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不登校の夏休み、焦らなくていい理由

「休み中こそ何かさせなきゃ」をやめて楽になった話

もうすぐ夏休みですね。この時期になると、不登校のお子さんを育てているママたちから「夏休みが逆に不安」という声をよく聞きます。学校がある日は「今日は行けなかったね」で終わっていたのに、夏休みになると「夏休みも!、うちの子は何もしていない」という焦りが強くなってしまう。私自身、ASDの診断を受けている娘が学校に行けなくなったとき、まさにこの感覚に押しつぶされそうになった一人です。

元・特別支援学校の教員として、休み明けに子どもたちがどう変化するかをずっと見てきました。それでも自分の子どものこととなると、頭でわかっていることと、実際に受け止められることは全然別だったんですよね。
この記事では、私が「夏休み中こそ何かさせなきゃ」というプレッシャーをどう手放していったか、そのプロセスを正直にお話ししたいと思います。同じように焦りを感じているママに、少しでも肩の力を抜くきっかけになればうれしいです。

夏休みになると焦りが強くなる、その理由

不思議なもので、学校がある平日は「今日も行けなかった」という事実だけで、それ以上深く考えずに済んでいたところがありました。ところが夏休みに入ると、周りの子どもたちがプールに行ったり、友達と遊んだり、宿題をこなしたりしている様子がSNSなどでも目に入りやすくなります。すると「うちの子はこのままでいいのか」「休み中に何か学びの機会を作らないと差がついてしまうのでは」という気持ちが、じわじわと膨らんでくるんです。

これは決して珍しい感覚ではなく、不登校のお子さんを持つ家庭の多くが経験する時期特有のプレッシャーだという考え方があります。
長期休みは「本来なら学校が担っていた生活リズムや学びの枠組み」が丸ごとなくなるタイミングでもあるので、親としてその穴を埋めなきゃという気持ちが強くなりやすいのだと思います。我が家の場合、娘が学校を怖がるようになってから、休みに入るたびにこの焦りが1週間ほど続き、そのあとにどっと疲れが出る、というサイクルを何度か繰り返してきました。

元教員だった私が最初にハマった罠

正直に告白すると、私は元教員という経験があるぶん、余計にこの罠にハマりやすかったタイプです。「学びの遅れを取り戻すために、夏休み中はドリルを1日1ページやろう」「生活リズムを整えるために、朝は決まった時間に起こそう」。頭の中でスケジュールを組み立てては、娘に提案していました。

でも娘の反応は、私が思い描いていたものとは全然違いました。提案するたびに表情が曇り、部屋にこもる時間が長くなる。「せっかく休みなのに、また何かをやらされる」という空気が伝わってきて、私自身も「こんなに拒否されるなら、私のやり方が間違っているのかもしれない」と落ち込む日々が続きました。

去年の夏休みは、初日から3日連続でドリルの提案を続けてしまい、4日目に娘が「もう夏休みが始まったばかりなのに疲れた」とぽつりとこぼしたことがありました。その一言で、私は自分がやっていたことの意味を考え直さざるを得ませんでした。
振り返ると、私は娘のためというより「何もしていない期間を作りたくない自分」のために予定を詰め込んでいたのだと思います。この気づきは、自分ひとりでは得られませんでした。不登校の子育てについて発信している方の投稿や、AIに娘の様子を相談しながら整理してもらう中で、少しずつ「これは私の不安を埋めるための行動だったんだ」と腑に落ちていった感覚です。

「何かさせなきゃ」をやめてみた日

きっかけは、ある朝いつものように予定を提案しようとしたときに、娘が小さな声で「今日は何もしたくない」とつぶやいたことでした。その一言で、無理に何かをさせようとすること自体が、娘にとってはただの負担にしかなっていないのかもしれないと感じたんです。

その日から「夏休み中に何かを達成させる」という目標を、いったん脇に置いてみることにしました。朝起きる時間も、何をして過ごすかも、娘に委ねる。私が決めていたのは「三食のごはんは用意する」「困ったときはいつでも声をかけていいと伝える」、それくらいのシンプルなことだけです。

最初の数日は、正直かなり不安でした。「このまま何もしない日々が続いたらどうしよう」という気持ちは、簡単には消えません。カレンダーに何も予定が書かれていない日が続くのを見るだけで、そわそわしてしまう自分もいました。それでも1週間、2週間と続けていくうちに、娘の表情から少しずつこわばりが取れていくのがわかりました。夏休み全体で見ると、最初の2週間はほとんど何も「やらせる」ことをしなかった計算になります。

