GCレポの流動性

以前の投稿で、2021年12月末の買現先の事例を紹介しましたが、そこでは2021年末の買現先オペにおいて、主にT+0が実施されたことを言及しました(ここではT+0とは、T+0スタートで貸借を行う取引と解してください)。もっとも、そもそも1営業日のGCレポのメインは、T+1になります。本稿ではGCレポ市場の流動性について簡単なメモを記載しておきます。こちらも必要に応じてアップデイトしていきます。

下記が日銀の統計である「わが国短期金融市場の動向」からのデータになります。左側をみると、資金調達サイドとあり、右側をみると、資金運用サイドとありますが、どちらも「T+1」が大部分であることがわかります。また、これをみると、「T+0」はほとんどない、ということもわかります。

market2210.pdf (boj.or.jp)

GCレポでは、国債を担保に出してお金を借りる側と、国債を受け取って運用する側がありますが、上図左側において、借りる側は「資金調達サイド」、国債を受け取って運用する側が右側の「運用サイド」ということになります。この意味では、上記の右側と左で金額が一致しなければなりませんが、このデータはサーベイがベースであるので、この辺りが若干ずれてくることになります。その理由として、日銀は「運用・調達で計数が一致しないのは、本サーベイの調査対象の制約(非居住者等は調査対象外)、調達・運用の片側のみに計上される取引種類(対日銀取引は資金調達サイド、国庫短期証券は資金運用サイドのみに計上)が存在することによる」と説明しています。

ちなみに、このようにT+1スタートの1営業日の貸借を「翌営業日スタートで、1営業日の貸し借り」を指すことから、Tomorrow Nextという意味で、「トムネ」といいます(日銀の図表でもT+1(T/N)と記載されています)。一方、T+2スタートの1営業日の貸借をは、「2営業日後スタートで、1営業日の貸し借り」になりますが、これをSpot Nextという意味で、「スポネ」といいます(日銀の図表でもT+2(T/N)としています)。下記をみると、為替がもともと2営業日後がベースになっていたから、スポットネクストというようです(為替取引のスポット取引が約定してから2営業日に取引することからスポットネクストと呼ばれるようです)。なお、短資会社などの業者はトムネをovernightということもあるようです(この商慣行は不思議なのですが、その理由は分かれば追記します)。下記がそのイメージです。

スポネやトムネは①1営業日の貸借で、かつ、②T+1スタートあるいはT+2スタートを比較していました。しかし、そもそも、①1営業間の貸借ではなく、例えば1週間資金を借り入れるなど、もう少し長い期間の貸借もあり、これをターム物といいます。ターム物について決済のスタートについてみたものが下記の図表ですが、これをみると、やはりT+1がメインであるものの、ターム物だとT+2が増えてくることがわかります。この理由として、2年債入札の場合、T+2など、商品によってはT+1でないこともままあることなどが影響しているということです。

ちなみに、東京マネーマーケットではT+1の取引を総じて「トモロウ物(T+1)-約定日の翌営業日に資金受渡しが行されるもの」(p.94)と説明しています。一方、T+2営業日に決済がスタートするものを「スポット物(T+2)-約定日の翌々営業日に資金受渡しが行われるもの」(p.95)と説明しています。この辺りの細かな定義を確認したい人は東京マネーマーケットの第2章を参照してください。

なお、GCレポレートのデータについては日本については下記の東京レポ・レートを用います。
東京レポ・レート | 日本証券業協会 (jsda.or.jp)


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