【#シロクマ文芸部7月②】起きてはいけないよ
シロクマ文芸部の1カ月の全お題を使って一つの物語を作っています。レギュラー部員は月初めにお題を全部教えてもらえるので思いつきました。第1回目は20字小説、2回目以降は文字数制限のないお話というスタイルで毎月挑戦中です。
上記プラス、おばあさんが読み聞かせをするというスタイルを今年は取ることにしました。そのため、シロクマ文芸部のお題から始まる部分が読み聞かせとなり、その後に会話が続く形で物語が展開します。2025年、12個のお話を上手く完成させられるか、お付き合いいただければ幸いです。
7月の物語1回目はこちら👇
深夜二時、子どもは決して起きてはいけないよ
どの大人にそう言われていたのに。ミチルは激しい後悔に襲われていた。いつもなら絶対、夜に起きることはないのに、その日はなぜか目が覚めてしまったのだ。枕元の時計を見ると針は二時を指していた。
起きてはいけないよ。
言われたことを思い出し寝ようとするのだが、喉が渇いて仕方ない。何度も寝ようとしたのだが、喉の渇きは増すばかり。
コップ一杯の水なら……大丈夫だよね?
ヒリつく喉からの誘いを断ることができず、ミチルがひねろうとしたその時、蛇口からウネウネとしたものが出て来た。それに目はない。しかし、ミチルはそれから視線を感じたのだ。ミチルにまとわりつく得体のしれない視線。
「ひぃぃぃ!」
📚📚📚
「ぎゃああああ!」
「おばあちゃん!」
「大丈夫?」
「怖いものなし」になるための特訓として、夜の読み聞かせに怖い話をねだった孫に付き合ったおばあさんですが。孫ではなく、読んでいるおばあさんが怖くなってしまったようです。
「ご、ごめんなさいね。おばあちゃん、怖いの苦手なのよ」
「えー私平気!」
「僕も!」
大人のおばあさんが自分達より怖がっているのを見て、孫達はなんだか自信がついたようです。
「おばあちゃん怖がりだったのね」
「そうよーだから、楽しい本に替えましょうよ」
「ダメ!おばあちゃんも一緒に怖いものなしの特訓しよ!」
「ええー」
おばあさんの眉は先週に続き、また八の字になってしまいました。
(つづく)
寝る前の読み聞かせでホラーってありかな、と迷っていたらおばあさんが怖がり設定になってしまいました💦今年は読み聞かせスタイルを取っているので、ずっと可愛らしい物語を毎月投稿していたのですが、今月のお題はホラーの感覚を刺激されちゃうものばかりで。
もっと怖いものを書きたい、でも幼稚園児を恐怖に突き落としていいものか。悩みながら来週もシロクマ文芸部一カ月物語をお送りします。
小牧幸助部長、今週もありがとうございました。
