【#シロクマ文芸部 1月③】お題:本を読む
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今年で3年目の挑戦となります。
第1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
毎週日曜日に連載をしていますが、18日は寝落ちして投稿できず、反省しております。
第1回目はこちら👇
第2回目はこちら👇
本を読むと言い出した雪だるま。
しかし、小枝の腕で本を持てばぽきんと折れてしまうだろう。握力も腕力もない小枝の腕。僕は、雪だるまにどんな本を読みたいのか尋ねた。
泣き止んだ雪だるまは、期待を込めた声で叫ぶ。
「ずっと溶けない本!」
ああ、言うと思った……思わずため息をつく僕。
その様子を雪だるまは怪訝そうな顔で眺める。
まずい!
また泣かれたらこちらが困る!
どうして、雪だるまってのは溶けたがらないんだろう……
童話や創作の世界での雪だるまは必ずといっていいほど、溶けるのを嫌がる。子どもたちは雪だるまの願いを聞き届けようと必死に走りまわる。しかし、春になると雪だるまは……
こんな感動の物語をよく目にする。
子どもはそれを泣きながら読むんだよな。
しかし、ぼくは大人だ。
雪だるまが溶けるのは冷静に受け止める自信がある。
春になれば溶けると理解できる大人だ。
しかし、今は冬真っ盛り。
雪だるまが溶ける要素はない。
道行く人々は喋りながら僕の横を歩く雪だるまを
「かわいい~」
なんて写真を撮っている。
もしここで僕がなにか変なことを言って泣きだし、温かな涙を流そうものなら……
雪よりも冷たい視線が僕に注がれSNSで叩かれるだろう。
雪だるま溶かし男!
この男、心が氷(# ゚Д゚)///
雪だるまきゅんの可愛いお顔が!
ここまで想像した僕は、笑顔を貼り付けこういった。
「じゃあ、本を探しに行こうか!」
「ほんとかい?」
雪だるまはぴょんぴょんと飛び跳ねた。
顔と身体の雪玉が揺れるが微妙なバランスで崩れない。
おお~!と歓声が上がり、みんながスマホを雪だるまにかざした。
(つづく)
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
※カクヨムコン11に参加しています。
今日、最新話を公開しました👇
怖さに磨きがかかったか読みにきてください♪
