鑑賞対象となっている主人公。侍ばりに自分を律し過ぎるし、幼馴染からの「ありえない申し出」も違和感を抱きながら、受け入れる姿に心配が先立つのは当然です。
ただ、主人公の妹が発する純真さに触れると、その行動に理解を示したくなります。完全に理解していなくても、彼は守るべき大切な存在を本能で見極めているのです。
この作品はミステリーなので、様々な思惑が登場します。
思惑
白鉛筆さんはこの言葉に、様々な理不尽さや集団行動の恐怖を詰め込み、隠されている事実をえぐりました。正義や常識の裏に潜む狂気に注目している私にとって、これは最大級の飛びつきポイントです。その時の状況によって変わる思惑(常識)には本当にゾッとさせられます。
散りばめられたザラッとした伏線が、綺麗に回収されながら進むストーリー。それらのザラつきは私の心にピタリと貼りついて取れません。気持ちの悪いこれらは私を「白鉛筆中毒」へと引きずり込むでしょう。
ハッピーエンドかどうかは読者が決めるべきだと思います。私は、ハッピーエンドではないけれど、主人公が心の底で大切にしているものには光が当たっていると気がしました。それを救いと感じています。やはり小説には微かでも救いがないと。
白鉛筆さん、救われちゃったの?と驚かないでくださいね。
すらすらと読めたのは13話という適切な話数だと思っていたのですが。
え?88000字?そんなに沢山?
白鉛筆さんの文章力に脱帽です。
一気に読めます!騙され願望のある方は今から白鉛筆さんへGO!
