【#シロクマ文芸部 7月③】お題:波の音(#怪異LABO)
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。今年で3年目の挑戦となります。
1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
第1話はこちら👇
第2話はこちら👇
波の音は夜店を通り抜けると聞こえ始めました。
「にゃああ!」
それまでなにを言っても腕の中から出なかったフロフがスルンと飛び出しました。地面につく前にクルリと一回転したので女の子の姿になっています。
「フロフ!水たまりはもういいの?」
「砂にゃ!砂なのにゃ!」
砂浜を見て興奮したのでしょう。少女のフロフは足裏の感触に大喜びです。
「猫のままで砂浜で遊んでもいいんだよ」
「でも、肉球じゃにゃくて素足で歩きたかったのにゃ!前足より手のほうが砂をつかみやすいのにゃ!」
「なるほど」
はしゃぐフロフがかわいらしすぎて私は思わず目を細めました。夜店を通り抜ける道には水たまりが残っていましたが、砂浜は全体に水が吸い込んだ状態になっているのでフロフも安心してはしゃぐことができます。
「砂って少し湿ったくらいが固まって面白いにゃ!」
「フロフ!こっちは少し乾いてきたからサラサラだよ!」
「にゃにゃにゃ!」
二人、いや一人と一匹で話をしていたときです。
「盛り上がってるねぇ」
と相棒が姿を現しました。
「遅い!指定したのはそっちでしょ!」
「申し訳ない!」
相棒に文句を言いつつ、私はフロフと砂の感触を楽しみ続けました。
(つづく)
小牧幸助部長、ありがとうございました!
《 創作大賞2026参加作品 》
お時間があればお読みください。「読んだよ」の一言で小躍りをします。
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