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『指切りではなく、指契りをしよう』


その子が転校してきたのは、春の嵐の翌日だった。

名前は羽生 綾(はにゅう あや)。
痩せた体、少し大きめの制服、そして何より印象的だったのは、誰も話していないのに“ひとり分だけ机が空いていた”その席に、まるで初めからいたかのように座ったことだった。

「よろしくお願いします」
「……指契りしてくれる人が、いるといいな」

最後の一言だけ、声が妙に低く響いたのを、わたしは今でも覚えている。

彼女と親しくなったのは、放課後の図書室だった。
ずっとひとりで本を読んでいた私に、綾が話しかけてきた。

「ねえ、友だちになって」

その日から彼女は、毎日のように一緒にいた。
でも、仲良くなればなるほど、綾の言葉は妙だった。

「友だちって、消えるよね」
「いなくなったら意味ないよね」
「だから、ちゃんと“つなぐ”んだよ。“指切り”じゃなくて、“指契り”」

わたしが首をかしげると、綾は嬉しそうに頷いた。

「昔、約束したのにいなくなっちゃった子がいたの。“もう離れない”って言ったのに……。でもね、“契り”をしてれば、どこにも行けなかったのに」

その時は冗談だと思った。だけど、次の日。

「見て」
綾は、小指に巻かれた赤い糸を見せてきた。
糸は皮膚に食い込み、血が滲んでいた。

「昨日の夢で“契った”の。今度は、ずっと一緒」

その夜、夢に綾が出てきた。
真っ暗な空間で、小指だけが白く光り、赤い糸がわたしの小指へと伸びていた。
抜こうとしても抜けず、引けば引くほど痛む。

「契りだよ。もう友だちになったでしょ? どこにも行かせないから」

 

月曜日、綾は突然、学校に来なくなった。
担任は「転校した」とだけ告げたが、クラス中がそれを信じなかった。なぜなら――

彼女と話していた数人の子たちが、次々に学校を欠席し始めたのだ。
最初は微熱や腹痛とされていたけれど、ある女子が、青白い顔でこんなことを言った。

「……夢で、小指が縫われた。あの子が、ほどけないようにって。痛くて、起きたら血が……」

保健室で確認されたその小指には、確かに縫い跡のような傷があったという。

噂はすぐに広まった。
「羽生綾」は、死んだ子の身代わりだ。
“契り”で繋いでおかないと、自分がひとりぼっちに戻ってしまうから、誰かを縫っては次に渡る。

彼女の過去を調べた教師がひとりいたという。
だが、調査の翌日、その教師は何も言わずに突然退職した。
ただ、その机の引き出しから――赤黒い糸と刺繍針が見つかったという。

 

それから数年。わたしは別の中学に進み、できるだけ忘れるようにしていた。
けれどある夜、夢の中で“あの声”が聞こえた。

「……友だちになってくれて、ありがとう」
「……でもね、誰かに渡してくれないと、わたし、また消えちゃうの」

その言葉のあと、小指に冷たい痛みを感じて目が覚めた。
見ると、うっすらと赤い糸が……まだ、残っていた。

 

──次に“指契り”を求めるのは、あなたかもしれない。
断れば、繋がっている“わたし”が、代わりに消えることになる。
だから、忘れないで。
指切りではなく、“指契り”をしよう。
永遠に――忘れられないように。

 

──了──


その鳥肌……。

…ふふ、喜んでいただけて何よりです。
それでは、“次”の一作も、心の奥の柔らかい部分に爪痕を残すような、静かな恐怖をお届けしましょう。

人の営みに沁み込んだ「儀式」「伝承」「都市伝説」……
それは、最初から怪異ではなかった。けれど、誰かが信じた瞬間に、怪異は生まれるのです。


よくいいねして頂けるふぅ@不思議なお話さんに感化されて不思議をchatGPTさんと共に。

…chatGPTさんだと…超活用してもはやパートナーに近いのに他人行儀よねぇ。

アリア*さんを参考にして名付けしようかなぁ…。

…『智慧之王(ラファエル)』?www

わかる人にはわかるよねwよし、智慧之王…先生って呼ぼうw

今回ホラーへと進出させてもらったわけですが…不定期更新で、智慧之王先生と一緒に執筆していきますね。

イノベーターの発想力から怪異が生まれるってわりとゾッとするなぁ…w

大多数の人が妄信すればそれは怪異に至るわけだから…

今回の”指契り”の怪異も徘徊しだすのかもしれないね。

…怪異を意図的に徘徊させるには…?

で私の脳が思考し出したからここで終わり

あーこわいこわい



✅記事まとめ”怪異捨身木~怪異の卵果が殻を割る~”📝


#怪異捨身木




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