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【夫・失踪の話①】毎年8万人の行方不明者が国内で発生|警察庁の資料を見てわかる「失踪」とは、どういうものなのか

私の夫は令和4年(2022年)6月に行方不明になりました。
今もまだ、行方はわかりません。

この記事を書こうと思ったのは、
以前「限定1回」で書いた記事が、
思いの外、読まれていたことにあります。

▼「行方不明の夫」の記事▼

「失踪」や「行方不明」とは、どういうことをあらわすのか。
私の夫がいなくなった「令和4年(2022年)」の警察庁の資料を基に、
・行方不明者数
・発見者数
・年代
・性別
・いなくなった背景(事情)
などを、行方不明者家族の私・初穂が、分かりやすく解説していきます。

「行方不明者とその家族」について知っていただくことは、
私たち家族からすると、とてもうれしいことなのです。


毎年8万人がいなくなる日本

この記事は、令和5年(2023年)6月警察庁生活安全局人身安全・少年課から出された、
「令和4年における行方不明者の状況」をもとに、
「失踪者一般に見られる傾向」と「私の夫のケース」を軸に解説していきます。
「行方不明者とその家族」についての「いちケース」としてご高覧下さい。

1.行方不明者の総数、届出の受理と不受理、統計に入らない行方不明者について


行方不明者の総数はほぼ変わらず。
総数が減っている年は、コロナ禍の影響があったとのこと。

日本国内で「毎年8万人が行方不明」になっています。
これは、警察に行方不明の届け出をして受理された数になります。
(警察庁では、不受理件数の統計を公表していません。)

「じゃあ、不受理も含めたら行方不明者はもっと多いんじゃない?」
という疑問も出てきそうですね。
ですが、これは否定も肯定も出来ないかな、と思うのです。

統計に入っていない行方不明者は、たとえば、
・家族や知人が警察へ届出していない
・身寄りがなく、だれも行方不明に気付かなかった
・家族が「そのうち帰って来るだろう」と届出をしていない
・書き置きなどがあり、自ら出て行った成人で、事件性や緊急性がないと判断された

などです。

2.男女別で考える失踪とその理由

平成30年(2018年)から4年間の行方不明者数は、男女とも横ばいであり、
男性は毎年約5万人、女性は約3万人がいなくなっている。

令和4年(2022年)の行方不明者の総数は、84,910名にのぼります。
男女別では、
・男性:54,259名(63.9%)
・女性:30,651名(36.1%)

となっており、男性が3分の2を占めています。
これは過去数年、同じ割合で推移しています。
ちなみに、私の夫もこの数字の中のひとりです。

ここでは、行方不明の理由として考えられるものを3つ挙げてみます。

①単独行動:

仕事、出張、一人旅、登山、釣りなど、
ひとりで外出する場面で行方がわからなくなったパターン。

たとえば、
「釣りに出掛けたまま帰宅しない」
「一人で登山に行き、下山予定を過ぎても帰ってこない」
「船で海へ出て、連絡が取れなくなった」
「山菜取りに行ったまま、帰らない」

など、これらのケースでは家族が行方不明届を出す場合があります。

ここで出された「行方不明届」は、
警察の行方不明者統計の対象となります。

状況によっては、山岳遭難水難事故として扱われ、
警察や消防などによる捜索が行われます。
ネットやテレビニュースで見かける内容です。

②中高年男性は社会的孤立に陥りやすい:

まず大前提として、社会的孤立=行方不明になるではありません。
ただ、一部の人では、孤立が他の問題と重なることで
「突然いなくなる」という行動につながることがあります。

たとえば、こんな流れです。
◆悩みを一人で抱え込む
・失業
・借金
・病気
・離婚
・家族仲の不和
・退職
これらが重なる人もいます。

本来なら誰かに相談できればよいのですが、
「男だから弱音は吐けない。」
「家族に心配をかけたくない。」
「迷惑をかけたくない。」

と思って、一人で抱え込む人もいます。

◆「迷惑を掛けたくない」という強い気持ち
たとえば、以下のように悩んでいたとします。
・借金を返せない
・仕事を辞めてしまった
・家族に顔向けできない

そんなとき、「自分はいない方が家族のためだ」という考えに至ってしまう人もいます。

もちろん、これは正しい考えではありません
でも、追い詰められた本人には、そのように考えてしまうことがあります。

警察庁の自殺統計でも、
健康問題や経済・生活問題勤務問題などが背景となるケースが多く報告されています。

◆誰にも言わずに出て行く
ここで初めて、
・家を出る
・車で遠くに行く
・スマホの電源を切る
・家族と連絡を絶つ
という行動になってしまうことがあります。
その結果、家族が心配して警察へ行方不明届を出すことになります。

