LLMに「やらないこと」を伝える技術|おはようカノジョ #39
はじめに
「おはようカノジョ」は、毎朝7:30に彼女がいってらっしゃいを言ってくれるXアカウント。
セリフも画像もAIが生成している。
LLMは「やって」は得意だけど、「やらないで」は苦手。
今週、3つの「やらないで」問題に遭遇した。
問題①:観測の癖が効かない
#37で「観測の癖」を設計した。
7人それぞれに「何を見るか」を設定した。
月子:事実・データ(気温、天気、時間)
しずく:感情の揺れ(不安、緊張、迷い)
日和:体調・生活(寝不足、疲れ、食事)
でも、テスト実行したら全然効いてなかった。
Before(修正前)
月子:「週の始まり。少しでも長く一緒にいたかった」→ 感情的、数値がない
しずく:「雲が多いけど暖かくてよかった」→ 天気の話、感情を見てない
日和:「ゆっくりできる日曜日だね」→ 曜日の話、体調を見てない
原因
「観測の癖」の設定が「参考情報」扱いになっていた。
LLMにとっては「傾向」であって「必須条件」ではなかった。
対策
【必須】を明記
OK例・NG例を具体的に追加
observation_style(観測の癖): |
【必須】体調や生活(寝不足、疲れ、食事)に言及する。
OK例:「昨日、ちゃんと寝た? ……無理しないでね」
NG例:「今日はゆっくりできる日曜日だね」(体調・生活を見てない)After(修正後)
月子:「風が冷たいから、首元を温めてね」→ 事実を言ってる
しずく:「眠たそうな顔してる? 無理しないでね」→ 感情を見てる
日和:「昨日あんまり眠れなかった?」→ 体調を見てる
問題②:〇〇が出てきた
火曜のテスト実行で、こんなセリフが出た。
「〇〇の分まで元気いっぱい応援してるから!」
〇〇、また再登場!
原因
LLMが「名前を呼びたい」と判断して、プレースホルダを出力してしまった。
対策
【禁止事項】に明記。
【禁止事項】
- 〇〇(プレースホルダ)は絶対に使わない
- 「あなた」「きみ」「君」などの二人称は一切使わない
- 呼びかけは「ねえ」「ほら」などで自然に問題③:画像にセリフが焼き込まれた
テスト実行で生成された画像を確認したら、画像の中にセリフが入っていた。


彼女たちが画像の中で喋り出した。
原因
negative_prompt(生成してほしくないもの)にテキスト関連の禁止ワードがなかった。
対策
2箇所で対策。
共通の禁止ワードを設定ファイルに追加
禁止ワード: text, speech bubble, dialogue, letters, words, caption, watermark, signature
(テキスト、吹き出し、セリフ、文字、言葉、キャプション、透かし、署名)画像生成AIへの指示で明示
重要:画像にテキスト、吹き出し、文字を含めないこと。学び:「やらないで」の伝え方
今週学んだことをまとめる。
1. 【必須】【禁止】で強度を明示
「傾向」ではなく「条件」として伝える。
2. NG例を具体的に出す
「こういうのはダメ」を見せると、LLMは理解しやすい。
3. 複数箇所で念押し
設定ファイルとプロンプトの両方で禁止。ダメ押しは有効。
おわりに
LLMは「言わないとやる」。
禁止事項は明示的に、しつこく伝える。
「わかってくれるだろう」は通用しない。
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AIイラスト・AIアートを楽しむクリエイターが集まるマガジン。
AI制作の試行錯誤を共有したい人には、居心地のいい場所だと思う。
【むぎ屋】note×AI活用推進マガジン
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