【#シロクマ文芸部8月②】少年、小鳥にお願いする
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。第1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
上記プラス、おばあさんが読み聞かせをするというスタイルを今年は取ることにしました。そのため、シロクマ文芸部のお題から始まる部分が読み聞かせとなり、その後に会話が続く形で物語が展開します。2025年、12個のお話を上手く完成させられるか、お付き合いいただければ幸いです。
8月の物語1回目はこちら👇
祈ること?小鳥は小首を傾げます。あまりにも愛らしい様子に少年は笑みをこぼしました。
「そうだよ。祈ることはとても大切なんだ。僕はいつも祈っている」
「動けないから?」
「そうだよ」
弱々しくはありますが、少年はしっかりとした口調で答えます。小鳥はなんだか居心地が悪くなり羽をパタパタと動かしてしまいました。
「行っちゃうの?」
「違うよ!」
今まで1羽で暮らしていた小鳥の心がポッとなります。自分だけの生活は自由だったのですがどこか寂しかったのでしょう。羽を丁寧にしまい、小鳥は少年に一番近い枝に止まり直します。
空を飛んでいる時に、少年のつぶやきを聞いた小鳥が舞い降りたのが1羽と1人の出会いとなりました。
「君は毎日空を旅しているんだね」
自分にとって当たり前のことを旅と言われ、小鳥はびっくりします。少年は小鳥が近づいてきてくれ嬉しそうです。少年も1人で寂しかったのでしょう。
「空の旅?なにそれ?」
動かない少年を不思議に思う小鳥はそう尋ねたのですが、それに答えることなく少年は「祈ること」の大切さを話始めたのです。
「あのね、君に頼みがあるんだよ」
「いいよ!」
だれかに頼られる嬉しさに小鳥は丸い胸をくいっと反らせました。
📚📚📚
「どんなお願いかな?」
「なにかしらね」
優しくおばあさんは微笑みます。
「お願いされると僕うれしい!」
「わたしも!」
「じゃあ、おばあちゃん、お願いしちゃおうかな?」
いいよーと言う孫におばあさんは「今日はこれでねんねしてください」といいました。やられたーという顔をしながら孫2人は布団に入ります。
「あなた達は本当に優しい子ね」
と言いながらおばあさんは電気を消しました。
(つづく)
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