焦らないことで見えてきた娘の変化

何もさせない期間を経て気づいたのは、娘は「何もしていない」わけではなかったということです。好きな漫画を読み返したり、自分のペースで絵を描いたり、リビングで弟の様子を眺めていたり。傍から見れば地味な時間かもしれませんが、娘なりに心のエネルギーを充電しているように見えました。

以前の私なら「それは学びにならない」と切り捨てていたかもしれません。でも学校に行けない期間が長引いているお子さんにとって、まず必要なのは「安心して何もしなくていい環境」なのではないか、と今は感じています。これは専門的な断言ではなく、あくまで我が家での実感ですが、同じように悩んでいるママの参考になればと思い共有しています。

娘の場合、心が落ち着いてくると、3週目あたりから自分から「これやってみようかな」と小さな挑戦を口にする瞬間が増えてきました。折り紙を1つ折ってみる、弟のドリルを横からのぞいてみる、そんな小さな行動からで十分でした。親が引っ張らなくても、本人のタイミングで動き出す力はちゃんと残っているのだと、教えられた気がします。

ちなみにADHD傾向のある息子は、娘とは反対に「予定がないと逆に落ち着かない」タイプです。同じ夏休みでも、きょうだいでここまで必要なものが違うのかと驚かされました。息子には簡単な一日の流れを紙に書いて渡し、娘にはあえて何も渡さない。それぞれに合った関わり方をするほうが、結果的に二人とも穏やかに過ごせる時間が増えました。

焦りそうになったときの私なりの対処法

とはいえ、今でも周りと比べて焦りそうになる瞬間はあります。そんなときに私がやっているのは、次の3つです。

1つ目は、SNSを見る時間を意識的に減らすこと。他の子の充実した夏休みの投稿は、比較のきっかけになりやすいので、しんどいときはあえて距離を置きます。

2つ目は、「今日は何もなかった」ではなく「今日は穏やかに過ごせた」と言い換えること。同じ一日でも、言葉の選び方で自分の気持ちの持っていき方がだいぶ変わります。

3つ目は、不安な気持ちを一人で抱え込まず、夫や友人、時にはAIに話を聞いてもらうこと。頭の中だけで焦りをぐるぐる回していると悪化しやすいので、外に出す作業を意識的に取り入れています。夫は在宅ワークをしていますが家事育児にはあまり関わらないタイプなので、私自身が意識して発散先を持つようにしている、というのが正直なところです。

夏休み後半に向けて意識していること

長い夏休みも後半に差し掛かると、また別の焦りが出てくることがあります。「休み明けにまた行けなくなったらどうしよう」という不安です。私はこの時期、無理に学校の話題を持ち出さず、代わりに「2学期はこんな感じで過ごせたらいいね」くらいの軽い温度感で会話するようにしています。具体的な計画を立てるというより、選択肢をいくつか見せておくイメージです。

また、休み明け直前になって急に生活リズムを戻そうとすると、本人にとってもプレッシャーになりやすいので、後半の1週間だけ少しずつ起きる時間を早めるなど、小さな調整に留めています。全部を完璧に整えようとしないことが、結果的に長続きのコツだと感じています。

夏休み中の「小さな記録」が支えになった話

もうひとつ、私が今年から続けているのが「その日あった小さな良かったこと」をスマホのメモに1行だけ残すという習慣です。「娘が朝ごはんを完食した」「弟と少し笑い合っていた」、そんな些細なことで構いません。焦りが強い時期は、どうしても「できていないこと」ばかりが目についてしまいますが、1行メモを見返すと、意外と穏やかな瞬間が積み重なっていることに気づかされます。

この習慣を始めたのは、AIに日々の出来事を話しながら整理してもらう中で、「記録として残すと自分の気持ちも客観視しやすくなりますよ」と提案されたことがきっかけでした。自分ひとりで思いついたことではなく、外からもらったヒントですが、実際にやってみると、しんどい日にこそこのメモが効いてくると感じています。
夏休みのように先の見えない期間が続くときほど、こうした小さな積み重ねが心の支えになるのだと実感しています。

おわりに

不登校の子を持つ家庭にとって、夏休みは「挽回のチャンス」ではなく「本人のエネルギーを回復させる時間」であってもいいのではないか。そんなふうに、今の私は考えています。何かをさせなきゃと焦る気持ちは、子どものためというより、親自身の不安から来ていることも多いのかもしれません。

今すぐできる1ステップとしては、今日一日だけ「何もしなくていい日」にしてみることをおすすめします。予定を詰め込まず、ただ一緒にいる時間を過ごしてみる。それだけで、親子どちらの気持ちも少し軽くなるかもしれません☺️

同じように悩んでいる方がいたら、決して一人ではありません!!!
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