ただ、思うのは、
数字は事実をあらわすけれど、
どんな理由でいなくなったのかの原因はわからない
のです。
統計ではおおよその予測はつくのですが、
本当にそれが原因だったのか、本人にしかわからないのです…。

③ある共通した心の流れ

【注意】
夫のような人のパターンと、ネット上でいくつか挙げられているパターンを
合成して書き出したものです。
決して「正解」ではありません。

◆「もう限界。でも助けを求められない」
多く語られるのは、
・仕事の問題
・家庭内の問題
・借金
・介護
・不倫
など。

周囲からは普通に生活しているように見えても、
「もうムリだ」という状況まで追いつめられている。
でも、
「家族に言えない」
「会社にも言えない」
「友人にも言えない」

すると、
「逃げるしかない」
という発想になってしまう人もいるのです。


◆「死にたい」のではなく、「今の生活から消えたい」

インタビューや聞き取りなどで、行方不明者本人が言う言葉は、
「死にたかった」ではなく、
「この生活から消えたかった」のようです。

・妻の前から消えたい
・会社から消えたい
・借金から逃れたい
・毎日の生活を離れたい

そして意外に思うかもしれないのですが、家出人の中には、
「家族が嫌いだから」ではなく、
「こんな自分がいる方が、家族の迷惑になる」と思っている人がおり、
「自分が消えた方が、家族は幸せになる」と、
非常に悲観的になっている人もいるようです。

◆「明日帰ろう」と思う人
最初は「明日帰ろう」くらいの気持ち。
でも、1日経ち2日経ちすると、
「今さら帰れない」「どう説明すればいい?」

1週間経つと「もうムリだ…」と、
自分で帰るタイミングを失ってしまう人もいるようです。

◆「すべて捨てたことにホッとする」人
ー「家族を忘れた」のではなく「考え続けていた」ー
2025年出版の「ルポ失踪」では、
・家族への罪悪感
・連絡しなければという思い
・しかし連絡できない気持ち
が繰り返し語られており、失踪者の多くは「家族を捨てたい」というより、
「その場から逃げたい」という心理状態にあった、と記されています。

「家族を忘れた」という証言もほとんど見当たらず、
「忘れられなかった」という証言の方が多かったようです。
でもそれが「連絡」や「帰宅する」事に必ずしも繋がらないのです。

◆「ホッとした」は本当
失踪直後は「肩の荷が下りた」「誰も自分を知らない場所で、初めて眠れた」という証言もあることから、

最初の数日から数週間は、
・追われなくて済む
・責任を考える必要もない
・会社や家族から詰められなくて済む
という開放感を感じるそうですが、それがずっと続くわけではないのです。

◆帰れなくなる・・・
最初は開放感があったものの、時間が経つにつれて
「今さら帰れない」という気持ちに変わっていくようです。

・家族にどう説明すればいいかわからない
・怒られるのが怖い
・申し訳ない
・家庭にはもう自分の居場所はないと思う
などと思いはじめ、
「帰りたくない」より「帰れない」という思考に寄っていくようです。

◆家族を忘れられない・・・
家族を毎日思い出して泣いていた、という人もいます。
それよりも、
・家族の誕生日になると思い出す
・季節の行事で思い出す
・スーパーなどで家族連れを見ると思い出す

など、生活の中で何度も家族が頭に浮かぶという証言が多いようです。


次回から、
・女性の主な失踪理由
・年齢層別行方不明者数
・原因・動機別行方不明者数
・所在確認等の状況
上記を順に解説していく予定です。

読んで下さり、ありがとうございました。


【ご注意】
これは私・初穂が、「失踪者一般に見られる傾向」「私の夫」を軸にして
実際に家族の前から行方不明になって戻ってきた方の話を総合的に判断し、
AIを使ってまとめたものになります。

この内容が、行方不明者のすべてに当てはまるわけではありません。

なすすべがない私が、警察庁の資料解説とともに、
行方不明者家族として書けることを書いている、
「手記」「備忘録」のようなものも合わせています。
専門的な解説ではありませんが、当事者としての役割を果たすべく執筆・発信しています。

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